議会基本条例の先進地で学ぶ~加西市議会編~

 管外視察最終日は、兵庫県加西市議会でした。

 加西市は、平成17年に現市長が当選してから、2度目の不信任案決議で失職し(平成19年)、出直し選挙で再び再選されるということを経験しています。もちろん、1度目の不信任案決議では、議会解散も経験しており、市長と議会との対立は、現在でも終息しておりません(市長派議員と反市長派議員間で、懲罰動議も乱発しているとのことでした)。
 しかし、今年の5月22日には、市長と議員の統一地方選挙があるということで、その動向が注目されています。
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加西市議会にて


 視察の受け入れには、森元議長と繁田議会運営委員長、議会事務局長の3名に応対していただき、加西市の人口が4万9千人あまりであること、水源地に乏しく、昔より溜め池の整備が進められてきたこと(地図を見ても、あちこちに溜め池が点在しています)、また、下水道を全市で整備したことから、起債償還の負担増が懸念材料であるということでした。しかし、インフラ整備には投資が必要であり、下水道を整備したことは、未来へ汚点を残さないことだと感じています(尾鷲市では頓挫しています)。

 前段の市長と議会の軋轢を聞いたところ、市長による職員採用に対する見解の相違が発端であり、平成18年に行われた採用では、百条委員会の設置にまで至りました。また、市長支持派でもある市民オンブズマンが設置され、議会攻撃の先鋒となったことなどの説明もありました(この団体は、のちに分裂してしまい、中立的になった市民オンブズマンが現在も活動しているとのことでした)。まさに、当時の尾鷲市を彷彿とする対立構造ですが、この延長線上に、議会基本条例の設置に向けた議論がはじまったようでした。

 また、この条例の設置は、市長派議員の提案で始まっており、昨日の洲本市と同じく、必要に迫られて条例化した経緯がありました。また、議員定数の改正についても、市長と対立するなかで(市長が12名の改正案を提出するものの否決)、議会による「議員定数検討特別委員会」が設置され、幅広く意見聴取したものの、議員がその定数を決定しています。その結果、今年の改選で議員定数が18名から15名に改正されます。人口五万人規模で定数が15名というのは、長野県諏訪市議会と同規模でありますが、全国的にも例がありません。
 紆余曲折しながらですが、課題解決に向けて前進する姿を感じました。ただし、現在の市長は、議会だけでなく、職員とも対立しているので、先の鹿児島県阿久根市と似ています。この点については、市民受けする過激な発言を、どこまで市民が支持するかです。

 このような状況下で制定された条例ですので、苦労と実益を感じたところですが、条例化だけでなく、議員定数などにも波及しています。また、議会全体の雰囲気として、「議会活動が市民に浸透していない現状が明らかになった、その点を是正する義務が市議会にはある」との意識改革にも繋がっているとのことでした。この点は、愛知県名古屋市議会にも言えることですが、市民の関心が定数や給与だけに注目することには懸念もあります。また、職員の給与にまで市長が言及すると、自治体として機能不全に陥る現状もあります。しかし、どちらも地方自治体では議論が避けされない課題であります。
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加西市役所の玄関にて


 2日間の視察により、議会基本条例の裏側を知ることができ、尾鷲市での条例化に向けた意識も向上しました。どちらの市議会も、必要性を感じて設置をしたので、尾鷲市でもそうありたいと考えています。また、同じように、市民がこの条例に対して関心が持てるような環境作りは、議会の努力だけでは成しえないことも感じました。市民の側にも、自分が住むまちへの関心を、議会や行政を通じて得る努力も求めたいところです。
by owase874 | 2011-01-18 23:27 | 議会改革報告


市民活動の延長線上に、市民目線の政治があると考えています。


by kumano874

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当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

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