カテゴリ:観光とまちづくり( 15 )

少ない人口だから、少ない地域資源とは限らない

 新宮市熊野川町嶋津を訪ねました。

 人口わずか15人の集落ですが、日本一小さな嶋津観光協会があります。この嶋津は、熊野川を挟んで、紀和町小川口の対岸です。2011年の台風12号では、大きな被災と被害を受けています。
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瀞大橋


 嶋津に行ったのは、ここの観光協会主催の山行に同行するためですが、最近、「死ぬまでに行きたい!世界の絶景日本編」に紀和町木津呂が出ていたからです。撮影場所が嶋津の山中でも、写っている場所が熊野市内だったので、なにか連携できることがあろうかと感じたからです。
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絶景ポイント


 山行ルートとしては、昔の生活道であった山道から尾根道に入りますので、往復4時間くらいです。しかし、急登や尾根の交差点などもあるので、素人での登山はオススメできません。興味関心のある方は、嶋津観光協会のガイドを依頼することになります。興味深いのは、ここに自称とはいえ観光協会があることで、そういったことも含め、率先する地域住民が活動していることです。こういったことは、この地域でもすぐに取り組むことができます。
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嶋津観光協会


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木津呂の集落が見える


 三重県、和歌山県、奈良県にまたがる熊野川を挟んだ集落は、川船で行き来できることからも、古来より川が生活の中心となって交流がさかんでした。川が生活を隔てていなかったからですが、自治体の境ということで連携しきれいていない現状が残念でなりません。この地域の世界遺産登録も、自治体の境で隔たりがあるわけでもなく、連携してこそ意味をなし、意義を発揮できるように感じてなりません。

 嶋津観光協会や、主宰する平野さんを見ていると、人口が少ないからといって、地域資源が少ないわけではありません。探せば、あるいは見渡せば、地域資源は人口よりも多いはずですし、嶋津観光協会を見習って、この地域の絶景を集める作業をしてみることオモシロイかも知れません。私でも、在住する飛鳥町の絶景を10個位はスラスラと言えます。とくに、熊野川を挟む集落は、自治体間の連携なくして存続なしと言えるのではないでしょうか?熊野川を見ていると、日本のどの有名河川にも引けをとらない魅力と資源に溢れています。
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今回の参加者


 世界遺産となった紀伊山地の霊場と参詣道は、和歌山県の山中に霊場が点在しています。三重県側で言えば、そこに至る熊野古道が登録された主なポイントで、関連しているポイントを探せば、もちろん登録にはない史跡や銘跡も数多くあります。私がこの地域で世界遺産登録を新たに進めるとすれば、花の窟や産田神社、大馬神社、丹倉神社、神内神社、神倉神社などの原始的な巨岩信仰や関連施設は、別件で世界遺産登録を申請していいのではと感じるほどです。

 とは言え、嶋津観光協会を訪れ、書籍にも登場する木津呂を眼下に仰ぐと、三重県も和歌山県も奈良県も、自治体の境目というだけで、人の生活は別物だと感じたところです。とりあえずは、熊野市においては、国道311号線に点在する集落や、この熊野川沿線の集落は、地域資源の宝庫であり、一過性で終わってしまうような観光にばかり力を注ぐ以上に、もっと着目していいのではと考えています。

 連携するって、行政単位でなくて、人と人とが近道です。

■【非公認熊レス山岳部】死ぬまでに行きたい!世界の絶景に行く
 http://crepm.exblog.jp/22417204/
by owase874 | 2014-07-30 17:50 | 観光とまちづくり

尾鷲に道の駅は必要か?を検証してみる

 「道の駅を尾鷲市にも!」と言う声はよく聞きます。

 道の駅とは、国土交通省が登録する道路施設のことで、全国で936駅あるそうです。また、役割としては、「休憩機能」、「情報発信機能」、「地域の連携機能」の3つの機能が求められています。最近では、今年の3月末に、第33回目の登録があったようです(このときは19駅が新たに登録)。ちなみに、第1回目の登録は、1993年の4月でした(こときは、103駅が登録)。

