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海洋深層水復旧事業の議論は尽くされたか?

 臨時会より付託された、議案第30号の審査を傍聴しました。

 担当課である新産業創造課の準備が万全で、資料などもたくさん提出されました。この課においては、委員会審査などでは、常にわかりやすい資料が提示され、それぞれの項目について専門の説明員が説明をするので、部下の育成にも繋げている印象を受けます。しかし、豊富な資料であっても、市民に対する説明責任を与えていただけるような納得をしなければならないので、判断する私としては注目した委員会になりました。
海洋深層水復旧事業の議論は尽くされたか?_e0105019_1757506.jpg
復旧施行要領図


 復旧施行要領図を参考にしながら、現地作業工程(案)の資料を見ていくと、予算が承認されてからになりますが、6月後半には事前調査が入ることになります(おそらく6月定例会中です)。また、6月中には、扁平している管の切断などがはじまり、7月には本格的な復旧作業に入ります。7月半ばには試験通水が確認され、8月には通常通水されるという工程でした。ただし、海が荒れたり天候に左右されることもあるので、最短での見込みとなります。

 この説明はよくわかりましたが、私が注目した論点は、①1社による入札とはいえ、随意契約であり、工事請負額としては大きすぎやしないか?、②防護管での復旧が最良策なのか?、③過疎債の使用は妥当であるのか?の3点でした。これは、尾鷲維新の会派でも共通していて、委員会でも質問がなされていました。私としては、事故防止に努めることは当たり前であっても、再発する恐れは懸念されるので、「(高額予算の承認は)これが最後という気持ちで」では、あまりにも執行部にとっては背水の陣的追い詰めになってしまいます。

 また、防護管による処置においても、DONETの光海底ケーブルが、1mの埋設をしていることからも、露出よりも危険性が低いと判断した結果ではないのかと感じるからです(避難港での1m埋設も、危険ではなかろうか?)。それを、あえて露出させる方式で防護するのですが、担当課が説明した防護管の強度についても、連結した管の重さを加味した場合、または波による海流速度が加味された場合、重さが逆にネックとなって、破断する可能性はないのか?と考えたところです。管の強度については質問があっても、このことについての質問はありませんでした。

 さらに、過疎債の使用についてですが、「今年度中に決定される見込みは低い」、「満額分を過疎債でまかなえるとも言い切れない」、「過疎債の適用がされない場合は、一般会計での負担になる」など、当初の説明を覆してしまいかねない新たな説明がされたので、これには傍聴の委員からもどよめきが起こりました。これは、多くの議員が懸念していたことであり、計画性のないままで、過疎債の使用を申請しても、例えば1社による随意契約に近い契約がネックとなって、国に認められないこともあるのではと感じたところです。

 言葉としてはありませんでしたが、「市長の進退をかけるのであれば、今回の予算を認めてもよい」的な意向があったとしても、結局は予算を承認した議会側にも責任は及ぶので、失敗したときや再発したときの責任は、岩田市長にばかりかつけることもできないでしょう。だからこそ、議会としても慎重になるべきと考えたのですが、委員会での採決では、三林議員が「今回の審査は継続してもよいのでは?」との発言をしましたが、賛成少数で否決され、結局は議案を反対にまわる形で、賛成多数により可決されました。

 傍聴した考察としては、担当課の説明はあれ以上はできなかったでしょう。しかし、3つの疑問点を払拭するだけの納得にはいたりませんでした。それは、審査する期間が短いことが大きいので、深層水事業には理解しつつも、この時点で反対討論する意向を固めました。なので、持ち合わせたノートに、その趣旨を述べた文章を作成することになりました。

◆審査資料は出揃ったといえるのか?
 http://owase.exblog.jp/12664612/
by owase874 | 2010-05-19 18:31 | 産業振興を考える


市民活動の延長線上に、市民目線の政治があると考えています。


by kumano874

ご挨拶とブログの概要

当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

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