道の駅の防災機能について
新年度予算の審議がはじまりました。予算決算常任委員会が所管です。
市長公室より、道の駅に関する予算の説明を受けました。当初予算のなかに、「道の駅」基本計画策定委託業務として、496万5千円が計上されています。人づくり支援事業の一環なのですが、この事業自体にも不明瞭な点がいくつかあります。
業務は、道の駅の妥当性について、調査を委託するのがこの予算ですが、1.資料収集整理、2.道の駅周辺の実態調査、3.設置の検証、4.レアウトの検討の4つの柱があります。内容としては理解できますが、あれだけ声を大にして言っている”道の駅の防災機能”については、言葉として触れられておりません。説明を求めると、項目1のなかに含まれているそうですが、言葉にでない程度のことで驚きました。
道の駅の防災機能については、中越地震から再認識され始めました。東日本大震災においては、多くの道の駅が、物資や人材の中継地点や拠点にもなりました。いまさらそういった説明が欲しいのではなく、尾鷲の道の駅の防災機能について、明確明瞭な目指すところが知りたいのです。渡された資料にも、防災機能の熱い記述があるのに、業務内容にないのはいかがなものでしょうか?また、尾鷲商工会議所との意見交換会でも、道の駅の防災機能についての熱い思いを聞いています。しかし、委託する業務内容には、その可能性を調査するかどうかの記載がないのです。
また、市長が繰り返し言ってる「都市マスタープランでは、道の駅の設置がうたわれている。これを認めた議員は、そのときに異論を出さなかったのでは」ですが、この言葉には大きな意図が含まれている気がします。議案をはじめとする予算などを認めると、「あのとき議員は認めたではないか」と揚げ足とりをしてくるのです。その通りでしょうが、実際の都市マスタープランでは、道の駅の設置について記載はあるものの、いまの場所への設置までは言及されてはいません。それを知ってての発言なので、やはり議会に責任を押し付けているようにも感じるのです。
さらなる疑問点は、”南インター付近が望ましい”と決定されているのに、現時点では決まってはないという霞をかけているところです。この業務の結果が出たあとに、設置場所については是非が問えるという理屈は、いかにもお役所的でなんとも遠回りです。はっきりと、「南インター付近に道の駅を設置するための調査をする」はずなのに、結果次第で是非もしっくりきません。市長の十八番である「議会で決まったではないですか」になりかねない気もします。いまの流れから見ても、この業務を経て、道の駅をあそこに設置するのが基本路線なので、そういったシナリオでよいのかを問いたいのです。
もうひとつ、これが尾鷲での道の駅をややこしくしている要因の一つですが、現在整備されている高規格道路と道の駅は、関連はあっても同時セットではありません。なので、高速道路からのアクセスは、将来的な希望的観測であって、実現するかどうかさえも不明瞭な話です。道の駅は、国道42号線沿いに設置されるのであって、高速道には設置されないのです。そこまで話を飛躍させれないのに、期待としての話が先行するので、”高速道路のインターの脇に道の駅がないとダメ”みたいな限定的な話にもなるのです。昨日の審議でも、「ストロー現象がどうの」とか、「アクセスはあるのか」みたいなやり取りがはじまるのです。まさに、強い道の駅をこしらえれれば、基本的にはなんの問題もないはずです。現状では、”いまつくらないとつくれない”程度の話です。
どんな防災機能かの話もないまま、言葉だけが踊る道の駅は、本当に尾鷲に必要なのかと思ってしまいます。ここにきて、別の担当課より”まちの駅”の言葉もでてきたので、「早くも伏線か」と穿ってしまいます。
どちらにしろ、コミュニティーセンターでもそうなのですが、道の駅は起死回生の手段であって、目的ではありません。そういう手段を講じる市の体制には評価をしていますが、なんだかトップの姿勢が伝わってこないのです。われわれは、オンジャンの井戸端会議をしているのではありません。
■参考
岩手県下閉伊郡山田町の道の駅です。津波被害から免れた場所にありました。また、町の中心部から離れていたので、火災にもあいませんでした。震災後は、あらゆる拠点になっており、観光協会も入居しています。私が訪れた昨年8月も、ボランティアの立ち寄りや、地元民の憩いとスーパー的機能もしていました。
・道の駅やまだ 公式ホームページ
http://www.yamada-michinoeki.jp/
市長公室より、道の駅に関する予算の説明を受けました。当初予算のなかに、「道の駅」基本計画策定委託業務として、496万5千円が計上されています。人づくり支援事業の一環なのですが、この事業自体にも不明瞭な点がいくつかあります。
業務は、道の駅の妥当性について、調査を委託するのがこの予算ですが、1.資料収集整理、2.道の駅周辺の実態調査、3.設置の検証、4.レアウトの検討の4つの柱があります。内容としては理解できますが、あれだけ声を大にして言っている”道の駅の防災機能”については、言葉として触れられておりません。説明を求めると、項目1のなかに含まれているそうですが、言葉にでない程度のことで驚きました。
道の駅の防災機能については、中越地震から再認識され始めました。東日本大震災においては、多くの道の駅が、物資や人材の中継地点や拠点にもなりました。いまさらそういった説明が欲しいのではなく、尾鷲の道の駅の防災機能について、明確明瞭な目指すところが知りたいのです。渡された資料にも、防災機能の熱い記述があるのに、業務内容にないのはいかがなものでしょうか?また、尾鷲商工会議所との意見交換会でも、道の駅の防災機能についての熱い思いを聞いています。しかし、委託する業務内容には、その可能性を調査するかどうかの記載がないのです。