◆国土交通省道路局 道の駅
 http://www.mlit.go.jp/road/station/road-station.html

◆三重県の道の駅
 http://www.cbr.mlit.go.jp/michinoeki/map/fl_map_mie.htm

 三重県には、15箇所の道の駅があり、うち5駅が東紀州にあります(紀伊長島マンボウ、海山、熊野きのくに、パーク七里御浜、紀宝町ウミガメ公園)。道の駅の私のイメージとしては、「田舎に多い」ので、さながら東紀州の状況から見ても納得してしまいます。

 さらに、東紀州の5駅をみると、2市3町で道の駅がないのは尾鷲市だけです。また、道の駅間の直線距離でみると、マンボウ(17.6km)海山(18.8km)きのくに(18.2km)七里御浜(4.1km)ウミガメとなっています。尾鷲市に必要かどうかを距離で見る限りでは、全国的にみてもあまり関係がないようです。

 その登録ですが、市内の国道42号線沿いに道の駅の整備をするとき、建屋は尾鷲市が整備し、トイレや駐車場を道路管理者(国土交通省)が整備します。しかし、この整備については、共同整備もできるそうですし、尾鷲市単独で整備したのちに、道路管理者により推薦してもらうこともできるようです。いずれにしろ、尾鷲市としては整備する財源が必要となります。

 そこで、注目されるのが過疎債だと考えるのですが、過疎債の性格からも、道の駅の整備に充てられるように感じます(要調査)。もちろん、議会の承認も必要ですが、道の駅を尾鷲市内で考えるとき、一番大事なことは、「どこに整備するのか?」になります。そのときに重要視されるのが、先の3つの機能を満たす場所であることです。

 ・・・と、ここまでシナリオを書いてみましたが、ちょっとネガティブに考えてみるとします。それは、3つの機能についてです。まず、「休憩機能」ですが、例えば、現在の紀勢道大内山ICから、国道42号線を南下してくると、15分~20分ほどでマンボウを通過します。入り込み客のことまで調べていませんが、マンボウが流行っている理由は、南下してきて初めての休憩所であり、北上するときは最後の休憩所になります。心理的にも、この最後や最初は大きいと思いますが、道の駅奥伊勢おおだいのように、高速道路の延長によって、少なからず打撃を受けることも予測されます。

 尾鷲市で考えると、予定されている尾鷲北ICから尾鷲南ICまでは、国道42号線を通過することになるので、この間に道の駅があれば、休憩所となり得る可能性が大きいです。ただし、これより北側の高速道路上に、PAやSAが近くに予定されるとなると、やはり利用率の低下は考えられます。それまでのことを考えても、2012年には紀伊長島まで紀勢道が延長されるので(マンボウより南側)、道の駅海山が高速道路までで最初で最後に変わっていきます。

 このことからも、南下する走行車にとっては、尾鷲北ICまで延長されたとしても、休憩所となる可能性は低いかもしれません。しかし、北上する走行車にとっては、尾鷲北ICで乗る最後の休憩所になります。

◆紀勢国道
 http://www.cbr.mlit.go.jp/kisei/index.html

 次に、「情報発信機能」ですが、尾鷲市を何で売りに出すのかが決まっていなければ、目玉としての情報が発信できません。例えば、高速道路でやってくる走行車が、尾鷲を通過点として考えているのか、目的地として考えるかは、情報発信機能がそれより先になければなりません。前もって調べた上で、決め細やかな情報がここにはなければ、そのまちのよさも知られることはありません。私は、道の駅を情報発信機能で求めて立ち寄ったことはありませんが、それは道の駅には有益な情報がないと思っているからです。それを覆すような情報があって、それは尾鷲市の道の駅でしか手に入らない。となれば、それはキーワードになりそうです。

 最後の、「地域の連携機能」ですが、道の駅に立ち寄る最大の理由がこれにあります。これが、道の駅の特色であり、地元を食や物販で知ることができる、視覚的効果の高いアピールができます。各地の道の駅を見ても、それぞれに特色があるのですが、産直野菜・本日水揚げの鮮魚・石窯の焼き立てパンなどなど、共通するキーワードで勝負できる利点もあります。しかし、それには、お客の心を引く価格設定と、品揃え、他にはないメニューが必要です。尾鷲でならでは!が、冠についたメニューでないと、他と比較されて飽きられてしまいます。あるだけでゲンナリしてしまう、全国共通商品もご法度だと感じます。やはり、ここでしか買えない、手に入らない、食べられないの3つがそろうことです。

