賀田町と採石を考える~自然破壊と産業振興の光と影~

 3月になれば、新年度予算を審査する定例会が始まります。

 同じくして、賀田区の懸案事項となっている、新規採石場開設問題も取りざたされてくるであろうと考えていますが、にわかに動きが出てきました。この問題に関しては、尾鷲市議会としても、平成20年第3回臨時会(10月29日開催)において、陳情第4号「 新規採石業開設の反対を求める陳情」が、全会一致で可決されています。これは、10月8日に賀田区より提出された陳情書ですが、当時の私は、陳情書を審査した、総務産業常任会の委員として、断固たる賛成を促した一人です(一時は、継続審査の声があったのも確かです。詳細はここ)。その大きな理由は、賀田区の96%の住民が反対をしているという事実からでした。
e0105019_15275033.jpg
古川


 この陳情書もきっかけとなり、11月27日には、「尾鷲市賀田地区での新規採石場開設にかかる地元3漁協からの嘆願について」が尾鷲建設事務所に提出され、平成21年7月27日には、「尾鷲市賀田区内における新規採石業開設に反対する要望について(平成21年第2回定例会 要望第7、8号 県土整備企業常任委員会)」が県の議会事務局に提出されています。また、三重県議会における、平成21年第2回定例会9月の一般質問では、津村衛県議(新政みえ)により「尾鷲市採石問題について」として取りざたされています。その他の詳細については、尾鷲市賀田町発-古川清流のブログで報告されており、その中の「新規採石業反対上申書、市長に提出(作成日時:2009/05/02 16:06)」も参考になります。
e0105019_1534442.jpg
賀田湾


 現在の私は、採石法から賀田区の採石業者、採石の歴史なども含め、出来る限りの調査をしている段階で、まとまった報告などできない状態ですが、自身の頭の整理と、今後の方向性を考えていく上で、箇条書きにしろ文責として残しておこうと考えました。間違いなくこの問題は、議員や議会としても判断に迫られるタイムリミットが迫っている段階です。そのときの判断材料になればと考えるとともに、もしかすると、匿名であれ何かしらの意見が書き込まれたり、連絡いただけたりするのではないかとの期待もあります(コメントが荒れるようなことがないように、ご協力をお願いします)。

◆キーワード(順不同)
 採石法
 社団法人日本砕石協会
 採石に係わる環境問題対策協議会(三重県)
 尾鷲市水道水源保護条例(尾鷲市)
 尾鷲市水道水源保護審議会(尾鷲市)
 平成15年9月6日の知事と語ろう本音でトーク(於 尾鷲市中央公民館)

◆覚え書き(順不同)
 ・賀田区の住民のみならず、賀田湾に生活の糧を求める漁師などが、環境汚染を懸念、直面してきた。また、因果関係の有無によらず、身体の不調などを訴える者もいる
 ・一方で、採石による地元雇用や地域の活気(産業振興)、尾鷲市としての増収など、地元や市に貢献してきた歴史や現実もある
 ・採石による石の需要はあり(港湾や海上空港整備)、特にこの地域では主要産業の一つとも言える(良質の岩石、容易な海までの搬出)
 ・新規参入予定の業者を拒否する権利は、三重県側にはない(書類上の不備がなければ)
 ・新規参入予定の業者による許認可の書類は、許可を得るだけの基準を満たしている

 ・野呂知事の意向は、「地元との対話と相互理解が重要」、「既存業者の検証も必要」(知事と語ろう 本音でトークより)
 ・岩田市長は、新規参入予定の業者については、概ね反対と受け取れる意向で当選した(その後の一般質問でも触れている)
 ・尾鷲市議会は、賀田区の陳情書を全会一致で可決し、その時の賛成議員が16名中14名在籍している(私もその一人)
 ・だからと言って、新規参入予定の業者を断固拒否する理由にはならない
 ・既存3業者の環境汚染(破壊)を引き合いに、新規参入予定の業者の拒否も理由にならない

 ・既存3業者の環境汚染(破壊)も懸案事項である(改善する必要性)
 ・とは言うものの、既存3業者の環境汚染(破壊)は、公害として認定される数値か否か?
 ・新規参入予定の業者による環境への配慮は大きい(既存業者と比較して)
 ・三重県、尾鷲市においても、既存業者への積極的な改善を命令してこなかった歴史がある
 ・既存3業者と、新規参入予定の業者との確執はあるのか?

