「尾鷲やこの地域の将来像」を考える仕事

 「尾鷲の将来や未来」を考えるのが仕事です。

 考えるだけでは、誰にもできるので、それが実現していくような道筋をつけ、「生活しよいまち」にしていきます。しかし、誰にでもできることは、実は単純過ぎてできていないような気がします。面と向かって、「尾鷲の将来はどうあるべきか?」なんて聞かれて、即座に答えることはなかなかできないことです。それをできるのが、私たちのような代表者であると考えています。

 先だって、自民党の三ツ矢憲生代議士と懇談したことをブログにも書きましたが、経営しているカフェでも、「将来の尾鷲やこの地域のあり方」で議論になることがあります。「これからは若い世代に…」とは、よく耳にしますが、私たちはそれをより具体的に形にしていかなければ、多くの人には伝わりません。若いからできることと、若いゆえに見えていないこともあります。そのなかで、私が常に念頭においてあるのが、「この地域の将来のあるべき姿」です。

 私は、「この地域はあるがままの自然環境を守り、文化伝統を継承していくこと。その中で、自然環境を守るためにも、下水処理施設は必要最低限なインフラ整備」と考えています。林業や漁業など、第1次産業の衰退が激しいのは現実ですが、一方で、「自給自足」や「地産地消」、「食糧自給率の向上」も課題となっています。これは、相反する問題ではなく、表裏一体の課題です。自然環境やまちの景観を守ることは、第1次産業によい影響を与えるのは必至です。

 福井県の小浜市へ視察に行ったときに、とても小さな漁村でも、下水道の普及率は100%でした。各戸が約60万円ほどを負担しながらも、「生活の糧である海を守る」ことを選択した結果がありました。一方、尾鷲市では、家庭排水はそのまま海へが普通で、合弁浄化槽の普及率も100%ではありません。設置における補助金もありますが、「知らぬ間に海を汚している」のが現状です。そういう私の借家も、トイレは自然浄化槽ですが、家庭排水は海へとなっています。極力、汚さないことに気を配っていますが、恥ずかしい気持ちが正直なところです。

 「産業振興や新エネルギーの施設がなければ、この地域は潤わない。」

 この意見が大勢を占めるようになれば、尾鷲は昭和30年、40年代に逆戻りです。水力発電や火力発電が全盛期だった時代、この地域は未曾有の繁栄を体験しました。人口も3万人を超え、繁華街もネオンが消えることがなかったようです。私のカフェがある商店街通り(今町)も、肩がぶつかり合うくらいに、通りには人が溢れたそうでうす。その時代のヤーヤ祭りも、今とは比較にならないほどの盛り上がりぶりだったと、当時の翁が武勇伝を語ってくれます。

 しかし、それは栄枯盛衰のごとく、あのときのような勢いは、今のこの地域だけでなく、日本という国にもなくなっています。新施設によって、まちの整備や発展もついてきますが、それは一時のことです。実際の尾鷲市も、そのときの魔法は、50年も持ちこたえられませんでした。考え方の一つで、「今さえよければ。」もあるでしょうが、それが途切れることなく続いていかなければ、今の尾鷲市のように、企業の撤退で補助金の削減、法人税の減少、しいては人口の減少や消費の落ち込みによる二次的、三次的な衰退に繋がってしまいます。

 だからこそ、「あるがままを守る」ことを提唱し、住んでいる人すべてが、「尾鷲やこの地域はどうあるべきか?」を考えるときにきていると強く感じます。この地域に根を下ろす全ての住人に、尾鷲市のビジョンがあれば、それは何通りもの施策となり、そこから本質を残していくこともできます。その代表者として、私たちのような地元政治家が存在しているので、当たり前ですが、私たちは市民の負託で活かされているのです。

 このとき、ビジョンの違いや意見の相違はつきものでしょうが、それを組み入れて出口を見つけるのも私たちの活動であり仕事です。そこに、市民の後押しがあれば、方向性はもっと決定的に道筋がつきます。その決定権が、市長という自治体トップに託されています。

 要約すると、私の意見は、以下になります。

 「この地域に企業誘致は必要ありません。既存の産業振興に力をいれ、この地域からの起業に力を入れます。それだけで、企業は向こうからやってくるきっかけをつくると考えています。」

 「新エネルギーは必要です。しかし、大型船が入港できるようにと、海底を掘り返し、ムーミン島が見えなくなるような建造物を増やしてまで、その基盤施設を尾鷲に持ってくることもないでしょう。」

 「原子力発電の有益性は、自己資源のないわが国では、必須の電力源です。しかし、このまちで消費することのない電力は、必要とされる都市部近郊で建設を考える時期です。安全であるならばならおさらで、送電コストを考えても、電力源は近いほうが理にかなっているはずです。」

 「人口の減少に、歯止めはかかりません。魅力がなければ、人は近寄ることも、留まることもありません。その魅力を、新エネルギーや原子力、企業誘致に託すよりは、他にはない、この地域だけにしかないものを魅力とみなして残します。このみなすということが、尾鷲やこの地域の人だけでは、気づかないことが多いです。」

 「自衛隊も必要です。災害救援においての数々の活躍を、私もこの目で見てきました。一般人ができないことを、彼らは安い賃金で命をかけてやっています。しかし、現在の自衛隊は、災害救援を本業としない軍隊です。この点を、国がもっときっちりケリをつけなければ、わが国にも近隣国にも、自衛隊のあり方が宙ぶらりんです。そこで困るのが、現場で従事する自衛隊そのものです。」

 「まちの景観を守ることは、文化や伝統を守ることにも繋がります。しかし、尾鷲市には、景観条例がありません。住みよいまちは、必ずしも訪れる人には、感動するまちではないことからも、その狭間を考えていくことは必要です。文化や伝統は、住む人とまちの景観がつむいでいくと考えています。」

 まだまだありますが、尾鷲市やこの地域の将来像は、単純な「妄想」からはじまります。妄想だけなら、実現はできませんが、それが想像や創造に繋がっていきます。そういった話をする機会や場所も、このまちにはもっと必要だと考えています。また、そういった場所に、もっとお邪魔することも必要と考えています(誘って下さい。または、教えてください)。そういったサロン的な役割も、私のカフェは担っていきたいと考えているし、担ってきたつもりです。老若男女が意見を交わせる魅力が、カフエクリームにもあるはずです。

 ブログのコメントにもありましたが、「こうありたいね、この地域」という妄想は、自治体に住んでいる全ての住人にしてもらいたいです。それがこの地域のビジョンとなるので、私が言ってきたことは、「尾鷲市の人口が1万5千人であったら」という根拠立ての元にあることを、最後に述べておきます。

 また、折をみて発表します。厳しいながらも、批判的、建設的なコメントがあれば嬉しいですね。
by owase874 | 2009-06-13 17:16 | コラム「温故知新」


市民活動の延長線上に、市民目線の政治があると考えています。


by kumano874

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ご挨拶とブログの概要

当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

ときには辛口の意見もありますが、東紀州における公益や市民益を考える一人の意見として読んでいただければ幸いです。

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