政治倫理は市民のためにあるのでは?

 奥田市長の書類送検から幾日が立ち、先の全員協議会では、発言した議員全員から、厳しい意見が出る事態となりました。基本的には、議員の多くは、奥田市長に辞職を促す意見でまとまっており、その時期や手段には温度差があるものの、「出直して市民に真意を問うたらどうか?」に集約されています。

 そこで、現段階では辞職をしないという奥田市長の対抗手段として、地方自治法なども含めて考えていくと、いくつかの手段があります。私の考えでは、「(書類送検されるような)法律を犯し、自ら認めているのであれば、政治倫理的に考えても、辞職しかないのでは?」との意見に変わりはありません。また、3月議会(定例会)も近づいていることもあり、悠長に構えているわけにもいきません。

 そのためには、潔く奥田市長には辞職をしていただいて、再度真意を問うために選挙へ出てくればよいと考えます。これですと、住民投票と同等の効果になるので、書類送検された市長でも、市民が認めるのであれば、議会も尊重せざるを得ないとなります。しかし、その考えは手段の一つと言っている以上、議会としてできる手段は不信任決議になります(地方自治法第178条)。これですと、議員の4分の3以上の参加が必要とはなるものの、一番早くに議会としての判断を示すことができます。

 この考えには、「本来は、市長の個人的な書類送検であるのに、議会を巻き込んですることの不意条理さ」が強く残るのですが、一方では、「市民生活を考えると1日でも早く!」との見方もできます。この1点があるので、私も不信任案決議の重要さを訴えています。しかし、不信任決議を提出できたとしても、市長の権限で議会解散がされた場合、この情勢の中で、新年度予算の先決処分がされることも予測されます。そうなると、3月に提出される来年度予算は、奥田市長の意向を汲んだ予算で進められることになり、本末転倒の事態になります。

 だからといって、法的拘束力の無い辞職勧告では、奥田市長に対する議会からのアピールができたとしても、本人は市長の椅子にとどまることになります。これも、私の考える事態収拾にはなりません。ここに、議員の限界のような憤りも感じるのですが、政治倫理を考えても、奥田市長の書類送検は、言い訳のきかない事態です。この政治倫理は、尾鷲市では議員に対しては条例化されましたが、市長に対してはありません。

 3月議会に提出される新年度予算に影響を与えないことを考えると、最低限の骨格予算でもって議案上程するなど、なんらかの手段を講じていただかなければ、議会と市長の対峙は必至の様相です。しかし、これは議会の責任ではなく、奥田市長の政治倫理が問われる結果だけに、この事態が議会の責任となるのは筋違いだと感じます。まさか、奥田市長がそれを望んでいるとは考えたくありませんが、それでも、事態が打開されないならば、不信任決議も考えられます。しかし、議会による手段のほかに、市民による直接請求も、手段の一つには違いありません(ただし、法的根拠を持つ解職請求(地方自治法第81条)は、市長の就職の日から1年間行うことができません(地方自治法第84条))。

 市長が執行権を持ってるように、また議会が議決権を持つように、市民にも声をあげる手段はあります。先の選挙で、有権者から3分の1以上の得票をした市長も、奥田市長に辞職を促した14名の議員も、尾鷲の将来に負託したのは尾鷲の市民です。市長も議員も、「多くの市民が(私には)そう言っている」と、それぞれの都合がいいように話しをしてしまいます。しかし、それは多くの声ではなく、ごく一部の声に過ぎません。多くの声を聞くには、負託を受ける選挙になります。今回の顛末を考えると、議会の選挙よりも、市長の選挙の方が先ではないでしょうか?その手段として市民ができるとすれば、市長に対する解職請求もあるのです。

 新年度予算の専決処分などを想定しなければ、不信任決議をしてでも、それで市長が議会を解散したとしても、再度市民の負託を受けて奥田市長を辞任させたい気持ちが強いです。そこまで固執するのは、「尾鷲の将来と、その将来を背負う子どもたちに説明がつかない!」からです。先の市長選挙で、尾鷲の市民の多くは、従来の尾鷲から変わることを望みました。それは、このようなゴタゴタを期待してでなく、悪事にはとことん追求し、不正行為を嫌う奥田市長による刷新を期待したからです。

 それだけに、今回の件は示しのつきようがありません。

 子どもに善悪を教えるとき、善による効果と、悪による影響を教えます。奥田市長の善による効果が、市長公用車の売却や、退職金の廃止であるとするならば、法律に抵触してまで利益を得ていた影響は計り知れません。ましてやその影響は、癒着がなかったことではなく、その行為自体に問題があるのです。さらにそれは、善の効果をも飲み込んでしまうような事態だと考えるからです。

 明日の午前中(10時より)、全員協議会が開催されます。その内容は、今日の午後に、議長以下4名の議員(議長、副議長、議会運営委員長、同副委員長)で、奥田市長の下を訪れた報告をするためです。そこには、教育長や総務課長なども同席しました。私は、議運の副委員長として同席し、奥田市長にもその立場で進言させていただきました。その内容も含めて、明日に開かれる全協で、次の打開策が考えられます。
※追記:ブログ更新が日をまたいでしまいました。2月3日の記述として読んでください。

 市民の声は、尾鷲全市民の声は、どのように叫んでいるのだろうか?

 私の考えが詭弁であるならば、次の選挙で落ちるしか無いでしょう。そこに、市民の負託の重さがあるのです。
by owase874 | 2009-02-04 00:08 | コラム「温故知新」


市民活動の延長線上に、市民目線の政治があると考えています。


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当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

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