すでに他人任せになっていないのか?~総合計画への参画など~

 尾鷲市第6次総合計画における基本的な考え方~自治・協働型の行政運営を目指して~と題したスタートアップ研修に参加してきました。

 最初に後悔したのですが、出席している幹部職員の大半が私服であり、対照的に議員側がスーツ姿であったので、「威圧を与えてはいないだろうか?」と感じたところです。この研修自体は、管理職等の職員が対象であるために、議会としてはオブザーバー的であります。午後は、ワークショップ(グループ討議)をするとのことで、そのときには議員は参加しませんが、「私も私服で来る方がよかったのかな」と感じたところです。確かに、このようなスキルアップセミナーは、スーツ姿でガチガチになるよりも、ラフな格好で参加する方が有益な意見が出やすいとも言われています。

 午前の部の講演では、市長あいさつの後に、副市長より総合計画の概要が説明されました。今後の尾鷲市を創造していくための計画作りなので、今の尾鷲市の現況を踏まえた、実現可能な夢でなければいけません。続いて、講師である南島神戸学院大学法学部准教授が紹介されましたが、私はこの手の「センセイ」が苦手です(私と同じ1972年世代でした)。ただし、リサーチ力や行動力は、やがては教授になるためのスキルアップに欠かせないので、最新の情勢を客観的に知るには有益であります。全国には、南島准教授のような、自治体にコミットして活動しているセンセイがいるので、「日本は官僚といわれる人が支えている構造だなあ…」と感じるところです。これを壊そうとしているのが今の政権(民主党)であり、私はそこまでしなくていいのにと考える一人です。簡単に説明すると、政治家は先導する立場でなく、官僚(行政職員)と住民の橋渡し役、つまりは中間支援者として陰で支える役割だと感じるからです。

 南島准教授によると、自治体における総合計画の必要性が問われているなかで、5つの論点を指摘されていました。

 1.優先順位を定める場としての総合計画
 2.総合行政主体のあり方としての総合計画
 3.市民参加等の側面から見た総合計画
 4.「評価」「成果」を前提とした総合計画
 5.問われる総合計画への議会関与のあり方
 
 尾鷲市が目指すのは、岩田市長が「住民参加型で…」と常日頃から言っていることからも、住民を代表する議会の参画も求めていることになります。また、議会として参画するには、住民の声を整理する必要があるので、場合によっては議会独自で市民の考えを情報収集することも考えられます。そのときに、「議会として」どれだけまとまりある行動ができるのかと感じるところです。ただし、基本構想はすでにコンサルタントに委託しているので、「どこまでを住民主導で計画していくのか?」が見えてこない段階でもあります。

 いずれにしろ、議会が総合計画にどこまで参画するのかは、どの地方自治体でも、手探りか傍観している状態であり、一方で、岐阜県多治見市や北海道栗山町などは、議会参画を率先した自治体として注目されているとのことでした。これに、尾鷲市も追随するのであれば、議会側のスキルアップも必要となり、その代表者を選択する住民意識の改革も必須課題となってきます。このあたりが、今の尾鷲市に見合っているのかには疑問もあります。「行政に任せきりではないか?」、「まちがよくならない責任を、議会に押し付けていないか?」、「自分たちには何ができるのか?自分の住むまちに誇りをもって率先しているか?」といったところです。

 さすがに、各自治体で活躍されているだけあって、南島准教授の話には勢いがありました。この勢いは、リサーチ力による自信に繋がっているのですが、「ちょっとずれているなあ」と感じた職員もいたかも知れません。それは、常に現場を踏んでいる職員からみれば、「そりゃそうでしょう。でも、そうならないところに難しさがあるのよ」という課題があるからです。それは正論でもあるし、理想論でもあって、非の打ちどころはないのですが、同じ人間相手の自治体運営は、センセイには理解できても実感できないところがあるからです。それは、私にとっても言えるところであるので、「それでも意見する」ということに否定はありません。それが大事な局面をあたえることもあるからです。しかし、そればかりでも困ります。ただし、南島准教授と尾鷲市の総合計画との係わり合いは、今後の予定はなく、今回の研修だけのようです。

 いただいた資料には、まとめとして、4つの課題を意見していました。

 1.状況認識の共有
 2.従来の反省点や現状の課題の把握・共有
 3.事業レベルの透明性の確保および精査
 4.総合計画への「総合」化と「共有」化

 当たり前といえばそれまでの課題ですが、「コミュニティや現場を丁寧に踏まえることが重要」と結んでいました。ここが、机上らしいと感じるのですが、コミュニティや現場を丁寧に踏まえることの難しさがあるのに対し、ここにセンセイと呼ばれる人たちの安直さがあるように感じるのが、私が苦手な理由の一つです。また、講演や資料には、「ガバナンス」という行政向け雑誌の内容が多用されていたので、「それを読めば早い」とも感じてしまったところです。

 この4つの課題を、自治体のすべての住民が、本気をもって取り組めるのであれば、それは地方自治体という独立国家にもなりえる話だと感じます。しかし、目指すところがそこになければ、中央集権の交付金・補助金頼みの自治体運営に依存していくままです。すでに、自主財源の少ない中央依存型の尾鷲市にとって、それはネバーエンディングストーリーではなく、エンディングがそこまで来ているかも知れないストーリーにいることを忘れてはなりません。少なくとも、「住民参加型」を体よく利用しただけの、「後付け、裏付け型住民参加」にならないことだと感じます。

 それを克服できるような総合計画になることに期待しています。
by owase874 | 2010-04-10 12:36 | コラム「温故知新」


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当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

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