陶芸教室の移転問題を考える

 議案第32号の一般会計補正予算に、陶芸教室移転工事費の減額が含まれています。このことについて、何人かの方から質問や意見を聞かれたので、そのときに言ったことを含めて、私なりの私見を述べておきます。

 教育費県補助金という項目で、353万7千円を水力発電施設周辺地域交付金で使う予定でした。しかし、移転先だった旧水道部の耐震化がされていなかったために、その危険性から補助金が充てられなくなりました。そのために減額補正として計上されたのですが、生活文教常任委員会の審査で第32号は否決となりました。

 まず、ここで確認しておかなければいけないことは、陶芸教室を実質的に運営する「陶の会」が、これより先に尾鷲中学校からの移転などの斡旋を陳情として議会に提出し、本会議で承認された経緯があります。このときは、私一人が反対しましたが、陳情後に提出された一般会計当初予算では、補助金のみで充当できるとのこともあり、陶芸教室移転工事費として計上された予算には、全体的な予算の採決ということもあって賛成しました。

 なので、市議会の立場としては、「陶の会の移転に関しては、陳情で認めており、陶芸教室移転工事費については、執行部からの予算計上を審議した結果として認めた。」となっています。つまり、陳情は陶の会からであり、陶芸教室移転工事費がそのまま陶の会のために予算化しているわけでないというスタンスなのです。しかし、「この図式が議員の中でも混同しているのでは?」と感じる議員の発言もあり、市民にとってはますます判りづらい原因をつくってしまっています。

 次の問題点は、陳情を認め、予算を認めた市議会であるのに、そもそもの予算を計上した執行部が、減額を市議会に相談せずに計上したことです。どの程度までの相談が必要だったのか、または誰にまでしていたのかまではわかりませんが、6月の補正予算で減額された資料を見た私は、それが現実であったことを知りました。これには、ちょっと議会軽視ではないかとも感じます。

 こういった経緯があり、陶芸教室移転工事費の減額が含まれる一般会計補正予算案(議案第32号)は、明日の表決に委ねられることになったのですが、陶芸教室の移転いついては、私も考えるところが多々有ります。

 一つ目は、「陶芸教室の移転」が、「陶の会の移転」に摩り替わっているように感じられることで、これでは「陶の会だけが便宜を図られているのか?」となってしまいます。あくまで、陶芸教室の移転なので、ここでは陶の会の話ではないはずです。これでは、陶の会としても困るでしょう。

 二つ目は、市長や執行部の対応です。財政再建を訴えて当選した奥田市長なので、しかも耐震化の優先的な執行を公約にも挙げているのであれば、曖昧な返答をせずに、「移転費用の捻出ができないので、財政難を考えて配慮して欲しい。」くらいの判断を示すべきで、「陶の会はすばらしい。」などと、陶芸教室の移転と陶の会の活動を混同させるような発言をするのは如何なものかと感じます。執行部に対しても、教育委員会としての判断が曖昧だったように感じます。陶芸教室が教育的にも文化的にも影響を与える事業であれば、教育委員会の動向に注目するのは当然です。

 三つ目は、私たち市議会です。こと有るごとに陶の会に対する発言をしてしまう議員がいるので、これでは市民が、「陶の会だけが文化的な活動なのか!?」と、勘違いするのではないでしょうか?陳情された移転先の斡旋は、陶の会のことですが、陶芸教室の移転は、尾鷲市の文化事業の振興が目的なはずです。これすらわかりずらいのは承知ですが、審査した内容が違うので、「陳情は陶の会、補正予算の移転工事費は陶芸教室」を明確に分けるべきと考えます。この点が、私が10数人の市民より聞かれた最も多い意見でした。

 四つ目は、陶の会自身の動向です。ここまでねじれのようになってしまい、市民にとっても違和感が出始めているように感じています。尾鷲市は、とりわけ文化的活動や市民活動、ボランティア活動などが小さな単位で点在しているので、「あそこだけはずるい。認められるのならば、うちらも頼もうらい。」というような雰囲気もあります。もう一度、陶の会として考えていただき、自分たちで予算を算段し、それでも不足する面が出たときに、行政との折衝をすればいいのでは?と考えます。教育委員会に理解を求めるのも、積極的な行動ではないでしょうか?貢献度や活動の影響は見て明らかなので、全てを行政に頼らずとも、目的を達成できそうな気がしてなりません。

 こういった考えを持ち合わせながら、それでも市議会として議決した過去の重みも感じつつ、明日の表決に挑みたいと考えています。
by owase874 | 2008-06-22 23:30 | コラム「温故知新」


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当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

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