国民年金の救済措置について、国民はどう思うのだろうか?

 今年の1月1日より始まった制度ですが、話題になっています。

 国民年金は、国民健康保険と同じく、該当者には支払義務があります。この2つは、ときにごっちゃになってしまいそうですが(国民年金も保険料というし)、ともに大事な制度です。学生のときの私は、またその後に就職したあとも、この2つの制度に悩まされました(のちにまとめサイトを作ったほど…現在はサーバーより削除)。

 いま話題になっているのは、第3号被保険者の救済措置に対する、「公平か?不公平か?」です。そもそも国民年金の仕組みや制度自体、大切なことですが敬遠しがちになっているのが現状だと思います。そういう国民離れを加速させたのが、旧社保庁のずさんな管理体制にあります(現在は、日本年金機構に事業が引き継がれています)。

■日本年金機構
 http://www.nenkin.go.jp/index.html

 まず、国民年金には3つの被保険者が存在します。

・第1号被保険者…自営業など、国民年金を自分で支払っている人(議員の私もこれに該当します)
・第2号被保険者…会社員(厚生年金)や公務員(共済年金)など、雇用主が国民年金を支払っている人
・第3号被保険者…第2号被保険者の妻(配偶者)など

 このうち、第3号被保険者は、第2号被保険者がその職場で働いているうちは、自らが国民年金を支払うことなく、第2号が代わって支払っています。なので、第2号が定年まで仕事を全うし、かつ離婚などせず寄り添っていれば、同じように国民年金の受給資格も得ることができます(厚生年金や共済年金分の上乗せ分は無い)。なので、仮に20歳までに結婚し、60歳まで第2号の妻であった場合は、40年間の国民年金の保険料は免除され、夫と共に65歳より受給されることになります。

 ただし、第2号と生活を共にしていても、共働きなどで自らも第1号や第2号となった場合は、この限りではありません。よく103万円の壁と、130万円の壁の話を聞くと思いますが、これは別の機会にブログで書くこととします。ちなみに、130万円以上の所得(給与)がある場合は、第2号の配偶者であっても、国民年金を納めなければなりません(自営すれば第1号、会社などでの雇用は第2号)。

 もうすでにややこしいですよね?

 さて、今回の救済措置は、第2号が脱サラした場合など、第2号としての支払義務がなくなった場合の配偶者についての措置になります。例えば、夫が会社を辞めて自営業になったとか、会社をリストラされたとか、もちろん、夫と離婚した場合もそうですが、第2号を抜けて第1号となった場合の妻(元妻)の処遇についてです。
 以下の説明は、夫を第2号とし、妻を第3号として話を進めます。

 夫が第2号から第1号に切り替わる場合は、国民年金の保険料を納めなさいとの通知がきますが、過去には妻に来ないのが普通でした(現在は妻にも来ます)。なので、第3号でなくなった場合は、自らが届出をしないと、第1号として保険料を納めることはできませんでした。
 これを忘れていると、過去の保険料分が適用されなくなり、65歳の受給資格を得たときに、国民年金が支給されないことになってしまいます。しかし、夫が第1号になっても、妻も届出をしていたり、自らも第1号や第2号となった(なっていた)りした場合は、保険料は支払っているので、受給資格は獲得できます。今回の措置は、あくまで忘れていた(知らなかった)人に対する救済措置になります。

◆「3号期間として管理されている不整合期間」の取り扱いについて
 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000yq06-att/2r9852000000yqcj.pdf#search=’運用3号’

 救済措置の内容は、知らなかった(忘れていた)人、つまりこれに該当する妻の国民年金の保険料は、過去2年分を追納するだけで、全ての期間を支払っていたとみなされます。なので、夫が第1号になったとしても、気づいて2年分の保険料を納めれば、忘れていた(知らなかった)期間は免除されることになります(運用3号期間というそうです)。驚くことに、こういった対象者は、100万人を越えるのではないかということです。つまり、100万人を越える人の保険料が免除されることになり、かわりに65歳からは老齢基礎年金(国民年金)が支払われることになります。救済措置の如何に関わらず、「大丈夫か!?国民年金制度は!」と思ってしまうのは、私だけではないでしょう。