 しかし、立ち寄らないとはじまらないので、道の駅は「立ち寄ってもらえる立地条件か?」かが、最大考慮される必要を感じます。なので、高速道路が伸びてこないような幹線道路なら有効と考えますが、高速道路が目の前まで来ている状況では、いずれあそこや、そこの状態になりえるのでは?とも感じます。道の駅にいくことを目的とした旅行なら、立地などはお構いなしでいいのですが…それにはかなりのスキルと戦略が必要でしょう。

 以上のことから、今の私には、尾鷲市内の道の駅は、成功する可能性を見出せていません。東紀州で言えば、きのくにや七里御浜、ウミガメに、生き残れる可能性があるように感じています。だからといって、尾鷲市では、国道42号線上に公衆トイレもないし、何のお得情報も得られない情況なので、無下に反対していることもありません。

 そこで、同じ整備をするのであれば、道の駅ではなく、高速道路に直結し、しかも地域からの流入もできるハイウェイオアシスだと考えています。ただし、尾鷲北ICからは国道42号線に降りてしまうので、一般的なハイウェイオアシスにはなりえません。なので、尾鷲北ICから尾鷲南ICまでの間に設置するにしても、将来的には、新直轄方式で連結されたあとに、ハイウェイオアシスとして機能することを考慮すべきと考えます。

 高速道路は大変便利ですが、東紀州くらいには、すっ飛んで来なくとも(行かなくとも)、立ち寄りながら目的地にいければいいくらいでいい気もします。なので、道の駅と紀勢道が連結したほうが、それぞれの特色を出せるし、地域を体験してもらえるのにと考えています。東紀州ではありませんが、紀勢道を走っていて、眼下の道の駅おおだいに立ち寄れればと、いつも感じてしまいます。寄り道できる高速道路も、この時代ならあっていいと思います。

 いずれや、話題が本題になる可能性もあるので、調査してみようと考えています。
by owase874 | 2010-05-22 02:27 | 観光とまちづくり

東紀州地域が観光圏に認定される

 東紀州地域が、観光圏整備実施計画の認定を受けたようです。

 先月の28日付で、国土交通省観光庁ならびに、中部運輸局の公式サイトで公表され、翌29日付の三重県庁の公式サイトでも報告されていました。三重県内における観光圏については、伊勢志摩地域がすでに観光圏として認定を受けており、この件については、私も率先市民としてのブログでも考察しています。

◆国土交通省 観光庁
 http://www.mlit.go.jp/kankocho/index.html

 ■平成22年度観光圏整備実施計画を認定します
  http://www.mlit.go.jp/kankocho/news04_000016.html

◆国土交通省 中部運輸局
 http://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/index.html

 ■平成22年度観光圏整備実施計画を認定(PDF)
  http://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/kisya010/kikaku100428.pdf

◆東紀州地域観光圏が観光圏整備実施計画の認定を受けました
 http://www.pref.mie.jp/topics/2010040351.htm

◆宿泊してわかった、三重(二見)の観光地
 http://crepm.exblog.jp/13625204/

 そこで、観光圏について簡単に説明すると(手前味噌なのですが)、「観光庁では、観光立国の実現に向けて、国際競争力の高い魅力ある観光地の形成を促進するため、「観光圏の整備による観光旅客の来訪及び滞在の促進に関する法律」(平成20年法律第39号)に基づき、複数の観光地が連携して2泊3日以上の滞在型観光を目指す「観光圏」の形成を促進しているところです。」とあります。

