尾鷲小学校の誠の池のこと

 定例会中、生活文教常任委員会のその他報告です。

 尾鷲小学校は、期限までに工事が完了するとのことです。運動場の整備が残っていますが、建屋は完成するようです。新校舎の全容も見えてきましたが、輪内中学校の設計を見てしまったあとの感想としては、「津波に耐えうる想定が入ってもよかった」と、あらためて感じてしまいます。確かに、外見上はオサレな校舎で、それはそれで子どもたちの自慢にも、教育的にも響きはあるでしょう。しかし、東日本大震災を目の当たりにし、10m級の津波が押し寄せる”結果”を知ってからは、とくにそう感じてしまいます。あくまで想定とはいえ、M9クラスの西日本大震災が起これば、尾鷲市街にも10mを越える津波が襲来するのです。

 いまとなっては、負け犬の遠吠えですが、私は「東日本大震災を教訓に」と言ってきました。尾鷲小学校の耐震工事は、ちょうど1年前のいまごろには、全体的な設計も決まっていたので、そこまでの想定をしての見直しも、変更もありませんでした。卒業生にとっては思い入れのあるあの階段も、設計したシーラカンスが念を押すように言っていた、尾鷲小学校のシンボルとして残ります。あのときの私は、取り払えとは言っていなくて、「運動場からの相互のアクセスに他の手段があっていい」との意見でした。運動場から駆け上がる、または駆け下りる、そういった避難を想定する上で、生徒目線で考えた場合の手段が必要だと感じたのです。「生徒も(階段の登り下りには)慣れている」と学校関係者に言われましたけどね。そのかわり、輪内中学校の設計を見ると、校舎と運動場はスロープになっていました。また、残るというのは、本当に残るだけであって、実際に見るとガタガタしています。この整備も(お金がかかるので)行わないそうです。

 さて、そのシーラカンスが念を押していた”尾鷲小学校が、尾鷲小学校であるためのシンボル”のもう一つが、”誠の池”でした。運動場の片隅に、いまは土で埋もれている元池です。当初の説明では、この池に雨水を循環させ、ビオトープとして再生させるとのことでした。記憶をたどれば、校舎から誠の池までは、運動場の地下を通る雨水のパイプがあって、誠の池から尾鷲小学校を写したスライドまで見せていただいて、この池の再生の必要性を訴えられました。そこまで説明された誠の池でしたが、この日に説明を求めると、「予算もかかるので、今期の整備はしないし、そもそも設計にも入っていない」でした。いつかは整備するけど、お金もかかるし、学校独自で整備するとのことです。もちろん、校舎からの雨水利用とかは幻ということです。あの距離を、学校独自の予算では整備しきれない可能性が大きいです。

 あれだけ説明をしておいて、ワークショップで子どもたちからの要望も大きかったと聞いていて、設計にすら入っていなかったのは驚きです。驚きを通り越して、シーラカンスの説明はなんだったのかと感じます。私個人としては、「池の整備なんかまで手が回らないだろな」くらいで終わりですが、さも整備するようなことを言っておいて、実はなんにもしないのは虚偽に近いです。もちろん、学校側でやるようですので、”やる”には違いありませんけどね。でも、これは説明責任を果たしてはいない気がします。こういったことが、なんの説明もなくいままで放置されていたのを知り、「議会も馬鹿にされたものだ」と感じました。

 尾鷲小学校はまもなく完成します。それは喜ばしいことで、何よりも子どもたちにとっては自慢でしょう。一方では、東日本大震災を受けての教訓が生かされず、シンボルも整備もしないままという現実は、きっとどこかで大きな影響を与えるのではと考えてしまいます。

 尾鷲湾から一番離れた場所に整備する駐車場は、「一時避難もできるスペースの確保」とは名ばかりで、職員駐車場として3分の2以上は埋まってしまう話でした。また、新校舎の斬新なデザインは、津波の直撃を受けるようなことがあれば、受け流すような構造ではないために、かなりの衝撃をまともに受けることでしょう。さらに高台に逃げる整備もできていない上に、今回の話だったので、警鐘を意味する上でも、予算や変更に反対し続けてきたのは間違いではないと感じています。ただただ、残念なことが多いです。

「設計には、誠の池の整備は入っていません」

あのときの説明は、一体何だったんでしょうかね?

■参考資料
 4枚目に、誠の池のことが書かれています。書かれているんですよ!
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by owase874 | 2012-03-13 04:40 |  


市民活動の延長線上に、市民目線の政治があると考えています。


by kumano874

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当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

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