住民自治のあるべき姿と、不甲斐無かった私の一般質問

 一般質問に立ちました。

 「消化不良」が率直な気持ちですが、あれが私のいまの限界なのでしょう。悔しいですが、何ひとつ岩田市長から引き出せるものがありませんでした。一般質問は、相手である市長を、攻撃するわけでも、言い負かすわけでもないのですが、こちらが「よいやり取りに繋がれば。」との気持ちでやってしまうと、主導権が握れないままに終わることを知った感じです。今後は、やり方をかえなければ、あの状態が続くだけになってしまいます。そのことを、肝に銘じた一般質問になりました。

 前回より、制限時間が80分から60分になったので、私の最初の登壇で15分を費やして質問を投げかけ、その答弁に20分近くやられると、残り時間は25分ほどになってしまいます。かといって、最初の登壇は、それなりの作文をしておきたいので、「議会中継があればなあ。」と、あらためて強く感じたところです。言いわけになりますが、私の前振りのような質問に対して、端的な答弁を求めていたのですが、それは私の気持ちの中に、お手盛り的な気持ちがあったからです。

 前振り的な質問とは、第6次総合計画と、都市マスタープランの説明でした。端的に求めたのですが、取り立ててあの場所で聞くことも無い答弁が続く原因をつくったのは私です。岩田市長が考えている、尾鷲市の将来像を引き出したかったのですが、あの答弁から察するには、「市長の意向が反映されるのか?」と感じたところです。日ごろより、「市民目線で…」、「職員を現場に…」と声高にいっている市長ですが、市長自身がどんな尾鷲にしたいのかがわかりづらいと感じています。この日の答弁の中にも、「魅力あるさかなのまちづくりは、第5次総合計画に沿った事業である」と、岩田市長鳴り物入りであるとは表現しないし、「第6次総合計画にしても、今のところはビジョンがない。」と言ってのけられました。

 私の主張の中には、今回のようなソフト事業(まちなかにぎわいづくり事業や、尾鷲よいとこ集客交流事業)は、住民自治の観点からも、民間主導でやっていいと感じています。結局は、行政がまちづくりにテコ入れしても、この2つの事業で、689万9千円が委託料として消えていきます。それが成果に繋がると、市長が主張するのは当然ですが、似たような事業を今までいくつやってきたことでしょうか?そのたびに、市内ではない外部のコンサルタントなどに委託料が流れ、一部の事業所が潤ったように見えるだけで、現在でも継続している事業がどれだけ残っているのか?となってしまいます。

 私が気になった市長の言葉があって、「まずは、行政がまちづくりのきっかけづくりをしなければならない。」と受けて取れる趣旨の発言がありました。魅力あるさかなのまちづくりのツールとして、2つの事業を提案した理由として述べられたのですが、その後の議員との雑談でも話題になりました。「行政がしなければ、まちづくりができないという上から目線の発言であった。」との意見です。私は、その場面で追求できませんでしたが、行政主導でしかできないまちづくりと、民間でもできるまちづくりを、岩田市長は認識できていないのかもしれません。少なくとも、私が普段からやっている市民目線のまちづくり活動は、行政がいなくとも進んでいっています。

 また、魚を全面に打ち出した事業をするのであれば、それはマイ箸文化事業でも同じですが、魚も木も、世界的な視点で考えるべき課題であり、いち地方自治体が、小額の予算をつけたぐらいで改善されることも、回復されることもないように感じます。それにあえて挑戦するのであれば、ソフト面よりも、まずはハード面の整備ではないかというのが、次の私の主張でした。魚も木も、自然環境があって成立するものであることから、懸案事項となっている各地の河川の状況改善や、浄化槽の設置の向上など、まずはそこから手をつけるべきです。また、魚を取り巻く環境の改善も然りで、それならば、尾鷲漁協の更新も必要ではないかと考えるし、マダイカレーの開発よりも、マダイ養殖業者の生き残りに焦点を当てるべきですが、「ハード面は検討する。」で終わってしまいました。

 誰でもわかっていると感じるのですが、1次産業を再興させることは、小さい単位ではできるとしても、自治体の底上げとしてなしえる事業ではありません。それなのに、ハード面の整備にビジョンが無く、小額のソフト事業しかできないのであれば、もっとほかに進める施策が、今の尾鷲市には必要ではないのかということが、私の根幹となる主張のはずでした。しかし、ここで時間が残り少なくなってしまい、うやむやで終わってしまう結果となりました。