 今回、前原国土交通大臣により、平成22年度より整備をはじめる観光圏として、新たに15地域の観光圏整備実施計画の認定を行い、これに東紀州地域が認定されたことになります(全国45地域が認定)。さらに、東紀州地域でのコンセプトを見てみると、「海、山、川など豊かな自然、昔懐かしい"ふるさと"の原風景が残されている"熊野古道ブランド"を基に、食や千枚田の田植え等の自然体験イベントの展開を創出するとともに、農家レストランや宿泊等と連携させた長期滞在の促進を図る。心のこもったおもてなしを目指す観光圏」とありました。

 では、観光圏に認定により、何が変わるのかというと、「観光圏整備実施計画が認定されれば、同計画に位置付けられた観光圏整備事業について、国からの以下のメニューによる総合的な支援を受けることができます。①観光旅客の来訪・滞在の促進に効果や成果の見込まれるソフト事業に係る補助金の交付(補助率上限40%、別途審査があります)、②着地型旅行商品を宿泊施設で販売するための旅行業法の特例、③周遊割引券の導入に係る運送関係法令の手続緩和、などとあり、あわせて、社会資本整備や農林水産省が実施する農山漁村活性化プロジェクト支援交付金などと連携を図ることにより、民間組織の創意工夫を活かした「観光圏」の形成を支援する。」とありました。

 東紀州のコンセプトにあてはめると、補助金の交付先や交付事業に着目するところですが、大型観光を目指すというよりは、原風景のよさを生かしたコンパクトな観光地をめざすと考えられます。また、それこそ一人からでも楽しめるような観光を想定し、少人数でより密に東紀州地域の生活が実体験できるようなプランの創出が想定されます。このためには、古民家を活用した宿泊施設など、関係する法整備の緩和にも期待するところです。

 しかし、発表が連休前であったためか、三重県庁の公式サイトでもあれだけの内容でした。また、東紀州観光まちづくり公社のサイトでも、対象区域である各市町の公式サイトでも確認できませんでした。往々にして、このような事業については、議会も知りえないうちに着々と進んでいることもあるので、予算が出た段階で知ることもしばしばです。もしや私だけが知らないのであれば、お恥ずかしい限りですが、地域資源を生かしたチャンスになるか、絵に描いた餅になるかは、今後の動向に口を挟みたいところです。

 ゴールデンウィークに入り、馬越峠を越えてくる古道客も、チラホラと商店街通りを歩いてきます。「帰宅までの時間を過ごす場所はないですか?」と、私が経営するカフェにも立ち寄る古道客がいて、ささやかなリクエストに応えたところです。このほかにも、「公衆トイレが少なくないですか?」、「どうしても帰宅時間が夜になるので、公共交通の中で夕食になりますが、この地域の駅弁とか弁当は販売されていませんか?」など、私では対応しきれない相談もありました。

 こういったときにこそ、古道客のニーズが溢れているようにも感じたので、情報収集するチャンスはあるようにも感じるし、それを実行できる機関や組織もあるように思います。昨日も外国人の古道客が立ち寄って、「英語メニューがいいですね」とのお褒めの言葉をいただきました。ささやかですが、私のカフェは英語併記のメニューなので、「おもてなし」は何も「無料で振る舞い」することだけではありません。

 今回の観光圏の認定を、生かすも殺すも、東紀州地域に住む住民次第です。
by owase874 | 2010-05-05 03:19 | 観光とまちづくり

八鬼山と真砂線香工場跡の視察

 生活文教常任委員会の視察がありました。

 場所は、八鬼山の抗議文を消したあとと、その通り沿いにある杉の葉線香工場の遺構でした。
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 立ち木や石への抗議文は消されておりましたが、ペンキで塗りつぶした箇所は、まだまだ違和感があります。しかし、抗議文とはいえ、見栄えのよいものでなかっただけに、毒々しさがなくなってました。
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 八鬼山への上り口近くには、真砂川から水路を引いて、杉の葉線香をつくっていた遺構が残っています。江戸時代に、土井家が製造し、江戸(東京)まで船で運んでいたそうです。
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 石垣積みが美しく残っていましたが、ここを復元し、体験施設にできないかとの構想もあるそうです。

 古道となっている路肩の草が茂っていたので、これから秋の季節、マムシ(ハンビ)が気になりました。支障がない程度に、ササッと刈ったることができればよいのですが…
by owase874 | 2009-09-11 14:26 | 観光とまちづくり