また、市長が繰り返し言ってる「都市マスタープランでは、道の駅の設置がうたわれている。これを認めた議員は、そのときに異論を出さなかったのでは」ですが、この言葉には大きな意図が含まれている気がします。議案をはじめとする予算などを認めると、「あのとき議員は認めたではないか」と揚げ足とりをしてくるのです。その通りでしょうが、実際の都市マスタープランでは、道の駅の設置について記載はあるものの、いまの場所への設置までは言及されてはいません。それを知ってての発言なので、やはり議会に責任を押し付けているようにも感じるのです。
さらなる疑問点は、”南インター付近が望ましい”と決定されているのに、現時点では決まってはないという霞をかけているところです。この業務の結果が出たあとに、設置場所については是非が問えるという理屈は、いかにもお役所的でなんとも遠回りです。はっきりと、「南インター付近に道の駅を設置するための調査をする」はずなのに、結果次第で是非もしっくりきません。市長の十八番である「議会で決まったではないですか」になりかねない気もします。いまの流れから見ても、この業務を経て、道の駅をあそこに設置するのが基本路線なので、そういったシナリオでよいのかを問いたいのです。
もうひとつ、これが尾鷲での道の駅をややこしくしている要因の一つですが、現在整備されている高規格道路と道の駅は、関連はあっても同時セットではありません。なので、高速道路からのアクセスは、将来的な希望的観測であって、実現するかどうかさえも不明瞭な話です。道の駅は、国道42号線沿いに設置されるのであって、高速道には設置されないのです。そこまで話を飛躍させれないのに、期待としての話が先行するので、”高速道路のインターの脇に道の駅がないとダメ”みたいな限定的な話にもなるのです。昨日の審議でも、「ストロー現象がどうの」とか、「アクセスはあるのか」みたいなやり取りがはじまるのです。まさに、強い道の駅をこしらえれれば、基本的にはなんの問題もないはずです。現状では、”いまつくらないとつくれない”程度の話です。
どんな防災機能かの話もないまま、言葉だけが踊る道の駅は、本当に尾鷲に必要なのかと思ってしまいます。ここにきて、別の担当課より”まちの駅”の言葉もでてきたので、「早くも伏線か」と穿ってしまいます。
どちらにしろ、コミュニティーセンターでもそうなのですが、道の駅は起死回生の手段であって、目的ではありません。そういう手段を講じる市の体制には評価をしていますが、なんだかトップの姿勢が伝わってこないのです。われわれは、オンジャンの井戸端会議をしているのではありません。
■参考
岩手県下閉伊郡山田町の道の駅です。津波被害から免れた場所にありました。また、町の中心部から離れていたので、火災にもあいませんでした。震災後は、あらゆる拠点になっており、観光協会も入居しています。私が訪れた昨年8月も、ボランティアの立ち寄りや、地元民の憩いとスーパー的機能もしていました。
・道の駅やまだ 公式ホームページ
http://www.yamada-michinoeki.jp/
by owase874
| 2012-03-13 06:06
|
市民活動の延長線上に、市民目線の政治があると考えています。
by kumano874
ご挨拶とブログの概要
当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。
これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。
また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。
ときには辛口の意見もありますが、東紀州における公益や市民益を考える一人の意見として読んでいただければ幸いです。
質問や批評など、ご意見がございましたら、下記宛にお願いします。何かしらの方法で、きちんと対応させていただきます。ただし、ブログのコメントには、できる限り返答をいたしますが、端無自身の裁量になることをお許し下さい。
◆ブログ管理者
未来874事務室
熊野市飛鳥町佐渡462番地
0597-84-1033
kurage874@cream.plala.or.jp
なお、たくさんの意見や考えをお聞かせ願いたいので、直接にお会いすることも可能です。日程調整などしますので、その旨をお伝え下さい。
facebookやtwitterにも登録しています。よろしくお願いします!
これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。
また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。
ときには辛口の意見もありますが、東紀州における公益や市民益を考える一人の意見として読んでいただければ幸いです。
質問や批評など、ご意見がございましたら、下記宛にお願いします。何かしらの方法で、きちんと対応させていただきます。ただし、ブログのコメントには、できる限り返答をいたしますが、端無自身の裁量になることをお許し下さい。
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