ごみ問題の解決は、自治体の必須課題

 3日目最終日の視察先は、兵庫県川西市でした。

 前日は、たつの市から移動し、宝塚に宿泊しましたが、このまちのかわりようには驚きました。阪神・淡路大震災直後に、三田市経由で東灘区に入ったたことがあって、そのときの宝塚周辺も瓦礫のまちでした。あれから随分と経ちますが、高層マンションが山肌にへばりつくように建っていて、すっかりベッドタウンの様相でした。

 その宝塚の隣に位置する川西市は、兵庫県川辺郡猪名川町、大阪府能勢町、大阪府豊野町と隣接しており、この1市3町の自治体が、猪名川上流広域ごみ処理施設組合を設立し、「国崎クリーンセンター」を管理運営しています(運営は指定管理)。他府県にまたがる広域のごみ処理施設は、尾鷲にとっても課題のひとつであるだけに、興味深く調査をしました。
e0105019_1782255.jpg
外観はハコモノ的


 まず、立地場所で興味を持ったのは、施設の場所が山奥であることです。といっても、川西市から能勢町に抜ける県道沿いの一庫ダム上流にあるのですが、あたりは360度雑木の山に囲まれています。そばには、田尻川という猪名川上流が流れており、この名称をとって組合を設立しています。
 これだけの自然豊富な場所に、イメージ的には「ごみ=汚い=環境破壊」とみてしまう処理施設の建設は、予想通り環境団体の反対運動なども起こったそうです。しかし、日本で1・2を誇る排ガス基準をクリアした施設と、環境学習が実体験できる啓発施設を併設することで、ごみ処理施設の負のイメージを逆手に取った取り組みをしています。
e0105019_1725983.jpg
ビオトープもあった


 この施設が求められるようになった経緯は、当時の記憶に新しい、能勢町のごみ焼却施設における高濃度ダイオキシンの検知が明るみに出たことでした。あの時は、健康被害の懸念や、野菜農家の風評被害も起こり、施設は使用停止にまでなりました。
 そのときに、隣接する川西市の焼却施設も老朽化し、更新を控えている近隣自治体の施設もあったことから、1市3町による施設ができたのですが、川西市が音頭をとる形で組合ができたそうです。
e0105019_1730760.jpg


 約20億円をかけて、今年の3月に竣工した施設なので、実際にごみの処理を始めて半年が経過したところでした。そのため、ちょうど定期点検の最中であり、焼却炉は停止しておりました。施設は、見学できるようになっており、案内係の説明を受けながら、施設を見てまわりました。
 構想から10年が経過し、ようやく稼動にまでこぎつけた施設だけに、ごみ問題の深刻さがうかがえました。人里にあれば、人体への影響を懸念し、人里離れれば、自然環境の悪化を懸念すると言った具合なので、そのバランスをとる苦労は計り知れません。
 それでも、必要に駆られてできた施設なので、指定管理者や委託主である組合側の意気込みも並々ならぬものを感じました。とくに啓発施設では、さまざまなエコイベントが企画されており、ネタも豊富に用意されておりました。周りの自然環境にも配慮されているので、環境を学べる場所にもなっています。
e0105019_17414854.jpg
火格子


 次に気なったことは、火格子の形状や耐久性の問題です。火格子は、「グレートバー」とも呼ばれ、焼却炉の下で、ごみを攪拌する機能を持っています。適度に動くことで、新鮮な空気を送り込み、燃焼効率を高める働きがあります。このグレートバーは、尾鷲市のクリンクルセンターでの使用されていますが、角ばった形状が異なり、こちらの方がいかにも堅牢的でした。

 さらに、尾鷲市のグレートバーは、なぜかよく劣化するので、その都度多額の修繕費が計上されています。この解消をするために、広域によるごみ処理施設が急務となっているのですが、明快な検討結果が示されてはおりません。音頭とりの市長などがいないことが影響しているとも感じています。
e0105019_17512984.jpg


 ごみ処理の問題は、今や自治体の懸案事項のひとつになっています。焼却炉の性能が向上し、再分別しなくとも燃やせるごみが増えてきたこともあり、日本におけるこの手の課題は、環境的には大きくクリアをしています。だからこそ、1日でも早い導入を検討することは、今ある施設の弊害をなくす意味でも、しっかりと議論する場を設定して欲しいものです。