熱海市の現状は、対岸の火事ではない

※今日のブログは、焼津市の宿より更新しています。

 管外行政視察で、熱海市と焼津市に来ています。

 昨日より、熱海市で宿を取り、全国的に有名な「熱海温泉」という観光地の夜をぶらりとしました。今日は朝から熱海市役所の議会事務局を訪れて、行財政改革と観光戦略について聞き取り調査をしました。
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熱海市役所玄関


 まず、議会事務局の杉坂事務局長より市の概要説明を受けましたが、このあとの担当職員を含めて、視察に来た我々尾鷲市の概要も調べており、市政の説明も簡潔で丁寧でした。また、「観光」に力を入れているせいか、受付職員をはじめ、往来する市職員の対応も丁寧なのに感心しました。
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このような制度があるのも興味深い


 議会事務局の説明で驚いたのは、定例会や委員会の開催前に、上程する議案の事前説明を行っているとのことで、それを一人会派をはじめとする全会派、つまり全議員に個別に行っていることでした(この説明は非公開だそうです)。執行部としては、面倒なことでしょうが、議員にとっては事前の説明と資料の配布は、とても有意義なことです。昭和30年代からの慣習とのことですが、このため、本会議での質疑応答は極端に少ないとのことでした。

 次に、行政経営課の森本課長の説明では、昭和59年の行政改革大綱を皮切りに、平成7年の第2次、平成14年の第3次と、行財政改革を実施してきました。しかし、平成18年の9月に、大接戦の上、前市長の4期目を阻止した斎藤現市長に交代すると、同年12月の「財政危機宣言」、平成19年1月の「財政再建スタート宣言」と、矢継ぎ早に行財政改革の取り組みを行っていることのことでした。また、市長給与の30%カット(副市長20%、教育長10%)、市長と副市長の退職金廃止など、率先した取り組みもしています。

 財政の見直しでは、19もの投資的事業を凍結・延期・縮小させ、そのなかには、幼小中の耐震化事業も含まれているのには驚きました。これには、PTAなどからの陳情や要望が出る事態となり、市議会議員からの一般質問でも取り上げられたと聞きましたが、公債費の抑制を図るために、今はどうしても了承してほしいとのことでした。財政健全化を考えた場合、耐震化の事業を行うだけの執行する予算が捻出できないからで、市長の英断が予想できました。

 しかし、水道事業会計の不良債務による27年ぶりの料金改定(平成19年)や、140億円もの企業債残高(平成17年度末)を抱える下水道事業会計など、山積する財政問題を抱える現状は、対岸の火事ではないことを真摯に受け止めました。
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下水のマンホール


 下水道などは、都市基盤には欠かせないインフラなのに、整備しても赤字になるような事態は、どの地域でも考えられ、実際に起こっている課題なので、歯がゆい気がしました。尾鷲には下水道はありませんが、海に垂れ流している現状を考えると、海業を売り出すためにも、ぜひとも整備したいと考えるので、なんとも言えない気持ちになります。

 この他、病院事業は独立しており、平成14・15年に約30億円を拠出して、大学病院を誘致したとのことで(国際医療福祉大学が運営)、これは尾鷲市の総合病院と比較しても、英断した甲斐があったとのことでした。また、医療機関については、民間病院も多いとのことで、35%を超える高齢化率による医療問題に対処はできているとのことでしたが、後期高齢者医療などの根本的な問題は、尾鷲市と同様でした。

 また、観光戦略室の石渡室長の説明に入ると、観光で売り出している熱海市だけに、年間の宿泊人口を約280万人も抱えていながら、滞在時間の延長やまちなかの魅力の再発見など、温泉と別荘地だけでないまちの可能性を見出すために、さまざまな取り組みと計画をしていることが伺えました。
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なんでもない風景も…


