議員はいらないのか?

 先だって、東海若市議の定例研修会に参加しました。

 その時の交流会で、会の議員と話をしました。「そろそろ議員定数の削減に歯止めをかけないと」でしたが、どこの地方自治体でも、これは話題にあがっていることです。尾鷲市議会でもそうでしたが、削減をするしないの攻防を、まずは議会が火ぶたを切ってはじまります。

 私は、二元代表制を掲げるのであれば、議員自らが削減を訴えるのはいかがなものかと考える立場でしたので、当時は現状維持を訴えていました。しかし、尾鷲市議会では、市民の声を聞くという場を設けることで、議会や議員への風当たりの強さを感じました。また、財政規模や人口動態を加味した結果、現在の議席3減を訴えるようにもなりました。気持ちが変わったといえばそれまでですが、次の改選の13議席は、尾鷲市という自治体を鑑みれば、妥当な定数だと考えています。

 次の改選後、これを割り込むような議論があるとすれば、いまの”市”を”町”に戻すくらいの覚悟(=議論)がいると感じています。尾鷲市では、すでに、”市”となる人口規模を大きく割り込み、それでも”市”の恩恵を受けながら行政運営をやっています。それに加えて、議員定数をやたら削減という行動は、二元代表制を放棄するものであり、市民もその重さと現実を知るべきではないかと考えます。もちろん、人口規模が1万5千人に到達するようであれば、尾鷲市の”市”の部分は、自ずと崩壊すると言っても過言ではありません。

 地方自治法では、要件を満たさなくなったからといって、”市”が”町”に戻るような条項はありません。制度化されていないことはできませんので、人口が年々割り込んでも、尾鷲市は尾鷲”市”のままなのです(反対に、自ら”市”を”町”に戻すことはできます)。また、”市”と”町”の違いについても、”損”か”得”かで割り切れないことも出てきます。私としては、そこはメンツの部分もあるだろうし、市のほうが町よりも恩恵を受ける部分は大きいとは感じています。ただし、この恩恵を受けている部分に、議会や議員の視点が必要であると感じています。これが、安易に定数削減を訴えるのは得策ではない意見の1つです。

 東紀州地域の議員定数を見てみると、市町の違いはありますが、定数削減に大きく動いています。尾鷲市議会のように、一度に3減はさすがにありませんが、2減する議会が多いです。かと言って、それが正解かどうかは、その自治体の議員でも、ましてや市民、町民でもないのでなんとも言えません。ただし、例えば、今年の12月に改選を迎える御浜町議会が、定数を現状維持としたことは、同じ議員としては驚きでした。この驚きは、議会の自浄作用が進んでいないのか、町民が定数維持を切望したのかになります。

 ひと昔前では、議会選挙になると、「議員の削減」、「議員給与の削減」を訴えて出馬する候補者が人気の的でした。しかし、誰も、「市職員の削減」や、「市職員給与の削減」を訴える候補者はいませんでした。議員と市職員を単純に比較することはできませんが、財政や自治体全体のことを総括するのであれば、議員ばかりがやり玉にあがることには、理解し難いことも出てきます。ここに、前者ばかりを訴える候補者の浅はかさと悪巧みを感じずにはいられませんが、もしもセットで訴えることができ、有権者にも市民サービスの低下や住民自治のさらなる率先を良しと受け入れる覚悟があるのであれば、本当はそれを訴えたい気持ちは山々です。かと言って、それが正しいかどうかは、現状では考えるところも多々あります。

 尾鷲市でも、市議会議員選挙が近づき、それと反比例するように、巷の感心の無さを感じています。5月の連休明けまでは、私以外の議員については、事前運動…もとい、議員活動は積極的にやっていると感じていましたが、それでも、有権者の反応は鈍かったはずです。それよりも、市長選挙の候補者がほかに出ないのかとの質問のほうが多かったはずです。私は、選挙前だけの議員活動には馴染めないこともあるので、相変わらずのマイペースでしたが、この時期だけに、呼ばれて出向くことはしばしばあります。その場でも、話題の大半は、市長選挙の第3、第4の候補者でした。

 感心の無さは、このままではないでしょうが、安易な議員定数の削減は、こうした議会、議員離れを加速させるのかも知れません。それ以上に、候補者となるであろう顔ぶれのマンネリ化、超高齢化、または相変わらずの選挙前の議員活動に、いい加減に辟易とされていることがあるかも知れません。どちらにしろ、議員自らまいた種が、大きく影響しているのではと感じています。もしくは、同日選挙にした功罪の悪い面の煽りを、市議会議員選挙だけ受けている可能性もあります。議会の不在期間をおしてまでやる同日選挙ですが、ここにも、財政難と二元代表制のアンバランスを感じずに入られません。

 議員が必要なければ、それは民主主義の崩壊を意味します。自治体の首長が権限を持ち続け、それを支える行政職員の舵取りが全てになります。その舵取りが間違ってても、正すことすらままならず、言いなりの自治体運営がされていくことになるのです。十把一絡げに馬鹿にされる尾鷲市議会ですが、議会が権能を見せた場面で、市長や執行部が躊躇や再検討したことはいくつもありました。または、少数意見であっても、同様に心に留め置き、出来る範囲で対応を実施したこともあったはずです。その場面全てに、議員の存在があったのです。もちろん、無能な議員はいないとは言い切れませんが、安易に削減をしたからと言って、有能な議員ばかりが残るとも限らなのです。

 私自らが言うからお叱りや非難を受けるのですが、議員は必要です。私自身の存在が、それを証明しているはずです。

 「私には、夢があります」

 その夢は、この尾鷲市だけでなく、少なくとも南三重や東紀州あたりが、大きな一つの自治体となることです。そして、紀伊半島南部に色濃く残る自然や文化、伝統が、ここに脈々と住まう人たちによって受け継がれてきたことを、未来永劫に渡って継承する仕組みをつくり上げるのです。愛すべき郷土があるということは、なにものにもかえがたい誇りであり、その誇りを大事にしていくことが、この地域には仕組みとして必要です。それを、議員の立場で訴え続けていくことも、議員は必要であるとの根拠になります。
by owase874 | 2013-05-29 02:12 | コラム「温故知新」


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当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

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