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ごみ問題の解決は、自治体の必須課題

 3日目最終日の視察先は、兵庫県川西市でした。

 前日は、たつの市から移動し、宝塚に宿泊しましたが、このまちのかわりようには驚きました。阪神・淡路大震災直後に、三田市経由で東灘区に入ったたことがあって、そのときの宝塚周辺も瓦礫のまちでした。あれから随分と経ちますが、高層マンションが山肌にへばりつくように建っていて、すっかりベッドタウンの様相でした。

 その宝塚の隣に位置する川西市は、兵庫県川辺郡猪名川町、大阪府能勢町、大阪府豊野町と隣接しており、この1市3町の自治体が、猪名川上流広域ごみ処理施設組合を設立し、「国崎クリーンセンター」を管理運営しています(運営は指定管理)。他府県にまたがる広域のごみ処理施設は、尾鷲にとっても課題のひとつであるだけに、興味深く調査をしました。
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外観はハコモノ的


 まず、立地場所で興味を持ったのは、施設の場所が山奥であることです。といっても、川西市から能勢町に抜ける県道沿いの一庫ダム上流にあるのですが、あたりは360度雑木の山に囲まれています。そばには、田尻川という猪名川上流が流れており、この名称をとって組合を設立しています。
 これだけの自然豊富な場所に、イメージ的には「ごみ=汚い=環境破壊」とみてしまう処理施設の建設は、予想通り環境団体の反対運動なども起こったそうです。しかし、日本で1・2を誇る排ガス基準をクリアした施設と、環境学習が実体験できる啓発施設を併設することで、ごみ処理施設の負のイメージを逆手に取った取り組みをしています。
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ビオトープもあった


 この施設が求められるようになった経緯は、当時の記憶に新しい、能勢町のごみ焼却施設における高濃度ダイオキシンの検知が明るみに出たことでした。あの時は、健康被害の懸念や、野菜農家の風評被害も起こり、施設は使用停止にまでなりました。
 そのときに、隣接する川西市の焼却施設も老朽化し、更新を控えている近隣自治体の施設もあったことから、1市3町による施設ができたのですが、川西市が音頭をとる形で組合ができたそうです。
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 約20億円をかけて、今年の3月に竣工した施設なので、実際にごみの処理を始めて半年が経過したところでした。そのため、ちょうど定期点検の最中であり、焼却炉は停止しておりました。施設は、見学できるようになっており、案内係の説明を受けながら、施設を見てまわりました。
 構想から10年が経過し、ようやく稼動にまでこぎつけた施設だけに、ごみ問題の深刻さがうかがえました。人里にあれば、人体への影響を懸念し、人里離れれば、自然環境の悪化を懸念すると言った具合なので、そのバランスをとる苦労は計り知れません。
 それでも、必要に駆られてできた施設なので、指定管理者や委託主である組合側の意気込みも並々ならぬものを感じました。とくに啓発施設では、さまざまなエコイベントが企画されており、ネタも豊富に用意されておりました。周りの自然環境にも配慮されているので、環境を学べる場所にもなっています。
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火格子


 次に気なったことは、火格子の形状や耐久性の問題です。火格子は、「グレートバー」とも呼ばれ、焼却炉の下で、ごみを攪拌する機能を持っています。適度に動くことで、新鮮な空気を送り込み、燃焼効率を高める働きがあります。このグレートバーは、尾鷲市のクリンクルセンターでの使用されていますが、角ばった形状が異なり、こちらの方がいかにも堅牢的でした。

 さらに、尾鷲市のグレートバーは、なぜかよく劣化するので、その都度多額の修繕費が計上されています。この解消をするために、広域によるごみ処理施設が急務となっているのですが、明快な検討結果が示されてはおりません。音頭とりの市長などがいないことが影響しているとも感じています。
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 ごみ処理の問題は、今や自治体の懸案事項のひとつになっています。焼却炉の性能が向上し、再分別しなくとも燃やせるごみが増えてきたこともあり、日本におけるこの手の課題は、環境的には大きくクリアをしています。だからこそ、1日でも早い導入を検討することは、今ある施設の弊害をなくす意味でも、しっかりと議論する場を設定して欲しいものです。

