カテゴリ:東紀州はひとつに( 13 )

熊野市議会有志との懇談会~意見交換編~

 施設の見学をしたあと、多目的ホールに戻って懇談会を継続しました。

 こちらから事前に質問事項を提示していたので、詳しい資料なども用意されておりました。とくに、熊野市の財政状況と、市議会で始まったばかりの議会のweb公開については、大変に興味深い結果を得ることができました。
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熊野市役所


 平成21年度の一般会計予算の総額が、約120億円を超える規模というのは、同じ人口比率の自治体では潤沢な行政運営と言えます。同じ規模の尾鷲市では、約92億となっているので、同じ東紀州の自治体でも、これだけの違いがあることに驚くばかりです。これだけの強気予算が組めるのも、財政調整基金をはじめとする基金の総額が約37億円と、尾鷲市の数億円規模と比較しても明らかに違います。合併したことによる合併特例債など、異なる行政体系であることは理解できますが、自主財源の規模は、人口割で考えても約26%と同程度です。

 また、特色ある新規事業と名づけられた資料には、1.産業の振興、2.保健・医療・福祉の充実、3.教育・文化の振興、4.生活環境の整備、5.まちづくりの進め方のテーマ別に、総事業65事業、総額9億4237万8千円分の新規事業が組まれておりました。これは、河上市長の施策を、予算の根拠を持って打ち出した事業なので、大変にわかりやすく、納得してしまう見せ方だと感じました。尾鷲市では、岩田市長肝いりの新規事業が見え難いと感じているので、「議員や市民への見せ方も重要だなあ。」と痛感したところです。

 この資料で興味がわいたいくつかに、「熊野地鶏鶏舎建設事業(6千万円)」や、「ふるさと特産品加工所建設事業(2909万8千円)」、「鬼ヶ城センター複合施設建設事業(1342万9千円)」、「金山保育所改築事業(2億5431万6千円)」、「熊野市議会本会議映像インターネット配信事業(508万9千円)」などがありました。それぞれに説明を受けましたが、このほかにも、熊野市では有名なスポーツ振興や園芸など、わかりやすい事業への投資が予算化されていました。また、施策の打ち出しのほとんどを、河上市長が考えて決めるそうで、市議会が追随せざる得ない状況も垣間見えました。

 このうち、熊野市議会本会議映像インターネット配信事業については、12月定例会より配信が始まったwebによる議会中継のことです。これは、平成26年度までの債務負担行為で、総額では1073万6千円になりますが、単年度換算で130万円程度と、予想以上の低予算で組めることがわかりました。

 実際には、生中継と録画中継に対応しているので、「いつでも見たいときに見える」のが特徴です。議会内に設置された3台のカメラを、議会事務局の職員が操作し、テロップの打ち込みなども容易にできるそうです。録画の中継映像は、4年間蓄積されるので、任期中の一般質問などの確認もでき、キーワードなどでの検索も可能です。配布された資料の確認事項をみると、それほどややこしい内容もなく、いつでも導入できそうな事業に感じました。

 「コンピュータを使ってまで見る人がいない。」、「老人が多いのに、見るわけがない。」などの声もあったそうですが、初日のアクセス数が約850件と(2日目は約650件)、予想をはるかに超えた結果に驚いたそうです。尾鷲市でも、自宅にインターネット環境がなくても、出張所や公民館などに配備されたコンピュータから見ることができるので、議会中継がみられるような配慮をすることも可能です。何よりも、低予算で事業化できる点が評価できます。

 尾鷲市議会では、広報委員会の議員主導による市議会だよりが発行されますが、紙媒体のほかにも、開かれた議会をアピールする面でも、web中継は有益な事業になるはずです。また、地方自治体にしては、議員のブログも充実しているので(16名中6名)、市議会のサイトなどでも、積極的にアピールされてよいと考えています。本来は、ブログやサイトを持っていない方を優先するのではなく、積極的に広報している方を優先することで、より議会を身近に知っていただく機会をつくるべきだとも感じています。

