熊野市の地方創生(移住交流編)を審査する

 3月定例会が始まっています。

 金曜日より、予算特別委員会の審査をしていますが、それまでの私の一般質問については、熊野市議会の録画放送がアップされてから、考察などを書き留めたいと考えています。

 予算特別委員会では、平成26年度3月補正予算に上程されている地方創生関連事業の審査から始まりました。交付金の決定額は、地方創生先行型交付金としては5643万1000円で、消費喚起型交付金4520万円と合わせた合計1億163万1000円が、平成26年度中の執行を目標とした、熊野市の地方創生予算と言うことになります。この時期に、これだけの交付金はめずらしいことですが、これが政府が鳴り物入りで進めた地方創生の第1部というべき交付金です。

 このうち、執行部より再提出された資料を元に、移住交流について審査をしましたが、これだけの内容を見聞きしても、市民に理解を得るには難しいのでは?と判断せざるを得ない事業内容でした。消滅集落となっている熊野市にとっても、地方の生き残りをかけたとされた国の事業ですが、本当にこの事業内容で熊野市に光が指すのかを、市民にも判断してほしいと感じてしまいます。
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■移住対策就業促進事業 25万円

 市内の5つの事業者に各5万円で委託して、移住を考えている人たちに、就業体験をやってもらうようです。時期や内容は未定の部分も多いとのことですが、まずもって、5万円で受け入れしてくれる事業者がいるかどうかも疑問ですし、この地方創生の予算は、成果目標がいままで以上に厳しいので、本当に移住してくる人が参加するのかも疑問です。

■若者移住のための地元PR事業 24万円

 パドルアップサーフィンを趣味としている人たちに、新鹿海水浴場を使って移住PRする内容ですが、なぜにパドルアップサーフィンなのか、なぜに新鹿海水浴場なのかという説明は、担当もしどろもどろでした。しかも、この24万円全額は、昨年3月に創刊されたスタンドアップパドルボード専門誌に広告として掲載する費用とのことで、いかにも地方創生の名のもとに、散財させそうな事業に感じてなりませんでした。

■移住促進空き家活用事業 33万4000円

 移住者のための住居として、市内の空き家を改装する際に、改装費の3分の1を限度に補助する事業です。100万円かかるとの予想で、その3分の1を上程した形となります。なので、1軒のみの補助事業です。繰り返しますが、1軒のみの狭き門です。

■お試し住居整備事業 71万2000円

 移住したい人の仮住まい体験として、熊野市が所有するI・Jターン専用住宅(熊野市木本町813番地21)に、冷蔵庫などの生活用品を購入する機械器具費(備品購入費)27万8000円を筆頭に、光熱費や消耗品費を計上しています。また、賃料が月額2万円かかることから、賃借料24万円を計上していますが、予測するに1年間1戸を借り上げる考えかも知れません。とは言え、熊野市に移住したいと考える人は、海や川や山など、大自然を感じにくいこの住宅に仮住まいしたいのでしょうか?

■移住交流・都市農村交流促進貸出農園事業 583万3000円

 これだけ金額が突出して大きいので、もっとも質問と苦言が多かった事業です。紀和町内に、12坪6区画の市民農園を整備して貸し出す事業ですが、熊野市の考える貸出農園構想はスケールが大きく、まず334万8000円でホイルローダーを購入し、62万5000円で消耗品を購入し、36万円で農園用の貸出器具を購入し、40万円で農園に水道設備を敷設します。しかも、74万6000円で、某公社に農園整備を業務委託するそうです。会場借上料19万5000円は、なんのためにどこを借りるのか聞きそびれましたが、都市部からは、この貸出農園に移住を目的としてやってくるそうです

 余談ですが、私は、三重県が昨年に実施した、農山漁村の資源を活用した、新しい都市農村交流ビジネスの促進を図るためのコーディネーター養成講座を受講し、参加者16名のなかで最優秀のビジネスプランを発表させていただきましたが、全5回にわたってビジネスプランを学んだ者としては、これだけの費用をかけて貸出農園をやる意義や見通しが不確かで、しかも12坪6区画という猫の額ほどの農園で、はたして移住者はあらわれるのでしょうか?

■都市農村交流促進事業 59万7000円

 関東の某女子大生を18名(付き添い1名、担当教授とかかな)を、千枚田に招いて交流させ、やがては移住させる計画のようです。これまでも、この女子大からは学生などを招いて大盤振る舞いをしているそうですが、誰一人として移住はなく、先輩議員たちからは、多くの苦言が出ていました。これに対応する形で、執行部の方も、「ちゃんと成果を出させるために、某公社と大学とで協議会をつくっている」とのことでしたが、最低限とはいえ交通費が出て、1人1万円分のお土産(サンプル)が提供されるとかです。

 以上は、成果目標が設定されていて、この内容で、移住者を5人、移住交流を100人を、熊野市では想定しているそうです。

 私の憶測も含んでいますが、この事業でこの皮算用なら、もうすでに熊野市には多くの移住者が来ていて不思議ではありません。僕が、2014年に3人の移住者を熊野市に橋渡しした裏には(僕だけの成果ではありませんが)、2011年10月から、2014年3月までの約2年半で、延べ3,000人近い人たちを、熊野市を中心に招いてイベント参加などしてもらったからで、それでも移住者が3人に留まっているのに、熊野市は短期間で100人から5人を移住させるとのことです。しかも、総額796万6000円を投じてとのことなので、一人あたり159万3200円の費用をかけてとなります。

 単純に、その費用をいただければ、もっと有益に使えるのではと、これまでの実績からも考えてしまいます。
by owase874 | 2015-03-14 17:29 | 定例会の報告


市民活動の延長線上に、市民目線の政治があると考えています。


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当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

ときには辛口の意見もありますが、東紀州における公益や市民益を考える一人の意見として読んでいただければ幸いです。

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