 その点では、実際にまち歩きをした私の感想からは、団体での旅行には向いている面もみられますが、少人数や単独での楽しみ方が少なく感じました。モーニングサービスや23時までのカフェなど、1杯のコーヒーから始まるまちの魅力は、そこに住んでいる人たちの気持ち次第でなんとでもなるので、尾鷲で私がやっている市民としての取り組みも、魅力づくりとして意義があるだろうと感じました。
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21時半のメイン通り


 大口の観光客と、単独の観光客との旅に対する意識の差は大きいのですが、楽しみ方は雑多にあったほうがよいので、温泉・海・山・坂・食べ物など、熱海にあるキーワードを並べていけば、何がお客に受け入れられるのかが見えてくるのかもしれません。昔のような観光客では立ち行かない現実を、熱海市のような観光地こそが打破していくことは、今までのような「観光」を変えていくきっかけになるのではないでしょうか?
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起雲閣(きうんかく)


 午後からは、大正8年(1919年)に築かれたモダニズムな建築様式の名邸を訪問しました。競売に出されたのを、12億円以上の巨費を投じて、当時の市が買い取り、整備したのちに一般開放した邸宅です。ボランティアガイドの説明も丁寧で、巨万の富によって築かれ贅の限りをつくしたことが伺えました。
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庭園もすごい


 これもまた、赤字の運営に近いでしょうが、こうした歴史的な建造物を後世に遺していき、地域の宝として受け継いでいくとも、文化や伝統の継承につながることなので、息の長い支援と独立に向けた努力とアイディアが必要不可欠です。

 熱海市の行財政改革は、平成19年度から平成23年までの5カ年計画で進められていますが、40代の斎藤市長の手腕だけでなく、市職員や市議会、熱海市民の協力を得ながら健全化に向かうことを期待するとともに、観光戦略で魅力を再発見していくことで、2つの課題の両輪がかみ合うようなまちづくりに、今後も注目していくことになりそうです。

※このあと、移動して焼津市に入りました。
by owase874 | 2008-05-15 21:28 | 観光とまちづくり

田舎にしかできないこと、田舎だからこそできること

 モミジの紅葉で有名な香嵐渓がある足助町ですが、それまでの9千人あまりの町から、41万人ちかい人口となった豊田市と合併しました。
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TVでも馴染み深い光景


 山間の地にある町で、足助川と巴川に囲まれており、古くは交通の要所として栄えました。しかし、14校あった公立学校の4校が閉校されると、過疎化が取りざたされるようになり、若年層の人口流出も表面化してきました。どこの田舎でも課題となる話ですが、足助町がほかと違ったのは、その対策に早くから向き合い、行動を起こしていたことです。

 昼食に立ち寄った百年草は、1990年に、足助町制施行100周年を記念して建設された福祉観光施設で、ホテル事業を柱としていますが、地域の高齢者の生きがいの場所としても、足助ハムや焼きたてパンの工房を併設しています。観光客でごった返す紅葉の時期ではないとのことですが、レストランや温浴施設に、地元の方がわりといたのには驚きました。
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まなび農園 椿立さとやま


 閉校した小学校をユースホステルに改良した椿立さとやまは、バス停から車で10分くらいの場所にある山奥の宿泊施設です。外観は昔の校舎ですが、内装は作りこまれており、最低限の快適な環境となっていました。閉校と同時となる1997年に、約4千5百万円をかけて足助町が建設し、その後の管理運営を地元(椿立学区を守る会)に委ねている官設民営の施設です。
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椿立さとやまでの風景


 年間1,500人ほどが利用しており、管理人夫婦が生活する最低限の収益があるとのことでした。けっこう苦労しながら、さまざま企画で呼び込みをしており、積極的な行動が継続を保証していました。気になったのは、分譲もしている隣接する農園ですが、もともとが田んぼだけに、水はけが悪いままでした。根本的に土壌改良をしないと、野菜畑としての機能は難しいように感じました。
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飯盛山のカタクリ


 足助町の観光事業を支えている株式会社三州足助公社は、百年草や、このあと訪れた三州足助屋敷の管理運営をおこなっており、足助観光協会への支援業務も行っています。概要を説明したいただいた○○さんは、尾鷲市に講演に来ていただいた方で、足助町の資源を最大限に生かした観光まちづくりを実践していました。
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三州足助屋敷


