尾鷲の町と野良猫について

 尾鷲の路地や公園や海岸部など、あちこちでよく見かける野良猫たち。

 猫好きな私からすれば、その風景は尾鷲の町の一部にも見えますが、最近とくに増えている気がしてならない。そういえば、以前にもメディアで取り上げられたこともあった。そこで、三重県尾鷲保健福祉事務所保健衛生室衛生指導課の職員に聞いてみた。
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檻にぎっしり


 8月末の1週間で持ち込まれた猫は22匹を数え、季節を考えると、異常なくらい多いとのことだった。どれも同じ顔をしていて、「近親交配の可能性もある」とのこと。これは、同じ場所で捕獲されたことを意味する。

 今年になって、308匹の猫が持ち込まれ、7月だけでも92匹、1日平均3匹という多さである。ほとんどが、引き取り手がいなくて処分される。平成18年度でみると、653匹が処分され、尾鷲管内では、人口比で61人に1匹の割合になる。これは、同じ規模である熊野管内の100人に1匹、都市部である四日市の600人に1匹と比較しても、飛びぬけて多いのが分かる。

 人間とは、お互いに近い環境で生息する動物なので、これだけの多さは地域のモラルの低下を意味しやしないだろうか?可哀想だからとエサをあげたり、避妊や去勢もせずに放し飼いにしたりと、人間側の都合で左右してはいないだろうか?

 担当課では、啓発活動や商店街での広報を繰り返しているが、最終的には飼う人のモラルと、地域で支えあう体制づくりだと考えている。猫だけが闊歩する町では、やはり味気ない。
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よく見かけるチラシ


 担当課の職員によると、

 「猫は犬と違い行政が捕獲することができない(負傷、病気の猫を除く)。処分される大半の猫は住民が保護し、保健所に持ち込んだもの。数日保健所で飼養・保管した後、津にある(財)小動物施設管理公社に運ばれ、炭酸ガスによる安楽死の後、焼却処分されている。
 
 猫はその特性から捕獲して、処分することだけでは、野良猫をなくすことができない。年に3、4回、1回で4~6匹の子供を生む。交尾排卵という特徴を持つため、交尾をすると確実に子供が生まれる。そのための不妊手術が重要になる。オスは尿スプレーという強烈に臭う尿を噴射する。そのための去勢手術が重要になる。また、多数の管理されていない猫が集まると、猫同士の感染症やネコノミの発生が起こる。もともと、単独生活者である猫が集まるというのは不自然で、感染症や糞・尿の問題などを引き起こす。つまり、野良猫への餌やりは野良猫にとって一時の都合のよさでしかない。

 今この地域で問題なのは、飼い主が不明の野良猫への餌やりである。本当に猫を大切にするなら、不妊・去勢手術をして、室内飼いをすることをおすすめする。室内飼いされた猫は、家の中に棚や隠れる場所などがあれば、他の猫とのトラブル、 感染症などから逃れ、ストレスフリーな状態で安心でき、長生きをすることができる。

 猫は野良猫であっても行動範囲は狭く(繁殖期のオスを除いて)、特定の地域で居着くものである。その地域の野良猫に対する考え方次第で問題は解決できると思う。野良猫がいてもよいのであれば、餌をあげるだけのような不適切な管理でなく、人に慣らした猫の不妊・去勢手術と、餌場の清掃ということで猫の数もコントロールできる。いずれは野良猫がいなくなることが望ましい。

 猫の問題は地域の問題で、野良猫に餌をあげている人だけの問題ではない。迷惑している人もそうだが、それ以外の住んでいる地域の人の問題でもある。地域の人が、地域づくりという視点で野良猫問題を解決するために関心を寄せて欲しいと思う。行政は決して問題解決の方法を持っているわけではなく、地域の人と一緒に問題解決の方法を考えていくことならできると思う。」

とのことだった。

 猫の町は悪くはないが、むやみに増えてしまうのは、衛生面だけみてもいただけない。何よりも、不幸な猫を出さないのは、人間側の取り組みでしか実現しない。今回の取材で、処分される猫の実態に驚愕した。どれも虚ろな目で私を見ている気がしてならない。

 共生をはかる難しさを地域一丸でで乗り越えらられるなら、なんとかしたい問題である。
by owase874 | 2007-08-29 15:33 | コラム「温故知新」


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当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

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