工事請負費3億8174万9千円を判断することに

 第1回臨時会の日程が決まりました。

 その際に上程される議案に、海洋深層水取水障害対策事業費が含まれていました。議案第30号の補正予算ですが、私の所属する委員会ではないので、直接審査することができず、質疑などするしかない状況です。しかし、ふってわいたような3億9524万9千円の補正予算を、この短い期間で判断するしかないので、「(臨時会開催までの)残り7日間で何をするべきか」と考えているところです。

 議会運営委員会や全員協議会でも指摘があった議案第30号は、5款農林水産業費、5項水産業費、5目海洋深層水事業の補正予算3億9524万9千円ですが、内訳は以下の通りです(資料1)。

12節 役務費 1057万1千円
  水質分析手数料 44万7千円
  ダイバー調査等手数料 997万5千円
  受水槽清掃手数料 5万円
  AIS航跡データ作成手数料 9万9千円
14節 使用料及び賃借料 250万円
  船借上料 250万円
15節 工事請負費 3億8174万9千円
  工事請負費 3億8174万9千円
18節 備品購入費 42万9千円
  備品購入費 42万9千円
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資料1


 この補正金額がどれほど高額であるかは、同事業の当初予算3603万1千円との比較でも感じることができます。

09節 旅費 35万6千円
  普通旅費 35万6千円
11節 需用費 383万9千円
  消耗品費 110万9千円
  燃料費 2万4千円
  印刷製本費 6千円
  光熱水費 270万円
12節 役務費 9千円
  通信運搬費 9千円
13節 委託料 3146万5千円
  海洋深層水総合交流施設・分水施設指定管理料 2495万5千円
  海洋深層水多段活用型陸上養殖試験委託料 651万円
14節 使用料及び賃借料 1万9千円
  備品借上料 1万4千円
  駐車場使用料 5千円
19節 負担金、補助及び交付金 34万3千円
 負担金
  海洋深層水利用学会(全国)会費 5万円
  海洋深層水協会会費 6万円
  環日本海洋機能水バイオ研究会負担金 1万3千円
  海洋深層水利用学会等参加負担金 2万円
 補助金
  みえおわせ海洋深層水利用協議会補助金 20万円

 当初予算に対して、約10倍の補正額なので、途方もない数字だと実感できます。また、当初予算での歳入で、この事業にかかる使用料の総額は、501万円の見込みとなっています(深層水使用料500万円、総合交流施設使用料1万円)。金額的なことですが、市民感覚である「なんで、こんなにかかるん?」は、このようなことから疑問に感じるので、私たち議員は、その説明責任を求めていくことになります。

 5日前の今月7日に、このことについての全員協議会が開催され、具体的な復旧方法が示されました。しかし、その際にかかる予算や工事の時期などについては、詳細は検討中とのことで回答がありませんでした。なので、「そのときに果たしてわかっていなかったのか?」と、勘ぐりたくなるも当然です。

◆みえ尾鷲海洋深層水取水管改修工法について
 http://owase.exblog.jp/12615981/

 急展開のように急ぐ理由としては、①現状70%の取水量は、要求量に満たしていない、②①の原因でもある、閉塞している部分が残っているので、大型の生物が詰まる可能性がある、③工事に必要となる台船の確保が難しく、6月に確保できなければ、次は9月となり、台風シーズンに突入してしまう、との市長説明でした。しかし、このことは急に判明したことでもなく、あらかじめわかっていたことです。

 また、突出している工事請負費については、市職員の技師2名が調査しながら積み上げたようですが(資料2)、敷設工事を請け負った業者に随意契約することが決まっています。ここにも、きっちりと説明責任がもてる説明が必要です。多額の工事費を随意契約するということも、市民感覚では「業者の言いなりになっているのでは?」ともなるからです。現状の資料と説明だけでは、私も調査するには時間が短すぎます。それは、市民に対する説明責任がもてないことに繋がります。
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資料2


 次に、この補正予算の財源ですが、指定を受けたばかりの過疎債を使いたいということで、特定財源の地方債(市債)として3億8170万円を起債し、残りの1354万9千円を、一般財源の財政調整基金から繰り入れすることになります。当初予算の市債額が5億3720万円で、第1号補正で5億2190万円となりましたが、今回の補正で9億360万円に膨れ上がることにあります。過疎債の使い方にも議論がありますが、「魔法のお金」ではないので、結局は借金が増えていくことには違いありません。ここにも、市民に対する説明責任が必要です。

 明らかに、数字を比較検討するだけでは、この事業費(議案)に対する印象はよくありません。しかし、だからといって認めなければ、海洋深層水事業の根幹に関わってくることも確かです。尾鷲市が新産業として創造した鳴り物入りの事業だけに、(事業を議決してきたことからも)議会もバックアップする必要があるでしょう。そのためには、市民に対する説明責任を、私たちにも与えていただくことが必要です。議員の仕事のひとつは、議案(予算)の議決です。認める以上は、それ相応の説明責任が必要で、それは否決する際にも必要です。そのためには、この事業費の説明を、市長がどのようにしてくれるのかに注目しています。

 間違いなく、市民感覚だけであれば、この事業費は「高い」で終わってしまいます。その「高さ」を理解した上での必要性を、私は市民に対して説明できなければなりません。私も残り少ない時間で調査をしていますが、尾鷲市にとって最大の危機くらいの気持ちで、執行部も議会も一丸となる必要を感じます。また、多くの住民の皆さまにも、できる限り同じ共有をしていただいて、「高いか安いか」でない感覚で考えていただければと感じています。

 尾鷲市の大きな難題の解決には、将来のことも考えた、多くの意見の集約が必要です。
by owase874 | 2010-05-14 00:44 | 産業振興を考える


市民活動の延長線上に、市民目線の政治があると考えています。


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当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

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