 初めて、会派として熊野市議会議員と懇談会しましたが、近隣自治体との交流は、これからの時代には必要な試みです。遠くの自治体に視察しても得るものはありますが、近隣との交流は、より現実的な内容を交換でき、これが東紀州がひとつになっていくきっかけにもなるはずです。次回の開催をお互いに確認しながら、16時半まで熱心に懇談する機会を与えられました。

 帰りの道中においても、「新鮮でしたねえ。」、「有意義やったなあ。」との声もでて、今後も積極的に交流する機会を設けていきたいと考えております。
by owase874 | 2009-12-26 23:59 | 東紀州はひとつに

熊野市議会有志との懇談会~熊野市文化交流センター編~

 次に、熊野市駅横で10月にオープンしたばかりの、「熊野市交流センター」を視察しました。
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駅に隣接


 多目的ルームに案内していただき、熊野市教育委員会事務局社会教育課長より施設の概要説明を受けました。この課長さんは、私が高専生の頃にお世話になった方で、こういった形で再会するとは思いもよりませんでした。
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周囲の景観にも配慮


 総事業費は、12億3378万2403円となっており、まちづくり交付金や過疎債が充てられているそうです。職員体制は5名で、1名の嘱託職員と、4名の臨時職員で運営されております。2階建ての施設には、図書館がある一般ゾーンをはじめ、子どもと本をテーマにした児童ゾーン、2つの研修室や交流ラウンジを備えた交流ゾーン、140席の移動観覧席や昇降舞台を備えた集会ゾーン、閉架図書を9万冊収める書庫を含めた管理ゾーンで構成されています。
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一般開架は9万冊可能


 もともとの市立図書館は、ここから程近い記念通りにある市民会館の1階にありました。手狭な図書館で、試験前になると、木本高校の生徒が多く、私にような高専生は、肩身の狭い思いをした記憶があります。それが、駅に近いランドマーク的な存在に格上げされ、その認知度は、図書館の利用率にも現れておりました。
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随所にスペースが


 以前の図書館では、平成20年10月の利用者数は1,513人であったのに対し、新しくオープンした平成21年の10月では、2,902人と約2倍に増えております。また、ただ来館者が増えただけでなく、貸し出し冊数での比較でも、以前の4,697冊に対して、今年は9,239冊と、これも約2倍に増加しております。この事態には、嬉しい悲鳴といっておりましたが、蔵書が追いついていないそうで、あと3万冊強は蔵書を増やしたいとのことでした。
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木をふんだんに使用


  尾鷲の市立図書館も、司書の方の努力などもあって、小さいながらも活気があると聞いております。しかし、中央公民館の2階にある不便さがあるので、いまどきこのような施設に投資を決めた熊野市は、思い切った施策を打ち出したものだと感心しました。あきらかに、以前とは違う活気があって、この日も集会ゾーンの交流ホールでは、川上邦子舞踊研究所のダンス教室に通う生徒たちの発表が開催されておりました。尾鷲教室もあるので、尾鷲からも参加をしておりました。
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気持ちのよい空間


 懇談の席上では、設置にいたる経緯で、議会と執行部とのすれ違いなども明らかにされておりましたが、河上市長の熱い思い入れとコンセプトで押し切られた形となったようで、議会としては不満は残りつつも、トップ判断の決断のゆるぎなさを感じたのも確かです。やりすぎると意固地になって孤立しますが、すり抜けるような決断からも、リーダーシップとはこのようなものかもしれません。

 駅に近い一等地に、2階建てという利用用途の低い想定への意見もありましたが、「周辺の景観に配慮し、複合施設的な欲張りな多目的化をするよりは、記念通りや本町通りなどの地域資源も活かせるような施設にする。そのためには、まち歩きができる範囲で施設や名所を配置し、点と点を結ぶ役目を、住民や来訪者にやっていただきたい。」との市長のコンセプトにも、理解できる点がありました。豪腕ともワンマンとも聞こえてくる河上市長ですが、市長が思い描く中心市街地の理想像は、確実に実現に向けて創造ができているんだろうなと感じました。

 本は財産であり、これだけの規模の図書館という財産は、市民にとっての財産でもあります。読み聞かせや、小さい頃から本にふれることもコンセプトにあったので、この場所の利用率が高くなれば、それだけ文化的な見識も高くなる可能性を秘めています。隣接する駐車場が44台と、駐車場の問題は残りましたが、まちの空きスペースの有効利用をするなどして、どこにでも駐車できて、歩いてでもいけることが可能になれば、まち全体の未来創造図も描きやすくなります。