 私が想像するこの地域のごみ処理施設は、目に見える場所にあることです。現状のクチスボダム上流域の施設は、そこで何をやっているのかさえも相互理解できておりません。また、パッカーの移動距離も長くなるので、その分、職員が移動に費やす時間が長くなります。やがては高規格道路が、熊野や紀伊長島とも繋がるので、広域化も想定範囲になってきます。だからこそ、中心域の尾鷲市のあの場所に、ごみ処理施設を想定してしまいます。
 あの場所は、敷地面積が広いだけに、温水プールなどの熱源を利用した施設も考えられるし、漁協施設としても新設ができれば、より大型漁船の入港も可能になります。毎月開催している尾鷲イタダキ市などのように、定期的なイベント施設も併設すれば、新たな集客交流施設にもなるはずです(尾鷲イタダキ市の年間総売上は6千万円を超えています!)。しかも、それが地域振興ゾーンである県立熊野古道センターや、夢古道おわせにも近いときています。
 妄想に近い想像ですが、このくらいの手腕を発揮しなければ、尾鷲の魅力を後世に受け継いでいくことができないのかも知れません。あの場所については、負の遺産のように言う人もいるし、廃墟になることを想像する人もいます。しかし、あの場所があるからこそ、尾鷲市は今の繁栄を築いてこれました。逆手に取る手法で、あの場所の利活用を議論してもよい次期にきていると考えています。

 国崎クリーンセンターでは、対応していただいた職員が、それまでの苦労や反対運動などの経緯も、包み隠さずにお話くださいました。確かに、1市3町でスムーズにいく方がありえない話なので、そうした議論を尽くした結果が、いまの施設になったと感じました。そのためには、反対運動や環境保護運動の意義もあったはずです。

 今回の視察先は、人口規模の比較では、尾鷲市にとっては無理が大きい内容でしたが、よりコンパクトに考えることができる内容でもありました。この視察調査で得た結果を熟慮し、今後の市政運営の提案や提言につなげていければと考えております。
by owase874 | 2009-10-29 17:46 |  

尾鷲市清掃工場は、満身創痍の稼動状態

 梅雨明けしたとはいえ、よく降ります。

 7月末からの長雨で、地盤が緩んでいるのと、山の保水力が年々低くなっていることからも、「今まで」とは違う警戒が必要と感じます。
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国道425号線、再崩落付近


 さて、昨日の生活文教常任委員会の管内視察は、激しい雨の中の視察となりました。午前中は、クチスボダム奥の尾鷲市清掃工場に行きましたが、大粒の雨が降っていました。
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1号炉内部


 清掃工場は、2つの炉(燃焼室)を持っており、日に30トンほどの可燃ごみを処理しています。1つの炉で15トンを処理する計算ですが、現在その1つは停止した状態です。
 そのため、1つの炉で30トンの処理をするために、朝5時から夜8時まで、フレックスタイムで稼動させているそうです。清掃工場は8時間労働なので、朝5時から12時、昼13時から夜8時までとなり、4人2組で対応しています。
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グレートバー(下)とサイドプレート(中)、耐火煉瓦(上)


 2号炉が停止しているのは、燃焼室のグレートバーとサイドプレートが減肉(破損・磨耗)しているからです。グレートバーの役割は、上から投下された可燃ごみを、特殊鋳物のバーが細かく動き、先端ノズルより高圧高速の空気を噴出することで、バーの冷却と安定的な燃焼を実現させます。サイドプレートは、空気漏れを防ぎ、グレートバーの熱膨張を吸収する構造となっています。
 グレートバーは450個敷き詰められおり、このうち277個の減肉が大きく、87個がそれに近い状態です。合計364個のバーを取り替えなければ、空気漏れによる不完全燃焼を引き起こし、効率的な稼動ができなくなると説明を受けました。サイドプレートは、両端に各25個並べられていますが、32個が減肉しており、交換を必要とします。穴が開いているものもあり、これも空気が逃げる原因となります。
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サイドプレート上の耐火煉瓦もボロボロ


 1号炉内を見学するのに、ダイオキシンの濃度が高いことから、簡易の防護服に着替えて視察しました。実際に見て説明を受けると、「交換せなアカンやり。」って強く感じます。無理に稼動させたり、応急処置を施しても、3ヶ月程度しか維持できないとなれば、「仕方のない必要経費」と考えます。

 しかし、平成19年の1号炉の取替えよりも規模が大きいので、予算も1億円を超える見込みです。平成3年3月の稼動から18年を経過し、グレートバーの耐用年数が4-5年であるのに対して、だましだましでしか補修できなかったこともあり、尾鷲市の清掃工場は、清掃工場職員の技術で保持していると感じました。

