宮之上小学校の耐震整備計画の変更と、陳情書の影響

 陳情第1号の継続審査を希望しました。

 しかし、賛成少数で否決されましたので、採択には反対しました。なぜ、陳情第1号に反対したのかは、委員会の議論で述べましたが、ブログでも書き記しておきます。また、一部加筆することで、よりわかりやすく、反対した理由を説明します。

 陳情書は、宮之上小学校校舎の耐震補強を、改築、つまり新築にしてほしいとの内容でした。文面をよく読みましたが、この陳情のなかには、「校舎面積を小さくしてほしい」とまでは記されておりません。切実に、現在の校舎の劣悪な環境が説明され、体育館側に新築してほしいと記されています。ここに、校舎面積の縮小も意図しているとも読み取れますが、後段の部分にも、着目する大事な内容が記されています。

 「現在の児童数は154名で、10年後も120名前後(教育委員会の資料では130名)の児童が予想」
 
 「避難場所や多目的に使用できる施設としての機能を備えた学校」

 この部分を深く感じた私は、教育委員会の耐震整備計画の変更に異議を感じたのです。変更の説明で、当初の校舎面積4,780平米から、大幅に縮小した校舎面積約1,800平米を想定した予算概算を提出してきたことです。当たり前に思うのですが、約2.7倍も小さくなった校舎面積では(教委の説明では、3分の1に縮小と言っていました)、上記の陳情の内容を担保できるのかと感じたのです。

 しかし、この縮小には意味があって、従来の計画通りの事業費に、1千万円ほどしか増額がないことでした。私にとっては、「同じ事業費で、補強が新築になるとはからくりで、実際の校舎はかなり小さくなってしまう」ことです。一方、輪内中学校の耐震整備計画の変更では、同じように校舎面積は約600平米縮小されますが、事業費は約1億6千万円も増額しています。これは、あとで気づきましたが、同じように縮小しながら、予算規模が大幅に違う不公平感も感じたところです。

 委員会の場では、「東日本大震災を受けて、学校施設は避難所にもなるし、コミュニティ機能も併設した設計を求められる」との趣旨で意見し、「校舎面積の大幅縮小は、避難所やコミュニティとしても、地域で機能するのか疑問」と続け、「学校再開に向けた取り組みでも、校舎面積が小さいと、再開に向けて支障が出てくるのでは」とまとめたかったのですが、「いまは学校施設の議論で、防災の話題を出すべきでない」旨で、ほかの議員の野次が入り、委員長に発言を止められてしまいました。

 東日本大震災での教訓が生かされた学校づくりは、多くの事例があるだけに、ぜひとも参考にしていただきたいと考えています。国においても、今月8日に、文部科学省が、”災害に負けない学校づくり”の検討会を発足させたばかりでした。学校施設が、単なる学び舎だけでなく、地域防災の拠点、コミュニティ機能の併設など、多目的に利用できる施設とすることを検討しています。

◆災害に負けない学校づくり 文科省、専門家の検討会発足
 http://www.nikkei.com/news/article/g=96958A9C93819695E2E5E2E68B8DE2EAE2E4E0E2E3E39180E2E2E2E2?n_cid=DSANY001

 実際にも、学校が避難所となり、その後の明け渡しを拒否する避難者が居残ることで、学校施設として再開できない現状も見聞きします。反対に、一部を避難所として機能させ、授業を再開した学校施設もあります。こういった事例は、その気になれば集められる状況ですので、「いまの校舎面積で大丈夫か」の議論はすべきと感じたところです。しかし、今日の議論では、耐震化の変更と陳情書の議論が重なりすぎて、本質の議論にはいたらなかった気がしています。

 私としては、宮之上小学校の耐震整備事業の変更が、あまりにも稚拙と感じたことから、陳情第1号といっしょくたにしてはならないとも考え、もう少し議論が必要ではないかと感じたのです。このままでは、陳情を採択したことで、いまのままの学校規模で新築することも認めたことになってしまいかねません。これでは、本質的な部分で、陳情の内容を担保できるのかが疑問です。予算については、常任委員会での審査が異なるので、私の考えに間違いもあるのかなと感じますが、「やっぱり、予算は増額してでも、校舎面積は少しでも大きくした方がいいだろう」との意見になるのでしょうか。

◆参考
・宮之小学校の学区の人口
  約4千人

・東日本大震災での公立学校の被害学校数
  6,284校
・各県における公立学校の被害学校数
  岩手県424校、宮城県805校、福島県751校
・避難所となっている公立学校(6月15日現在)
  岩手県33校、宮城県79校、福島県12校
by owase874 | 2011-06-16 00:24 | 教育とまちづくり


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当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

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