予算決算常任委員会について

 尾鷲市議会の議会改革が進行中です。

 最近の話題では、広報委員会の議員が取材や編集を行う、「おわせ市議会だより」の発行を再開(2月1日に第7号が発行)します。また、尾鷲市議会にとって大きな改革である、「予算決算常任委員会」の設置が議論されています。しかし、設置が進むような統一した見解を得られておらず、「設置することで一致」と議会運営委員会で決まったのみです。

 私としては、「設置は早い方がいい。」との認識ですが、議長見解との相違があるのも確かです。この件については、降って沸いた話ではなく、昨年7月に地方自治法改正による、「常任委員会への所属制限の撤廃」が議運でも取り上げられ、11月の管外視察で、予算決算常任委員会を設置している先進地(福井県敦賀市議会や小浜市議会)を視察するに至りました。しかし、積み上げた議論で設置を検討するに至っているかといえば、必ずしもそうでもありません。それまでにも、この件に相当する議運による視察がされていますが(07年7月の芦屋市議会・西脇市議会・天理市議会への視察…三鬼議長のブログで詳細が報告されています)、本格的に議運で取り上げられたのは、昨年の視察後(12月)からなので、それまで何も無かったといえばそうなります。

 例えば、先進地では、地方自治法が改正される前からも、「特別委員会方式」で、これに該当する委員会を設置しています。尾鷲市議会も、これには一部該当し、一昨年から、「決算特別委員会」を設置して審査をしてきた実績があります。しかし、予算となると、これまでにも検討されたことがありません。このことからも、昨年末より、予算と決算を審査する常任委員会の設置へと動いたことに対する議員間の温度差が出ているのも確かです。ただ、私と三鬼議長との見解の相違はここではありません。一部の声にもあった、予算の審査をする特別委員会の設置を経てからでも遅くないのかもしれませんが、ある程度は、議員個人が先進事例やこの委員会の設置に向けての調査をしていいはずです。議員の資質にもなってしまいますが、あまり調査などせずに、場当たり的に発言している場面もあるように感じるので、これが温度差になってはいけません。

 では、三鬼議長との見解の相違はどこかといえば、まずは、「設立時期とスケジュール」が明確にされていなかった点です。今日の議会運営委員会を含め、この議論は年をまたいで3回も続けて行われてきました。しかし、この間に配布された資料は1種類のみで、「三鬼議長の私案ともいえる(設置までの)流れの説明」だけでした。早くから、設立時期が示されたスケジュールが、「議長私案」として提出されていたならば、これを元に議論もできましたが、あいまいな設定で進められたように感じます。この点については、1月12日の議運においても、「先進事例との比較など、資料を作成したほうが議論になるのでは?」と私も指摘をしたところですが、未だに実現されてはいません。

 今日の全員協議会で、三鬼議長が「(設置は)当初予算の3月には」と言っていましたが、「それならば、なぜにもっと早く周知に奔走しなかったのか。」と感じます。当初予算の考えは、その性格からも妥当だと考えていましたが、私も(尾鷲維新という)会派に属しているので、ある程度の統一見解で議運に参加しています。3人とはいえ、尾鷲市議会では最大会派でもあるので、昨年11月の視察から、12月1日の議運での初提案までにも時間はあったし、今日までにもスケジュール作成などの猶予があったはずです。また、昨年の議運の視察に、委員外である会派全員で参加したことも、それだけ注目する内容だったからです。

 私としても、多少歯がゆい思いをしていますが、確かに議論は散漫になっているし、三鬼議長や南議運委員長が最初に口走った「違法性うんぬん」が先走りした感じがします。揚げ足をとられ、それを根拠に議論が散漫になった原因をつくった気もします。確かに、現在の「議案の分割付託」は、多くの議論を巻き起こし、一括付託の利便性の方が、市民に対しても説明はしやすいです。しかし、それでも現行の分割付託が多くの自治体でも採用され、予算決算常任委員会の設置は、全国806市ある自治体で、11市しかないのが現状です(H20年12月末)。

 それだけに、尾鷲市議会での設置は、歴史に残る偉業には違いありません。これから、多くの自治体では、設置に向けた検討がはじまることでしょう。しかし、大事なことは、この設置が市民にとってどれほどの有益性があるかの説明がしきれていない点です。議会改革は必要ですが、市民に対して説明できるもので、実効性が無ければなりません。そのあたりにも、まだまだ議論の余地があるように感じています。気になったところでは、私や会派が言っている、「議会中継システムの早期導入」については、その方向性を確認しながらも、この常任委員会の設置と比較して、積極性には欠ける発言がありました。しかし、市民にとっては、よりわかりやすい改革であるはずです。このバランスが崩れると、市民感覚とのズレに繋がってしまいます。

 とかく、一部地元紙で先行報道され、それを議員が後日確認するような状況は、今回のような温度差を産む原因にもなっています。尾鷲市議会では、全員協議会の公開など、開かれた議会として、積極的に公開されています。しかし、議長見解が全協よりも先に報道されたり、議運でも進んでいない状況でもあるのに、既に設置がすぐそこまできているような発言が掲載されていることは、報道の先走りというよりは、一部議員のリークでないのかとも勘ぐってしまいます。

 残念ながら、予算決算常任委員会の設置は、3月当初予算では、実現することがなくなりました。設置に向けた周辺環境の整備から言えば当然でもあるので、三鬼議長の構想には一部賛同しながらも、私にとっても痛み分けのような気持ちです。しかし、設置する方向性では全議員が一致しているので、今期中の設置に間違いはありません。さらなる研さんと周知をもって、全員一致を目指した設置に向けたいと考えています。
by owase874 | 2010-01-19 00:06 | 議会改革報告


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当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

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