◆「運用3号」に対する経緯等について
 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000011je9-att/2r98520000011jik.pdf#search='不整合資格者の数' 

 ここに、不公平感が生まれるのですが、真面目に届け出た人や、そもそも支払自体を真面目にしている人にとっては、不公平は当たり前といえる救済措置に違いありません。このことは、厚生労働省側も認めています。しかし、仮に100万人が老後に路頭を迷う事態になることも、また大きな問題です。また、その対象の多くが、妻であった人になるでしょう。
 私としても、不公平感は多いにありますが、白黒ハッキリさせるはよくない気がします。つまり、救済措置をするかしないかで決めてしまうわけにはいかないと感じています(といっても、既に措置は始まっていますが)。この措置自体、厚生労働省の通知により、日本年金機構が運用をはじめたのですが、こんな大事なことを(問題になることを)、国会議員はスルーしていたのかと思ってしまいます。

 本当に知らなかった人にとっては、老後の安心が増えたことになりますが、そもそも第3号被保険者の制度についても、私にとっては疑問を感じるところです。やはり、20歳になったとたん、第1号被保険者の資格を得て保険料を支払う義務が生じるのですから、第3号のような制度そのものに不公平を感じてしまいます。また、第2号被保険者についても、第1号の自営業者よりも優遇されているように見えるので(実際の支給額も多くなりますが)、保険料を支払っていない対象者自体も40%近く存在するとのことです。

 ところで、なぜに私が年金と国保に関心を持ったかというと、三重県の公立学校の講師であったときに遡ります。講師の位では上位である常勤講師であっても、その任用期間は4月1日より3月30日まででした。つまり、3月31日の1日だけが、それまでの第2号から第1号に切り替わるので、1日分でも1か月分の国民年金保険料を納めなければなりませんでした。年度をまたいで続けて常勤講師となっても、任用期間が継続されないので、毎年1日だけ第1号になるのが学校講師の定めでした。
 さらに、非常勤講師にもなると、同じ学校に勤務しているのに第1号の適用しかありませんでした。なので、「先生は、本当の先生にならなければいけない」といわれるもう一つの由縁であり、ほぼ同じように勤務していても、教諭と講師には大きな隔たりが生じています(現実は、講師に頼っている部分も多くあり、責任の重さは教諭と変わりません)。

 ここに、当時は不公平感を持ったので、「1日のために、なぜに1か月分を納めなアカンの?」となったのです。それでも、どこの窓口でも、「義務ですので」と切り返され、「法律違反になります」との回答で、自らが制度を調べるきっかけとなりました。そして、悔しさのあまり、当時はホームページまでこしらえて、まとめサイトを作ったのでした。そのころより、国民年金制度については、「破綻するのではないか?」と感じており、それでも律儀に支払いを続けてきました。
 しかし、非常勤講師の時代に免除された期間があって(全額免除になっていた)、その分の追納支払をしていなかったので、私の年金もちょっと減額されることになります(免除された記憶はなかったのですが、調べてもらっての回答も同じでした)。また、この追納の制度についても、遡って律儀にすればいいものでもないです(逆に高くつく場合もあります)。

 とかく、国民年金制度はあやふやが多く、正直者がまっすぐ前だけ見ていないと、不公平を感じてしまう制度には違いありません。また、少子高齢化によって、これから日本を背負って立っていく若者に、多くのツケが回っている仕組みでもあります。日本年金機構になって、近いうちには、その全容が明らかになるとのことですが、それ自体にもズサンを感じずにはいられません。なにせ、支払義務をうたいながら、どのように支払われ、運用されているのかが、わかっていなかったのが国民年金なのです。

 短くまとめようとしましたが、長くなってしまいました。第3号被保険者の救済措置については、尾鷲市においても、適用される方も出てくるでしょう。しかし、措置自体の議論については、もう少し慎重にやったほうがいいのではと感じています。

◆年金に関する情報
 http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/index.html

※◆は、厚生労働省の公式サイト(http://www.mhlw.go.jp/index.shtml)より引用

※可能な限り、不明な点は調べましたが、間違いがあるかも知れません。ご指摘下さい
by owase874 | 2011-02-20 02:05 | 福祉とまちづくり


市民活動の延長線上に、市民目線の政治があると考えています。


by kumano874

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当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

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