 私が想像するこの地域のごみ処理施設は、目に見える場所にあることです。現状のクチスボダム上流域の施設は、そこで何をやっているのかさえも相互理解できておりません。また、パッカーの移動距離も長くなるので、その分、職員が移動に費やす時間が長くなります。やがては高規格道路が、熊野や紀伊長島とも繋がるので、広域化も想定範囲になってきます。だからこそ、中心域の尾鷲市のあの場所に、ごみ処理施設を想定してしまいます。
 あの場所は、敷地面積が広いだけに、温水プールなどの熱源を利用した施設も考えられるし、漁協施設としても新設ができれば、より大型漁船の入港も可能になります。毎月開催している尾鷲イタダキ市などのように、定期的なイベント施設も併設すれば、新たな集客交流施設にもなるはずです(尾鷲イタダキ市の年間総売上は6千万円を超えています!)。しかも、それが地域振興ゾーンである県立熊野古道センターや、夢古道おわせにも近いときています。
 妄想に近い想像ですが、このくらいの手腕を発揮しなければ、尾鷲の魅力を後世に受け継いでいくことができないのかも知れません。あの場所については、負の遺産のように言う人もいるし、廃墟になることを想像する人もいます。しかし、あの場所があるからこそ、尾鷲市は今の繁栄を築いてこれました。逆手に取る手法で、あの場所の利活用を議論してもよい次期にきていると考えています。

 国崎クリーンセンターでは、対応していただいた職員が、それまでの苦労や反対運動などの経緯も、包み隠さずにお話くださいました。確かに、1市3町でスムーズにいく方がありえない話なので、そうした議論を尽くした結果が、いまの施設になったと感じました。そのためには、反対運動や環境保護運動の意義もあったはずです。

 今回の視察先は、人口規模の比較では、尾鷲市にとっては無理が大きい内容でしたが、よりコンパクトに考えることができる内容でもありました。この視察調査で得た結果を熟慮し、今後の市政運営の提案や提言につなげていければと考えております。
by owase874 | 2009-10-29 17:46 |  


市民活動の延長線上に、市民目線の政治があると考えています。


by kumano874

プロフィールを見る

ご挨拶とブログの概要

当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

ときには辛口の意見もありますが、東紀州における公益や市民益を考える一人の意見として読んでいただければ幸いです。

質問や批評など、ご意見がございましたら、下記宛にお願いします。何かしらの方法で、きちんと対応させていただきます。ただし、ブログのコメントには、できる限り返答をいたしますが、端無自身の裁量になることをお許し下さい。

◆ブログ管理者
 未来874事務室
 熊野市飛鳥町佐渡462番地
 0597-84-1033
 kurage874@cream.plala.or.jp 

なお、たくさんの意見や考えをお聞かせ願いたいので、直接にお会いすることも可能です。日程調整などしますので、その旨をお伝え下さい。

facebookやtwitterにも登録しています。よろしくお願いします!

カテゴリ

プロフィール
議会活動の予定
コラム「温故知新」
端無の一般質問
定例会の報告
臨時会の報告
委員会等報告
議会改革報告
防災とまちづくり
教育とまちづくり
福祉とまちづくり
観光とまちづくり
住民自治を考える
産業振興を考える
公益行事への出席
地域の活動を知る
東紀州はひとつに
 
 
 
 
 
 
 
 

twitter

最新の記事

一般社団法人熊野レストレーシ..
at 2017-09-23 09:10
三重県熊野市議会議員【はなし..
at 2017-09-23 09:00
1年前を振り返る日、新たな決..
at 2015-04-20 14:58
熊野市の地方創生(移住交流編..
at 2015-03-14 17:29
議会が一枚岩になるということ
at 2015-03-03 00:41
【12月定例会の一般質問】熊..
at 2014-12-11 16:18
【丹レス主催】大杉の伐木と霊..
at 2014-11-10 13:17
これからの地方自治体
at 2014-10-30 14:14
【丹波水害復興支援_霊山寺と..
at 2014-10-30 09:52
【丹波水害支援_床下対応メイ..
at 2014-10-21 10:29

以前の記事

2017年 09月
2015年 04月
2015年 03月
more...

検索

その他のジャンル