道の駅と防災機能について、尾鷲市の場合を考える

 道の駅の話題の中に、防災機能が必ず出てきます。

 根拠としては、東日本大震災の際に、道の駅が救援活動の拠点になったり、被災した住民の避難場所になったりしたからですが、これまでにも、災害時に道の駅が果たした役割が大きかったからです。いまでは、防災機能を持たせることが、道の駅設置の必須条件にもなっています。

 これ自体に私も異論はなく、広い場所と24時間トイレ、休憩所や物販施設などが集約されている場所である以上、災害時、緊急時の想定はあって然りです。ただし、尾鷲市が構想している現状での道の駅では、防災機能を全面に出すほどの理由が見つからないのが私の考えです。

 まず第一に、市街地から遠すぎるです。

 道の駅自体は、遠くにあっても構わないのですが、尾鷲市の災害と被災を考えた場合、現状の尾鷲南IC付近では、効率的な防災拠点にはなりえません。市長からも、防災拠点とよく説明を受けますが、尾鷲市における防災拠点は、市街地になければ話になりません。理由としては、南海トラフの地震と津波を想定したとき、尾鷲市街地が受ける被害は、人的なことを考慮しないとしても、多くの建物が津波で破壊され、尾鷲市役所自体も、老朽化から倒壊する恐れがあります。その救援と復興を考えても、市街地に防災拠点があるべきです。また、人的な被害も免れないので、尾鷲総合病院や尾鷲消防署が近い位置にあることが、必須条件とも言えるでしょう。

 先の12月定例会の一般質問で、私が市長に問うた小原野一帯の防災拠点化は、なにも私が最初の言い出しっぺではなく、尾鷲市自体も想定しているシナリオです。私は、いまはくろしお学園が入っている旧尾鷲工業高校が、仮りの尾鷲市役所庁舎になりうる可能性もあると考えるし、広大なグランドそばには、3機が駐機できるヘリポートもあります。ここから、小原野に橋を渡せば、広大な高台である小原野の価値も見直されるはずです。しかも、この小原野には、尾鷲北ICと、尾鷲南ICをつなぐ高速道路が通るとも言われています。

 事前復興のことも、市長は口にするようになっていますが、整備された耐震岸壁から小原野までの命のラインを、事前復興の手がかりとして整備していくことこそが、いまやるべき施策だとも考えています。この命のラインとは、救援支援の櫛の歯となるこの動線上場に、耐震岸壁、尾鷲市役所、尾鷲総合病院、おととやコメリなどがる商業施設、尾鷲高校、旧尾鷲工業高校、ヘリポート、小原野があるからです。このことからも、尾鷲北ICと、尾鷲南ICをつなぐ高速道路の早期着工は、尾鷲市の防災を考える上でも、重要施策になりえるのではないでしょうか?

 次に、現在の道の駅では、輪内方面の利用には無理がある。です。

 尾鷲南IC付近に道の駅があれば、例えば三木里側からトンネルを越えて、災害時には利用者が集まるとも言われています。しかし、5-6kmもある道のりを目指すよりかは、三木里IC付近の高台に、周辺地域の防災拠点をつくるべきではないでしょうか?同様に、賀田にもICができるので、ここにも防災拠点は必要です。このような構想を立て、新鹿ICにも防災拠点が構築されれば、新鹿町から飛鳥町に抜ける八丁坂峠の整備を実現させたとして、支援のラインは、関西方面からも伸びる可能性があるのです。支援のラインは、なにも三重県北部からだけではないので、関西からの支援も考える必要があるはずです。そのために、尾鷲から下北山村に抜ける国道425号の整備も言われているところです。

 なにも、防災拠点は一つでなくていいはずですし、尾鷲市で考える場合は、尾鷲市街地に防災拠点の本部を置き、各ICにサテライトのような支援の拠点を構築することが効率的だとも言えます。それをつなぐのが、現在整備されている高速道路となるわけです。そう考えていくと、現状の道の駅には、防災拠点を声高にする必要性がなくなってしまいます。仮に、道の駅を尾鷲南IC付近に設置したとしても、防災拠点を根拠に、物販があの規模でいるとはならないでしょう。国道42号線を通過する自動車とその同乗者のために、防災機能を持った道の駅が必要とは言っても、なにも現状の場所でなくても事足りような気がします。

 道の駅に防災機能があるのはいいことです。しかし、現状の尾鷲南IC付近を想定し、これを根拠に整備するには疑問があります。尾鷲市のように、市街地と市街地南部との立地を考えると、それぞれに防災拠点は必要でしょうし、性急にことを進めて大金を投入するよりは、整備が偏り遅れている各地のコミュニティセンターを、耐震があり、津波後にも機能する立地と構想で、1日も早くに整備するべきです。私が、東日本大震災後の山田町を視察させていただいたとき、ある地域の集会所に避難した全員が、建物ごと津波に押し流された現場を見せられました。その場所ですら、高台と認識され、そのために集まってきた住民が、拠り所となる公共施設で亡くなったことを想像すれば、尾鷲市が同じ轍を踏むことは許されません。

 軽々しくではないでしょうが、現状の道の駅が、尾鷲市の防災拠点であるかのような発言と根拠だてには、正直に言って怒りすら覚えてしまいます。命というのは、これまでの教訓を元に、さらなる向上と手はずを目指すべきです。 また、教訓とは、そういうことではないでしょうか?
by owase874 | 2013-02-21 12:53 | 防災とまちづくり


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当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

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