新年度予算の先読み

 今回の議案のなかでも、とくに新年度予算の配分などを調査しています。言い方が悪いですが、大風呂敷の部分は実は予算が少なく、肝心の部分も創意工夫(尾鷲独自や尾鷲らしさ)が見当たりません。

 一般会計における新年度予算の総額も、87億9400万円となっておりますが、今後の補正予算によって、最終的には100億近くなってしまう傾向が予測できます。国政の施策もあるので、仕方がない面も理解していますが、平成22年度の予算にしても、当初予算が82億8700万円であったのに、今回の第7号補正予算では、110億2796万5千円と大幅アップしています。1年間で約30億円弱、予算の執行が増加しているのが、わがまち尾鷲市です。数字だけ見れば、「大丈夫か?」と感じてしまうことでしょう。

 また、歳出(支出)でざくっと言えば、民生費が総予算の3分の1以上を占め、衛生費と総務費、公債費の総額が、もう3分の1強を占めています。これを区別で見てみると、人件費と扶助費、物件費がそれぞれ5分の1程度を占めています。ともに、総務費と民生費などに含まれる予算です。とくに、人件費と物件費(職務上の経費)は、公務員など市職員に関連する費用でもあるので、ここに、「公務員の給与は高い、市職員は優遇されている」という根拠立てする首長も増えてきました(議員の報酬も含まれますが)。また、扶助費は、民生費に含まれる社会保障制度上の費用です。ここには、増加傾向が著しい生活保護費や、国政の動向が注視される子ども手当なども含まれます。

 次に、公債費と補助費等、繰出金がそれぞれ約10分の1で続きますが、公債費はいわゆる借金の元利償還金、補助費等は助成金や負担金など、繰出金はほかに予算を回すお金のことです。補助費等の負担金のうち、大きなものには、三重紀北消防組合、尾鷲総合病院、紀北広域連合などがあります。

 予算配分の残りを見てみると、昨年度より減額している教育費・消防費、反対に、微増の農林水産業費・土木費・議会費と続きます。まちへの活力を示すであろう商工費においては、昨年度よりもさらに減額されて最低です。いずれにしても、魅力あるまちづくりをするにしては、そこに投資できない台所事情が、避けては通れないといった感じです。これは、区別で見ても、投資的経費が減額となっていることから、尾鷲市の将来を危ぶむ声にならないかと感じています。

 やはり、議員の報酬も言われていますが、公務員の人件費の圧迫が、はたしてまちを支える原動力となっているのか、まちの衰退に拍車をかけているのかと考えてしまいます。

 これを歳入(収入)でみると、地方交付税が全体の3分の1以上を占めており、国への依存体質は明らかです。続いての市税は、純粋な尾鷲市の収入に匹敵しますが、昨年度よりも減収で4分の1しか占めておりません。金額にすると、市税は22億2825万6千円になりますが、残りの約65億6500万円は(約3倍!)、尾鷲市の貯金以外に頼らざる得ない財源となっているのです。これは、多くの地方自治体も同じなのですが、脱却する手立てが見つけられずに、日本という国家が沈んでいる現状ともいえます。極端な意見ですが、家計に置き換えると、市税分でやっているける尾鷲市でなければ、本来は立ち行かなくなるのです。それを国が支援するのは妥当なのですが、その国も千鳥足でままなっていない状態です。いかに、行政がスリム化し、住民自治に移行しなくてはならないのかが、数字の上でもはっきりとしています。この課題は、尾鷲市民全てが考えなければならないことであり、少なくとも未来を託す子どもたちに、大人である私たちが、多くのツケを回さないといった覚悟も必要です。

 続いて、特別会計ですが、国民健康保険事業会計、後期高齢者医療事業会計、公共下水道事業会計の3つがあり、総額で31億8524万1千円となっております。国民健康保険においては、当初予算額の税収は5億984万円ですが、滞納分をどれだけ回収できるのかや、新たな滞納がどれほどになるのかが気になります。また、国保税の税率が改定されたので、収納率がどれだけ保持できるのかも同様です。

 当初予算には、一般会計、特別会計とありますが、3つ目は企業会計になります。尾鷲市においては、病院事業会計と水道事業会計の2つが該当します。総額にすると、58億272万3千円になります。病院経営の動向も気になりますが、今回は水道料金も値上げになるので、医療費や水道料金の滞納にも注視しています。市税についても同様ですが、滞納せざる得ない家庭(世帯)環境もありますが、公平平等の精神でなければ、正直者が馬鹿を見てはやりきれません。せめて、支払いの意思を引き出し、分割分納でも続けていく姿勢に持ってくかにも期待したいところです。

 全体的な先読みをしましたが、事業単位の考察は、ただいま調査中です。新年度の主な予算編成がわかりやすい、当初予算の主要事項説明書が配布されているので、そちらを中心に考察していきます。
by owase874 | 2011-02-26 04:18 | コラム「温故知新」


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当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

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