 公社の売り上げは年間約8億円を超えており、紅葉の最盛期である11月で全体の70%を稼ぐとのことでした。この数値には驚きですが、それ以外の時期のてこ入れに力も入れているとのことでした。この日も、まばらに観光客がいましたが、閑散としていたのが印象的でした。

 事業概要をみると、社員15名、嘱託11名、臨時20名の雇用創出を達成しており、繁忙期の11月限定で、中国人調理師を最高8名招聘しているとのことでした。高齢者が多いことからも、地元での生きがいづくりにも寄与しており、先手先手で行動しているのが、成功の鍵だと感じました。また、観光資源は身近にあって、それをどう観光客にみせるかに苦労していました。

 15年は先手を打っている足助町を視察し、尾鷲でも十分できそうな、田舎にしかできないヒントを見た気がしました。
by owase874 | 2008-03-17 23:14 | 観光とまちづくり

美濃市と尾鷲市の人口はそれほど違わないので…

(つづき)

 尾鷲でこの事業を考えると、夢古道おわせや三重県立熊野古道センター、アクアステーション、塩学舎などの施設見学にはじまり、旧熊野街道の町並みや昭和の町並みなど、みどころとしては、こじんまりとしていますが、引けをとらない気がします。
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夢古道おわせ


 それに、三重県には、有料や無料に関係なくタウン誌が多く存在します。意図的に紹介していただくことで、現状の情報発信以上の効果が見込めるのではないでしょうか?また、私のようなブロガーにも、同様に発信してもらうことで、より効果が高まる気がします。さらに、東紀州のブロガーを集めるだけでも、自分たちのまちを知ってもらうことの意義は大きいです。

 今日のツアーの見学場所では、うだつの上がる町並みのように、毎年10月に開催されるあかりアート展に、約13万人にも観光客が訪れるところもありながら、産業振興と観光を結び付けていくことに、必死になっていることが伺えました。美濃市の人口が2万5千弱ですから、環境が違うとはいえ、尾鷲市も見習うべき要素がありそうです。
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市之倉さかづき美術館


 陶器や刃物などの産業だけで潤っていた時代が急速に変化していく中、築き上げてきた産業を、新たな観光資源として守っていきながら、新しい風も取り入れていく手段を講じていることに、美濃市の産業の底力を知るツアーでもありました。

 尾鷲でも、できることは必ずあります。

 美濃街道ミュージアム協議会のように、率先的な情報発信の可能性を模索し、攻める観光を打ち出していることも、見習うべき姿と感じました。尾鷲市においても、来年の4月には、夢古道おわせに併設する「夢古道の湯」がオープンします。これも、よいきっかけづくりになるはずです。ぜひとも、私自身も率先するので、自治体あげての参画に期待したいと考えています。
by owase874 | 2007-12-09 02:20 | 観光とまちづくり

情報発信の手段は、多いほうがいいに決まっている

(つづき)

 情報発信を考えるとき、主催側の1次情報は、正確である反面、面白みにかけてしまいます。しかし、地元住民が発信する2次情報になると、地元への愛着やら、それゆえの批判めいたものやら、現地の情報を受け取りたい側としては、1次と2次の情報があれば、訪れてみる気にもなります。さらに、私たちのような第三者の3次情報が加われば、客観的な評価をすることによって、より訪れたい気分にも「なる可能性」が高くなります。
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昭和銭湯里山の湯


 実際の話しとして、私が旅行をするときは、その町の市役所なり観光協会的なサイトを確認して、正確な情報を入手します。しかし、2次や3次の情報も決定打になるので、必ず検索エンジンを駆使して入手につとめます。公的な機関が「楽しいですよ、美味しいですよ」と、言う情報よりは、「このように楽しいですよ、これほどに美味しいですよ」っていう情報の方が、より確実さが増します。

 今回のツアーは、そういった3次情報の発信を参加の目的としているので、少なくとも数十名がブログや雑誌やタウン誌などで、今日の様子をレポートするわけですから、いつまでも残る情報として、今日の見学地の様子が入手できるようになります。これは、不特定多数な旅行者に、実体験を基にした確実な情報を発信するわけですから、広告宣伝費に換算してもお得な手段です。
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日本大正村


