サンマと東日本大震災の影響

 東日本大震災が、世界に及ぼした影響は計り知れません。

 しかし、これに福島第1原発の事故が、さらに大きな拍車をかけています。その一番の懸念は、放射能汚染ですが、日本においても、ようやく周知がされるようになってきました。最初に爆発を起こしたとき、「まさか、まさか」とは驚きましたが、安全神話が”神話”であったことを痛感しました。私も、電気・電力系の教師をしていたことがあるので、原発についての講義を何度もしてきました。その都度に言ってきたのは、「原発が安全でも、人で動かすから、人的ミスはないとは言えない。だから、原発は安全とは言い切れない」とは言ってきましたが、その想定すらも大きく覆す事態でした。

 東北地方や関東一円では、放射能汚染への報道が絶えませんが、住民がガイガーカウンターで調査したくなるような状態は、ちょっとしたパニック行動です。高価な機器を買い求めるよりも、政府や自治体が、きちんと調査し、公表し、対策をやるだけのことですが、”安全神話”の弊害は、すでに住民生活にまで大きな影響を落としています。しかし、私が最初に、この放射能汚染の危険を知ったのは、日本からではなく、ドイツ在住の友人からでした。「尾鷲も放射能汚染は大丈夫か?」とのメールと、ドイツの気象協会が発表していた拡散予想図などのサイトでした。日本では、一切の報道も公表もなかった時期だけに、これにも驚きました。

 放射能汚染は、私たちが口にする水道水や野菜、魚、お茶などにも及んでおり、出荷停止や再開、自粛や見合わせなど、「風評被害には対抗して応援したいけれど、実のところはどうなの?」との懸念も残っています。現在の私は、それほど気にすることなく消費活動を続けていますが、自治体レベルでは、きちんと調査と公表はするべきではと感じています。自治体レベルで「大丈夫」といえるのは、きちんとした裏づけが必要なので、尾鷲市においても、放射能の定点観測や実態調査は、安心安全を裏付ける意味でも必要ではないでしょうか?そこで、とくに気になるのは、海産物の放射能汚染です。

 放射能の海洋汚染は、とくに福島沖や銚子沖での報道がありました。魚種によっては、回遊するものや、同じ場所にとどまるものなどで、大きな違いがありそうです。素人考えでは、尾鷲近海の魚種には、放射能汚染の影響はないだろうと感じています。放射性物質は、大量の海水で中和されるからですが、回遊する魚種によっては、「福島沖などを回遊してくる魚種は、汚染した小魚などを食べても大丈夫か?」と、これまた素人考えをしてしまいます。これについては、自治体レベルで対応はまちまちですが、独自に調査しているところもあります。尾鷲で言えば、主力のサンマやカツオは、福島沖も通過するので、たとえ近海でとれたものでも、福島沖での汚染が判明するようなことになれば、風評被害は免れない事態となる予想もつきます。

 これらの海洋汚染については、海産物に携わる方たちからの話を聞くことができ、「風評被害は死活問題になる」、「サンマの不漁と高騰は、この地域に大きな影を落としかねない」とも聞きました。とくに、関心を持ったのはサンマで、この地域ではとても身近な魚種のひとつです。しかも、丸干しや開き、味りん干し、刺身、寿司、甘露煮など、加工もさまざまなだけに、よく食べられる魚種でもあります。これには、値段が大きく崩れていないこともあります。冷凍技術も向上しているので、年中サンマを食べられるようにもなっています。

 それが、今回の東日本大震災で、まずサンマ漁船の甚大な被害がありました。調べていくと、社団法人全国さんま漁業協会があって、ここに所属する175隻のうち、53隻が船体被害を受けたということです。また、漁具被害も93隻ということで、サンマ漁に出られない漁船が多発しています。さらに、冷凍能力が高かった三陸沿岸部が被災し、甚大な被害を受けているので、冷凍保存していたサンマの在庫もなくなっています。自前で保存施設がないところは、必要なときに、三陸沿岸部から運び出していた加工所などもあったということで、サンマの高騰が予測されているようです。事実、すでに在庫ものが高騰をしているので、この地域の事業者にとっても、死活問題になるとの話も聞きました。

◆水産ジャーナリストの会
 http://jaef.la.coocan.jp/jf/index.htm
※会報に詳細を記載(http://jaef.la.coocan.jp/jf/news/jfnews114.pdf)

 ただでさえ、漁獲が落ち込み、不振にあえいでいた漁業だけに、東日本大震災の影響は、とりわけ放射能汚染とあいまって、深刻な影を落としています。これに、風評被害が重なると、事業所の存続問題にも繋がっていきそうです。消費する側としては、”惑わされない”ことに尽きますが、それぞれの立場で、手立てがほかにもないかを、探してみることにします。
by owase874 | 2011-07-01 11:40 | コラム「温故知新」


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当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

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