心得

 議員は、年賀状による挨拶ができません。個人的な付き合いや、答礼はできますが、不特定多数へはご法度です。もちろん、ブログなどのインターネット上においても、不特定多数が閲覧できることから同様です。なので、気持ちはあったとしても、できない事情があります。

 かといって、新年が明けるということは、やはり気分も新たになりますし、年始は自分自身を振り返るよい機会でもあります。私の場合、毎日のように振り返っては反省し、また先に突き進むの繰り返しですが、この場をおかりして、今年1年の心得を記しておきます。

 私事からになりますが、去年は、一昨年夏の妻の大病が、そのまま大きな不安と希望とが入り交じる年明けとなりました。奇跡的に一時回復した妻の容態は、暮れから3月下旬くらいまで、いま思えばピークでした。4月に入ると、熱が出たこともあって、とたんに身体の機能がガクンと低下し、育児と自宅介護に追われる日々を過ごしました。ほぼ完全な介護だったのですが、それはそれで、覚悟をしていたこともあって、葛藤もするけど充実した日々を過ごしました。

 しかし、5月の連休明け頃になると、医師からも自宅介護は限界と進言され、半ばからの入院となりました。事実上の、終末医療の始まりでしたが、手立てをなくしたわけでなく、さまざまな治療の可能性を再び探し始めた月でもありました。それが、妻の両親らの理不尽な対応で、不意に病院からいなくなり、半年以上も家族は引き裂かれたままです。おまけに、弁護士や裁判所などといった法的措置をこうじられ、2歳になった娘は、母親の愛情をもらえないまま、これまでに3回しか裁判所内で母親に会えていません。さらに、不利とみたのか、代理人の弁護士を交替させる事態にまで発展し、定期的に母親に会える希望すらも、12月には失われました。

 今年も、この件においては、波瀾に満ちた経緯を辿るかも知れません。いつまでも、黙ったままではいませんが、いまは娘のことを一心に考えて、自身は納得できなくとも、解決の道を探っていこうと考えています。本来、こちらが求めていないにしろ、家族がここまで問題を起こしていると、本業の議員活動にも影響を与えてしまっています。なるべくそうならないように努力をしていますが、例えば、日程的な都合が重なる場合、娘が母親に会えるかもしれないという希望を頼りに、こちらを優先することがでています。お叱りを受けることもありますが、家族あっての議員活動だとも考えるので、批判は受けるしかありません。

 ただし、議員としての活動を、押し並べて蔑ろにしているつもりはなく、いま持てる最大の努力と見識でもって対応しています。昨年の5月末には、副議長の要職にも認めていただいたので、議長の補佐役として、非常に多くのことを学ばせていただいています。また、全ての議員に対して中立であり、議会の風通しをよくするための行動もしています。議長に対しては、感じることも思うことも多々ありますが、尾鷲市議会の気概を知っていただこうと奔走する毎日です。反面、執行部に対しては、正副議長を飛び越えることがあったり、議会自体に相談も説明もないことがあるので、存在感のなさに悔しい思いをすることもあります。

 私個人の議員としては、副議長として議会運営を補佐する立場もあり、遠慮のような控えめさがあります。自分自身で先陣を切るよりは、多くの議員の意見が出やすいような環境づくりに重点をおいています。それでも、うまくいかないことが多く、これまた悔しい思いをすることも多々あります。しかし、”言いたいことは、きっちり調べた上で発言する”、”議員の意見として、総花的な市民の意見にすり替えない”など、尾鷲市をリードするひとりとして、”ダメなものはダメ”と言っている数少ない議員でもあります。これまでの本会議場の採決においても、納得のいく説明責任が果たせていないとして、迷いなく反対をしています。

 この点について、他の議員のことは言えませんが、尾鷲市議会と執行部とが対峙する場面は、海洋深層水や尾鷲幼・尾鷲小の耐震化事業など、いくつかのターニングポイントがありました。しかし、議会側にまとまりができず、委員会や外野では反対の意志を示していながら、本会議場では素知らぬ顔で賛成多数になることがありました。一度、賛成して認めれば、あとはなにを言っても負け犬の遠吠えなので、尾鷲市議会の気概をみせるという点においては、なし崩しになったままです。市民の意見をどこまで反映させるかは、実は非常に難しいことですが、最後は負託を受けた議員として、迷いのない判断と決断をするまでです。ここに揺らぎがあると、市民はよく見ている気がしています。

 おそらく、改選を1年半後に控えた尾鷲市議会においては、道の駅の課題が大きなターニングポイントになるでしょう。今年のはじめにも、この課題に関する議題が上程されてきますので、ここが大きな注目点です。現在までに、多くの議員が意見を言っていますが、当たり障りのない意見もあります。私自身は、この件で議長の脱線が多く、自分の意見を言えないままですが、はっきりとした意見と考えは持ちあわせています。尾鷲市の将来を左右するには違いないので、市民の意見を取り込みなら、議員としての意見をぶつけていきたいと考えています。

 しかし、道の駅だけでなく、ひとつ大きく残念なことは、15名の議員が歩調を合わせにくい状態にあることです。向かう先は同じでも、その道順が違ったり、歩き方に違いがあったりするからですが、それが結果的に市民を先導できないのであれば、もったいない気がします。例えば、尾鷲市議会では、30代の議員が私を含めて3名います(ほぼ40代になっていますが)。若いといえる議員が3人もいる市議会は、同規模の議会をみても稀な存在です。だとすれば、ときとして同じ方向で共闘することができると、それは大きなアピールとなるはずです。おそらく、尾鷲市民のなかには、そういった若い力の飛び出しに期待しているように感じます。

 私は、明治維新の日本の激動に着目することが多いのですが、あの時代は、多くの若者が意見を交わし、熱い議論をやって、日本のあるべき姿を創造していました。そこには、後ろ盾となる存在があったからではなく、自分たちの行動力に、後ろ盾ができていたのです。政治家としてやろうと思えば、後ろ盾を気にしながらやっていけば安泰ですが、それでは自分自身の意見はネジ曲ってしまいがちです。よく柵のないと言いますが、柵はあってもいいので、あとはそれを飛び越える意見や議論ができるかです。そういったところに、政治家としての気概や本質があるのだと考えています。ただし、若い議員の行動力の結集については、期数が1つ上の私の不徳の致すところです。

 執行部や市長に反対するだけが、議員の本質とはとうてい思ってもいませんが、”ダメなものダメ”と言える感覚は、常に持ち合わせていたいと考えています。「多くの市民が…」で逃げるのではなく、「尾鷲市民の将来や未来を考えると…」という組み立て方で、今年も尖った議員でありたいと感じています。そういった勢力も、絶対に必要ですし、いまの尾鷲市には、まとまった存在感をみせるときに来ています。でなければ、過去の繰り返しで疲弊していくだけになりかねません。

 尾鷲市の将来は、私たち議員にかかっているのです。
by owase874 | 2012-01-01 13:36 | コラム「温故知新」


市民活動の延長線上に、市民目線の政治があると考えています。


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当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

ときには辛口の意見もありますが、東紀州における公益や市民益を考える一人の意見として読んでいただければ幸いです。

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