 また、私のように手段を講じるブロガーの選定などには、今回のツアーを中間支援する企業も参画していたので、協議会が意図しない、私のような参加者も存在したわけです。その方が、よりリアルな情報発信に期待できると容易に予想できます。

(つづく)
by owase874 | 2007-12-09 01:36 | 観光とまちづくり

ブロガーに情報発信させる仕組みに、なるほどと感心した

 今日、名古屋駅前集合で、美濃市一体のバスツアーに参加してきました。
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ミッドランドスクエア


 朝が早いので、尾鷲からだと時間調整に苦労しましたが、バスツアーは招待の形なので、ツアー代と昼食代、入館料は無料でした。招待の理由は、ブロガー(ブログをやっている人)やマスコミ関係者(雑誌とか)に、美濃市の魅力を情報発信してもらうためで、つまり、私は自身のブログ(Cafe_CReAM モノ語り)が、一応の評価を受けて招待されたのです。
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うだつの上がる町並み


 40名定員のツアーには、31名が参加していて、皆さんがそれぞれの情報発信の手段を講じる術をもっている方たちでした。また、美濃市産業振興部観光課の職員と、ツアーを主催したJTBも同伴しており、各見学地では、美濃ミュージアム街道協議会の関係者が、ガイドや受け入れをしてくれました。

 ツアーだけですと、個人的な参加でかまわないのですが、ツアーの目的や趣旨が、尾鷲においても活用できるシステムだったので、ぜひ参考になることがあればと考えました。また、美濃市自体、高山市や下呂市、長野県などといった周辺地域に大きな観光地を控え、どちらかと言えば通り過ぎるまちと受け取られがちなので、基幹産業と観光をどう結び付けているのだろうかと、その点にも着目しました。
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日本昭和村


 担当者に話を聞くと、広域幹線道路である「東海環状自動車道」の整備が契機だったそうで、その沿線に、大小65もの芸術・伝統文化・歴史・ファッション・自然・体験の各施設を、「美濃ミュージアム」として認定したそうです。それにともなって、「美濃ミュージアム街道協議会」が発足され、今回のツアーでは、その「回遊できる街道」を体験してもらうために、協議会がツアーを企画したとのことでした。

(つづく)
by owase874 | 2007-12-09 01:24 | 観光とまちづくり

尾鷲でも実践可能な宿泊施設

 彦根駅の近くに、今晩の宿を確保しました。

 しかし、外見からは、とても宿には見えません。まちなかに一体化しています。
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これが宿ですよ


 この宿泊施設は、ごく普通の一軒家を改装しています。改装といっても、ほとんど通常の住宅と変わりありません。火気が使えないくらいです。

 尾鷲にも、空き家がたくさんあります。

 旅館業法や消防法などの法令の課題もありますが、このようにインターネットで予約も出来る宿泊所に改装することも可能です。なんとも、自宅のような雰囲気が、「このまちに住んでいる」ような気分にさせてくれます。

 尾鷲でも、このような形態の宿泊所が欲しくなりました。

※この宿泊所は…
 カーサエスタシオンひこね
 試行錯誤しながら、宿泊された方の意見も参考にして、発展しているようです。
by owase874 | 2007-10-31 01:10 | 観光とまちづくり


市民活動の延長線上に、市民目線の政治があると考えています。


by kumano874

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ご挨拶とブログの概要

当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

ときには辛口の意見もありますが、東紀州における公益や市民益を考える一人の意見として読んでいただければ幸いです。

質問や批評など、ご意見がございましたら、下記宛にお願いします。何かしらの方法で、きちんと対応させていただきます。ただし、ブログのコメントには、できる限り返答をいたしますが、端無自身の裁量になることをお許し下さい。

◆ブログ管理者
 未来874事務室
 熊野市飛鳥町佐渡462番地
 0597-84-1033
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なお、たくさんの意見や考えをお聞かせ願いたいので、直接にお会いすることも可能です。日程調整などしますので、その旨をお伝え下さい。

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