焼津市の海洋深層水事業にみる現状

 2日目の視察先は、人口約12万を誇る焼津市でした。
e0105019_14244364.jpg
焼津市役所


 平成14年11月から、「駿河湾深層水」として本格給水がはじまり、平成15年5月には、焼津市駿河湾深層水脱塩施設が完成し、平成16年4月には、焼津市駿河湾深層水利用促進交流施設「深層水ミュージアム」もオープンしました。また、平成16年4月、水産試験場に駿河湾深層水水産利用施設が整備され、平成18年7月には、駿河湾深層水体験施設(アクアスやいづ)がオープンしました。
e0105019_15142879.jpg
アクアスやいづ


 今回は、焼津市役所にて担当課より説明を受けた後、このアクアスやいづに併設されている、焼津市地域産物販売提供施設「うみえ~る焼津」にも出向いて、深層水事業の概要と現状を聞き取り調査しました。
e0105019_15151685.jpg
うみえーる焼津


 どちらの施設も、焼津商工会議所が主体となり、市内外の企業の出資を得て平成16年5月に設立した「株式会社マリンタウンやいづ」が指定管理者となって管理運営しています(アクアスやいづは平成18年4月より、うみえーる焼津は、平成19年4月より)。

 しかし、現状の運営は厳しいもので、平成19年3月末で2億2千万円の赤字計上となり、約20億円を投じて建設された施設は、波乱の船出となっています。タラソテラピーの形態をとったアクアスやいづの赤字が大きく、うみえーる焼津が約1年間で16万人の来場者と2億数千万円の売り上げでも追いつかない現状でした。

 これに対して焼津市がとったのは、平成20年3月議会で議案上程した「深層水体験施設市民利用促進事業」の約1億3千万円の事業費で、これは市議会においても「財政支援ではないか?」との一般質問や、メディア報道でも話題となったそうです。内容としては、体験機会の創出や、継続的に利用しやすい環境を整備する名目で、アクアスやいづの無料施設利用券の全世帯配布や、入会金や利用料金の減免措置などが盛り込まれています。

 海洋深層水の利活用についても、300アイテムの商品開発をしているにもかかわらず、進出企業が少ないことや、大口利用が見込めていないなどの課題があり、指定管理者となっている株式会社マリンタウンやいづの赤字運営からしても、海洋深層水事業としての継続性の難しさが浮き彫りになった形です。

 もちろん、それに対抗する企業努力や、月2回発行されている広報やいづの紙面においてもわかるように、行政支援などで東奔西走していますが、一番は市民による利用が促進されないと、認知度や理解度の向上には繋がらず、「あの施設は赤字でアカンのやって」では、多くの税金が投入された責任問題だけが先行してしまいます。それは、尾鷲における海洋深層水事業でも同じことが言えるので、「自分たちのまちの自分たちの施設」を誇れるような機会を持つことの大切さを感じました。

 交通の便がよい焼津市においても、海洋深層水の利活用の難しさを知ったことで、尾鷲市の身の丈にあった利活用を探っていくことが、今後の課題をクリアする一つには違いまりません。
by owase874 | 2008-05-19 17:56 | 産業振興を考える


市民活動の延長線上に、市民目線の政治があると考えています。


by kumano874

プロフィールを見る

ご挨拶とブログの概要

当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

ときには辛口の意見もありますが、東紀州における公益や市民益を考える一人の意見として読んでいただければ幸いです。

質問や批評など、ご意見がございましたら、下記宛にお願いします。何かしらの方法で、きちんと対応させていただきます。ただし、ブログのコメントには、できる限り返答をいたしますが、端無自身の裁量になることをお許し下さい。

◆ブログ管理者
 未来874事務室
 熊野市飛鳥町佐渡462番地
 0597-84-1033
 kurage874@cream.plala.or.jp 

なお、たくさんの意見や考えをお聞かせ願いたいので、直接にお会いすることも可能です。日程調整などしますので、その旨をお伝え下さい。

facebookやtwitterにも登録しています。よろしくお願いします!

カテゴリ

プロフィール
議会活動の予定
コラム「温故知新」
端無の一般質問
定例会の報告
臨時会の報告
委員会等報告
議会改革報告
防災とまちづくり
教育とまちづくり
福祉とまちづくり
観光とまちづくり
住民自治を考える
産業振興を考える
公益行事への出席
地域の活動を知る
東紀州はひとつに
 
 
 
 
 
 
 
 

twitter

最新の記事

1年前を振り返る日、新たな決..
at 2015-04-20 14:58
熊野市の地方創生(移住交流編..
at 2015-03-14 17:29
議会が一枚岩になるということ
at 2015-03-03 00:41
【12月定例会の一般質問】熊..
at 2014-12-11 16:18
【丹レス主催】大杉の伐木と霊..
at 2014-11-10 13:17
これからの地方自治体
at 2014-10-30 14:14
【丹波水害復興支援_霊山寺と..
at 2014-10-30 09:52
【丹波水害支援_床下対応メイ..
at 2014-10-21 10:29
【東皐寺復興支援&クールダウ..
at 2014-10-09 11:23
【丹波水害復興支援】東皐寺、..
at 2014-09-26 12:31

以前の記事

2015年 04月
2015年 03月
2014年 12月
more...

検索

その他のジャンル