 ・賀田区の総意は現状維持か?(陳情書が採択される根拠となった96%の反対は今もあるのか?)
 ・現在の賀田区は、(新規参入予定の業者に対して)絶対反対、条件付反対、中立、条件付賛成、絶対賛成に分けられるのではないか?
 ・新規参入予定の業者を賀田区が認めることにより、既存3業者の環境への配慮は、より的確なものになるのではないか?
 ・市会議員と県議会議員の連携はあっていいのではないだろうか?
 ・絶対的に、この問題を先送りしてはいけない

 基本的な私の考えには、賀田区の問題だけでなく、「この地域の自然環境は守られるべき」であり、「この地域には、最後はそれしか残らない」とも感じています。今や日本のどこを見渡しても、太古の姿は消えつつあります。この地域ですら、もともとの雑木林から、植林事業によってスギやヒノキの森になっているのですが、それをさらに裸にしてしまうことは、昨今の大きな問題となっている、海への影響も計り知れないからです。現実的な問題としても、「山が荒れたから、海も荒れた」とは、多くの漁師も口をそろえています。

 しかし、雇用や税収を考えると、数少ない雇用促進や産業振興にも繋がるので、経済効果と自然環境のバランスがほぼ均等になる接点はあるはずです(妥協点というべきでしょうか)。そのためにも、まずは、賀田区の住民がどう考えているのかではないでしょうか?また、その判断を公正公平にするためには、行政も議会も正しい判断材料を提供する義務があると考えています。また、採石に係わる業者においても、賀田区の住民に対しては、今まで以上に誠意ある対応が必要となるのではないでしょうか?

 私も、積極的に調査していますが、声をかけていただければ、賀田区をはじめとする住民の意見だけでなく、ぜひとも採石に係わる全ての業者の意見も聞かせていただきたいと考えています。私の基本的な考えはあるにしろ、議員として賛成か反対かが先にくるのではなく、やはり住民の総意がどこにあるのかだと感じます。また、総意とは違う意見があることも十分予想されるので、そのときは、議員としての判断をするまでです。

 まとまった状態で意見できればいいのですが、正直なところ、議員としてできることに詰まってしまった感じもしています。キーワードや覚え書きなどで、私が感じたことの調査はしていきますが、ある程度まで来れば、あとはより多くの意見を聞くことです。そのためにも、皆さまのお知恵をお貸し下さい。

 私には、この地域に住み続けてくれるような、子どもたちに残していきたい自然環境と自治体の理想像があるのです。
by owase874 | 2010-02-07 15:36 |  


市民活動の延長線上に、市民目線の政治があると考えています。


by kumano874

プロフィールを見る

ご挨拶とブログの概要

当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

ときには辛口の意見もありますが、東紀州における公益や市民益を考える一人の意見として読んでいただければ幸いです。

質問や批評など、ご意見がございましたら、下記宛にお願いします。何かしらの方法で、きちんと対応させていただきます。ただし、ブログのコメントには、できる限り返答をいたしますが、端無自身の裁量になることをお許し下さい。

◆ブログ管理者
 未来874事務室
 熊野市飛鳥町佐渡462番地
 0597-84-1033
 kurage874@cream.plala.or.jp 

なお、たくさんの意見や考えをお聞かせ願いたいので、直接にお会いすることも可能です。日程調整などしますので、その旨をお伝え下さい。

facebookやtwitterにも登録しています。よろしくお願いします!

カテゴリ

プロフィール
議会活動の予定
コラム「温故知新」
端無の一般質問
定例会の報告
臨時会の報告
委員会等報告
議会改革報告
防災とまちづくり
教育とまちづくり
福祉とまちづくり
観光とまちづくり
住民自治を考える
産業振興を考える
公益行事への出席
地域の活動を知る
東紀州はひとつに
 
 
 
 
 
 
 
 

twitter

最新の記事

一般社団法人熊野レストレーシ..
at 2017-09-23 09:10
三重県熊野市議会議員【はなし..
at 2017-09-23 09:00
1年前を振り返る日、新たな決..
at 2015-04-20 14:58
熊野市の地方創生(移住交流編..
at 2015-03-14 17:29
議会が一枚岩になるということ
at 2015-03-03 00:41
【12月定例会の一般質問】熊..
at 2014-12-11 16:18
【丹レス主催】大杉の伐木と霊..
at 2014-11-10 13:17
これからの地方自治体
at 2014-10-30 14:14
【丹波水害復興支援_霊山寺と..
at 2014-10-30 09:52
【丹波水害支援_床下対応メイ..
at 2014-10-21 10:29

以前の記事

2017年 09月
2015年 04月
2015年 03月
more...

検索

その他のジャンル