新潟県という自治体を防災で考える

 政務調査視察で、新潟県に行ってきました。

 中越大震災から5年が経過し、あのときの教訓を正しく理解し、後世に伝えていくことを目的に、「防災・安全・復興に関する国際シンポジウム」が開催されました。
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 主催した「社団法人中越防災安全推進機構」は、「中越地震での被災と復興の経験を、日本全体で活かしていくことは強靭な国づくりにつながります。「中越防災安全推進機構」は、中越地域の教育、研究機関の集積を生かして、多様な主体(行政、教育・研究機関、企業、個人など)が連携、参画することで、中越地震に関する記録や研究活動を推進・支援するとともに、研究成果を安心・安全な地域づくりや防災安全産業の振興に役立てます。」ことを目的に設立した団体です。
 この組織の中にある、「復興デザインセンター」も、より市民的でユニークですが、ここには防災やまちづくりの仲間がいます。これをみても、新潟県では、5年前の教訓から「防災まちづくり」を考えています。

 また、もうひとつの主催者である「日本災害復興学会」は、「首都直下地震、東海・東南海・南海地震という巨大地震の発生を前にいま、私たちは被災地の体験を共有し、教訓を紡ぎだして制度とし、社会の枠組みを捉えなおす作業を始めなければなりません。それがKOBEの仲間たちが生み出した「被災地責任」なのだと考えます。しかし、ことは容易ではありません。壊れたまちを、ムラを、人生を再建するのです。被災した地域を、打ちのめされた人々を再起させるための制度論、運動論、価値論、そして、なにより具体的な制度設計をするための技術論も必要なのです」ことを目的とした、科学や技術面から防災を考えていく組織になります。
 この学会の特徴としては、いわゆる大学の専門家集団だけでなく、民間からの意見も広く取り入れている点にあります。

 3日間の日程で、名称に沿ったシンポジウムやセッション、エクスカーションが設定されており、このうち基調講演と、2つのパネルディスカッションに参加してきました。会場となったホテルニューオータニ長岡NCホールには、多くの参加者が集っていました。初日の3つのセッションに参加したのは、その内容が尾鷲市でも反映できると考えたからですが、題名は以下の通りになります。

◆基調講演
  「災害が問う地方の持続可能性」
◆パネルディスカッション1
  「被災を契機とした持続可能な地域づくり」
◆パネルディスカッション2
  「その時どう決断したか~災害時の危機管理を考える~」

 基調講演を行った伊藤滋氏は、「災害がひとたび地方の、しかも過疎の地域で発生すれば、それこそ衰退の一途をたどる結果になる。」と話し、防災・復興の人材育成の必要性を訴えておりました。確かに、防災をどれだけやっても、災害は起こり、被災は大なり小なり受けることになります。そのあとの復興は、まちづくりであり、次への防災につながります。防災と復興のスキルが自治体になければ、同じ過ちを繰り返す結果にもなります。
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 また、パネルディスカッション1では、「災害は文化であり、復興は改革である」との意見が出ました。ここで感心したことは、四川大地震の復興計画を立案するなど、中国で活躍する顧林生氏も、台湾集集地震の復興の道筋をつくった台湾の陳亮全氏も、日本において都市計画の中から防災や復興を学んでおり、東アジアにおける日本の実績を実感しました。とくに、近代都市災害を経験した阪神・淡路大震災が、その後の日本の防災を形づくっているのは確かなことです。
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 中越大震災では、山間部の集落が点在被災し、中山間地域の存続が懸念されました。神戸のような都市災害とは違った復興の難しさが予想されていましたが、中間支援組織が立ち上がったことで、問題を解決していく糸口が見つかったと発表されていました。

 官民協働は、いまや当たり前の言葉にはなっていますが、実体が伴っていないのが現状です。中間支援組織の充実こそが、官民の協働を促すのであって、それは行政の仕事ではありません。ここに、新潟県の災害復興を初めとする防災まちづくりの率先性があると感じました。そして、5年前の中越大震災で、新潟県が中山間地域の災害復興の糸口をみつけた点は大きいかったはずです。これには、のちの泉田新潟県知事も話されておりましたが、「神戸からの防災担当職員のノウハウ享受が大きい。」とのことでした。
by owase874 | 2009-10-19 19:51 | 防災とまちづくり


市民活動の延長線上に、市民目線の政治があると考えています。


by kumano874

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当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

ときには辛口の意見もありますが、東紀州における公益や市民益を考える一人の意見として読んでいただければ幸いです。

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