兵庫県佐用町の水害被害から見えてくる事

 台風9号の北上に伴う大雨で、全国的に被害が報告されています。

 特に、岡山県や兵庫県などでは、大きな被害となっています。兵庫県佐用町では、多くの死者が出ています。この死者の中に、「避難中の死者」が報道されています。ちょっと気になったので、過去のデータを探りながら調査をしています。

◆9日の佐用町
 19時頃 災害対策本部を設置
 20時の雨量 時間雨量60mm(観測所:佐用)
 21時の雨量 時間雨量77mm(観測所:佐用)
 21時20分 町内全域に避難勧告
 ほぼ同時刻 佐用町役場が約1.5m浸水
 22時の雨量 時間雨量29mm(観測所:佐用)
 24時の雨量 累加雨量301mm(観測所:佐用)

 まだまだ調査段階ですが、避難勧告が21時半頃であったことに注目しています。この時間帯での避難開始は、激しく降る雨の中、増水や冠水した中を移動することになるので、大変な危険を伴うことになります。佐用町では、この前後の避難中に事故が発生しています。これは、他の地域でも同様に起こっているようです。

 TVで見る限りでは、氾濫した用水路にかかる橋を渡る途中、水の勢いや暗かったためにかで、流された事例が報道されています。いっときの増水や氾濫なので、その時間帯に避難しなければ、助かった命だったかも知れません。水の勢いは、膝下でも自由が利かなくなるので、一度水に持っていかれると、狭い用水路の側壁にぶつかり、防護柵などの構造物にぶつかりしながら、最悪の結果を招くことになります。

 しかし、激しく降る雨の最中に避難を始めたり、自分の家が安全な地域であったとしても、暗い中を避難してしまうことがあります。これは、人の心理状態からくるものも大きいので、避難のタイミングや避難経路などは、事前に知っておく必要性をあらためて感じました。心の余裕が、外に出る避難だけではなく、2階建てなら2階の部屋へ、あるいは、安全を考えて早い目の避難を開始するなどができるかも知れません。

 兵庫県佐用町では、佐用町防災マップが整備されていました。行政側として、できる可能性の第1段階は準備できていたと言えます。これを、災害が発生する前にどのように活用できていたかになりますが、被災の可能性が高まる中では、マップは意味をなくすかも知れません。しかし、何もない時に学習する場があれば、記憶が安心に繋がる場合もあります。

 この段階で断言はできなくとも、または避難勧告の発令は間違いではなかったとしても、避難中の事故は、人災とも言えるのではないのでしょうか?

 興味深い資料のなかに、静岡大学防災総合センター牛山研究室の調査結果があります。

 牛山素行准教授の調査報告によると、04~08年に、国内で発生した梅雨前線の活発化や台風などによって起きた豪雨のうち、被害が大きかった20例を調査対象とした結果、死者・行方不明者計262人のうち、約1割にあたる25人が、何らかの避難行動中だったとみられることが分かったそうです。

 この25人の死亡原因は、洪水が13人、土石流・がけ崩れが10人などで、避難行動の内訳は、徒歩や車で移動中、知人宅に滞在中、避難所を一時的に離れたなどでした。さらに、牛山准教授は、「浸水前であれば自治体が指定する避難所に逃げるのがベストだが、ひざの高さ程度まで浸水して流れもある場合に移動するのは危険。避難先を適切に選ぶことも重要だ。」と語っています。

 「雨に強い尾鷲は、過去の話かも知れません。」

 山や丘陵地の保水力が衰え、地盤が想像以上に緩んでいる可能性も考えられます。雨の降り方にも、過去と変化があるかも知れません。河川の増水が短時間で起こり、側溝や下水溝からのオーバーフローが起きやすくなっている気もします。あらゆることを再検証し、必要な手段を講じるときに来ていると考えています。

 いつものように訴えるだけでなく、行政と共に考えていくことが、問題解決の近道だとも感じています。尾鷲では、今も断続的に強い雨が降っています。この降り方だと、尾鷲では序の口かも知れません。しかし、ここに落とし穴があってはいけません。

 「災害は、忘れたころにやってきます。」
by owase874 | 2009-08-10 21:39 | 防災とまちづくり


市民活動の延長線上に、市民目線の政治があると考えています。


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当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

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