 何よりも注目すべきところは、交通の便利がよくなって、商店などの拡散が現実となっても、熊野市としては、中心市街地を放置していないことでした。記念通りと本町通りを視野に入れながら、駅周辺の開発もしていくまちづくりは、視察に来た私たちにも容易に想像できる内容でした。また、こういったわかりやすさが、熊野市が隣の芝生に見えてしまう単純明快さにあるのかもしれません。
by owase874 | 2009-12-26 23:04 | 東紀州はひとつに

熊野市議会有志との懇談会~里創人 熊野倶楽部編~

 本日、会派を組んでいる尾鷲維新の3名で、隣町の熊野市にお邪魔しました。

 現地では、熊野市議会議員有志の4名(増田幸美議員、前地林議員、山本洋信議員、大西三春議員)に出迎えていただき、昼食をかねて、視察先である「里創人(りぞーと) 熊野倶楽部」にてご一緒させていただきました。
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金山パイロットファーム跡地にあります


 ここは、紀南中核的交流施設として開発され、選定事業者である「株式会社エムアンドエムサービス(本社大阪市)」が運営しております。この会社の強みは、施設の管理運営のノウハウはもとより、「お宿ねっと」というポータルサイトをもっており、7万人を超える顧客を獲得している点にあります。
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日帰り入浴もできます


 昼食の前には、支配人より現地の運営状況を説明をしていただき、7月のオープンから11月末までの宿泊客が、5,385人(利用率は43%)と順調であることや、日帰り客も合わせた累計での来場者数は、4万4803人となっていることなどを説明いただきました。また、ここの特徴のひとつである「里山体験プログラム」への参加も好調で、7月から11月までの体験者数は、2,215人となっているそうです。また、宿泊客の体験人数が41.1%と、「熊野の文化や伝統にふれる」というコンセプトにも合致した運営がなされている印象でした。
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里山の景色が広がります


 昼食には、地元素材をふんだんに使用した料理を楽しみましたが、今後5年間で、すべての食材を地元産に切り替えられるように準備を進めているとのことでした。こういったこだわりは、各所で試されており、宿泊する客層を個人客に絞ったり、この地域では割高な価格設定にしていたりと(私はもう少し高くてもいいと感じていますが)、現地との住み分けや、コンセプトづくりに知恵を絞っている感じを受けました。
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新姫のしょうゆポン酢を購入


 現地の特産品を扱う「紀南幸(さきわい)商店」では、商品開発された商品も並べられており、実際の売り上げには苦労しているでしょうが、採算性をあげるための意気込みを強く感じました。ホンモノを出したいという気持ちは、きっと私のように、「ちょっとつこてみよか?食べてみよか?」に繋がるので、私はここで生産されているマルチ栽培されたみかんジュースなどのファンでもあります。

 従来型の、大勢のお客を呼び込み、宿泊させるというリゾート構想が破綻している中で、素朴な熊野を体験してもらう、熊野の地にお邪魔するといった感覚の身の丈にあったリゾート構想は、この地域にしかできない素材を生かした試みであるかも知れません。私個人としても、大型観光でまちづくりや収益増を見込むのは、すでに観光地化されている先進地に勝負を挑む無謀な取り組みだと考えているので、尾鷲市でできる観光のあり方を、もう一度検証する必要性も再認識したところです。

 このあと、熊野倶楽部を後にして、次の視察地の熊野市文化交流センターへ移動しました。
by owase874 | 2009-12-26 21:56 | 東紀州はひとつに


市民活動の延長線上に、市民目線の政治があると考えています。


by kumano874

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ご挨拶とブログの概要

当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

ときには辛口の意見もありますが、東紀州における公益や市民益を考える一人の意見として読んでいただければ幸いです。

質問や批評など、ご意見がございましたら、下記宛にお願いします。何かしらの方法で、きちんと対応させていただきます。ただし、ブログのコメントには、できる限り返答をいたしますが、端無自身の裁量になることをお許し下さい。

◆ブログ管理者
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