 ほんのさわりしかいえませんでしたが、地方自治体が生き残りをかけてやれることは、「地域福祉と学校教育の充実」です。ここさえ押さえておけば、まちづくりなどを行政が主導しなくとも、まちは衰退することがありません。事実、それしかやっていない自治体で、人口が増加している自治体もあります。もう少し詳しく言えば、そのようになるには、もっとまちがコンパクトになるべきなのですが、国や県の協働事業をやっているだけでは、尾鷲市としての特色はでるはずがありません。その特色を出すのが知恵を出すことであり、ときの市長の手腕が求められる施策になります。

 とくに、地域福祉という言葉の意味を、もう少し共有したいと考えておりましたが、「予算はバランスよく配分する」との言葉に、「それを世間はバラマキと呼んでいるのに…」と感じたところです。確かに、予算をバランスよく配分できれば、それに越したことはありません。しかし、無い袖を振っている状態で、結実するかどうかも怪しい施策や事業に、小額ずつバランスよく割り振ってみても、市民やまちの利益につながるのかと言えば、一部の市民の身分保障がされるだけではないでしょうか?

 それでも、尾鷲市というまちを維持するためには、欠かせない必要経費となっているのが、今の地方自治体の現実にもなっています。あえて言うと、「これは公務員を維持するための予算ではないか?」と、感じることがあります。しかし、公務員がいなくなったとすれば、ほぼ全ての自営業者が衰退している中で、尾鷲市の経済はどうなってしまうのだろうとも考えます。ここに、「バランスよく」が適用されればよいのですが、市長の構想の中には、まずは公務員の維持があるのかなとも感じました。

 地方自治体の多くは、公務員がまちの経済を支えています。尾鷲市においても、公務員と呼ばれる市民が、まちの就業人口の多くを占めています。まさに、尾鷲市役所がトップ企業であり、次に公立学校の教員や、国や県の職員が続くはずです。なので、バランスよく予算を配分するというのは、ある意味では間違っていない気もします。予算があれば、それ以上の経費がかかったとしても、公務員の雇用が保証され、まちの経済活動に、かかった経費を還元するという形で寄与してくれます。

 しかし、一方では、ここに格差社会ができた構図があるように感じます。もちろん、私のような市議会議員も、特別職の地方公務員なので、格差をだしている側として批判を受ける立場です。また、行政職員などの公務員のように、決まった就業時間がないために、「遊んで税金をもらっている」とも言われます。その点は、日ごろの活動などで証明していくしかないのですが、公務員と自営業者の格差は痛感するところです。かといって、無下に公務員批判を展開しているわけではありません。

 ただし、地方自治体の現実といえど、住民自治に移行できることは率先するべきで、それで住んでいる住民にわずかでも光明がさすのであれば、まち全体のポテンシャルがあがるような気がしてなりません。公益を考えて活動している人が、公務員であるという考え方ができるような自治体をめざせば、全市民が公務員であってもいいはずです。それには、法的な根拠など、現実的でないこともでてきますが、いまさら産業振興や観光業で、特色ある尾鷲市になる要素は各段に低いと感じています。

 岩田市長の答弁を聞きながら、半ば自棄になってというか、こんなことばかり考えていました。財政難や少子高齢化、過疎化、医療水準の低下などと、二進も三進もいかない自治体は、もはや公務員頼みでしか生き残れないとすれば、なんとも悲しい現実です。確かに、バランスよく配分される予算は、少しでも生きながらえる自治体を保障するかもしれません。事実、それで尾鷲市はなんとか維持できているとも言えます。しかし、そうなるしかないまちで、私や私の仲間たちは、天に向けて唾を吐いているとも思いたくはありません。私たちのように率先する市民は、それらの対極にいるのではなく、可能性として存在していると言いたいです。

 このまちの将来や未来を考えていくのは、岩田市長の仕事ではなく、このまちに住んでいる全ての住民の必須課題であるというのが、本音のところだと感じた一般質問でした。本当に、不甲斐無い一般質問で悔しい限りです。あとは、委員会審査の場面で力を発揮できるようにと、一般質問のやり取りについては、次回の機会までに修正していきます。
by owase874 | 2010-03-11 02:56 | 端無の一般質問


市民活動の延長線上に、市民目線の政治があると考えています。


by kumano874

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当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

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