 1号炉と2号炉にかけられた補修の経費も、平成9年、15年、16年、19年で約2億円も投じられてきています。必要経費といえど、補修、補修では、そのたびに財政をひっ迫する原因をつくってしまいます。耐用年数が5年であるので、5年間隔の定期的な補修ができていればとも考えますが、財政をみながらの補修をしてきているので、余計に経費がかかったのではとも感じます。

 今の尾鷲市の財政状況で、1億円を超える予算を審査するのは苦痛ですが、環境省による「廃棄物処理施設における長寿命化計画策定支援事業」の交付金対象となる予定であるので、その交付限度額がいくらになるかです。環境省の資料を見る限りでは、一括交付は3分の1となっているので、残り3分の2の負担をどうするかになります。

 いずれにしろ、2号炉は、平成16年の簡易補修から手をつけていないので、本格的な取替えが切望されています。

 午後からは、陶芸教室の視察をしました。
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 さらに、八鬼山などにも向かう予定でしたが、雨足が強くなったので延期になりました。
by owase874 | 2009-08-06 12:07 |  

田原リサイクルセンター「炭生館」がめざすもの

 視察2日目は、田原市のリサイクルセンター「炭生館」でした。
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 まず、視察前の予習で公式ホームページを見ましたが、そのデザイン性と情報公開の透明性に驚きました。ごみ処理という、私たちにとってなくてはならない施設ですが、マイナスイメージが強いのも事実で、尾鷲市においては、よほど積極的に調べないと知ることはありません。
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 それをここまで公開しているのは、ごみ処理における自信の現れであり、05年4月に運用開始したのですが、PFI方式で施設を立ち上げたそれまでの経緯も知ることができます。これが意外と大事で、自分たちが排出するごみの処理施設が、どのような過程で審査され、事業化されたのかは、税金を使用する上でも知る権利として大切です。

 広大な施設を有する立地条件や、15年間で100億という事業化を実現できた田原市の財政状態(03年8月田原市誕生)など、既存の施設を廃棄し、新しく更新するだけの周辺環境も大きかったでしょうが、先行事例で導入したPFI方式がもたらした効果だと感じました。このPFIについては、尾鷲市には中部電力が三田火力発電所を有していることからも、私の考えのひとつとして検討したい課題です。
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 ごみから炭をつくり、むだなく再利用する夢のような施設ですが、炭生館が目指すものは、もっと先にある気がしました。そのための施設内のレイアウトや外観を見ても、単にごみを処理するだけでなく、多くの住民に知ることができる環境をあらかじめ備えていました。ビオトープや風力発電施設なども、未来の子どもたちに自然環境を意識付けさせることができるアイテムとして、存在意義がありました。これも、PFIによる効果のひとつで、行政だけでは達成することができないものです。
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 尾鷲市では、老朽化するクリンクルセンター(ごみ処理施設)に、毎年のように追加や補正予算で補修をしている状態です。議案を付託されている生活文教常任委員会でも、その都度に物議を巻き起こしています。

 クチスボダムの奥に位置する施設は、山の中にひっそりと居座っており、毎日のようにごみ収集車が長い道のりを往復しています。その距離と時間、人件費や燃料などでかかる経費を考えても、次への提案を考える時期を過ぎている気がします。

 そこで考えているのが、PFI方式によるごみ処理施設の更新で、三田火力発電所の敷地内に設置できないかです。3機ある発電機のうち、2号機が廃止され、1号機も老朽化する中で、中部電力としての尾鷲市に対する関わり方も、年々減少している状態です。

 最新のごみ処理施設は、炭生館のように、悪臭を放つような施設ではないので、まちなかでも十分に設置可能です。また、中部電力の電力応用技術や木質バイオマスなど、この地域に見合った内容で、ごみ問題に対処できる可能性、もしくは検討くらいはできそうです。

 今回の視察によって、私が考えていたごみ問題は、もっと客観的に考えることができそうに感じました。日常生活にとって、ごみ処理は切っても切れない切実な課題ですので、この視察以後の行動を考えなければなりません。
by owase874 | 2008-03-21 22:34 |  


市民活動の延長線上に、市民目線の政治があると考えています。


by kumano874

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ご挨拶とブログの概要

当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

ときには辛口の意見もありますが、東紀州における公益や市民益を考える一人の意見として読んでいただければ幸いです。

質問や批評など、ご意見がございましたら、下記宛にお願いします。何かしらの方法で、きちんと対応させていただきます。ただし、ブログのコメントには、できる限り返答をいたしますが、端無自身の裁量になることをお許し下さい。

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