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南海トラフの新想定と、自治体の存続に関わる問題

 3月31日に、内閣府の南海トラフの巨大地震モデル検討会の第15回会合が開催され、震度分布・津波高の推計結果が第一次報告が取りまとめられました。

■南海トラフの巨大地震モデル検討会(第15回)
 http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/nankai_trough/15/index.html

 このサイトの、記者発表資料一式をみると、その想定された規模の大きさと深刻度が伺えるのですが、メディアでも速報が伝えられました。三重県内においては、”県の想定をはるかに超える20m級の津波が、県南部には襲来する”とのふれこみで報道もされていました。鈴木知事においても、談話を発表していましたが、肝心の県南の市町の対応については、私が知らないだけかも知れませんが、とくに危機感と対応が伝えられることはありませんでした(この点は、副議長としてですけど)。もしかすると、余りにも衝撃の発表に、思考停止をしているのでは?とも感じたほどです。確か、尾鷲市の防災担当の談話が、メディアに紹介されていたのは見ました。

 尾鷲市における、最悪の想定(南海トラフの全てで連動した場合)での24.5mの津波は、2003年に中央防災会議が想定した8mを大きく超えるものです。この想定は、尾鷲港の合同庁舎あたり(海保が入っているビル)の波高だったはずです。この場所で24.5mですので、いかに想定が大きいかがわかります。ちなみに、ビル1階が3mで考えると、8階分に相当します。これですと、尾鷲市街の大半が水没する公算です。また、最大想定震度についても、従来の震度6強から、震度7に増大しています。

 昨年末に、三重県が発表した速報値は、尾鷲市の同じ場所で10.66mだったので、その想定を2倍も超えていることになります。おそらく、県の防災関係者も、今回の想定には唖然としたかも知れません。想定に過ぎないとはいえ、県や市町が今後の地域防災を考える上で、決して無視できない報告だからです。県の津波想定のメッシュが50mしかないなかで、国の想定が大きく食い違ってきているので、より細分化したメッシュをはじき出すのが急務ですが、どこに何mを急ぐのも大事ですが、”市民の命を守る”手段をこうじるのは、いますぐにでもできることです。ただし、これは、「逃げなさい!」だけでは足りないと感じています。

 ここに、私の懸念があるのですが、津波に対しては、”逃げるか、住まないか”しかありません。それは、市民もわかっていることで、より大事な事は、”被災は必ずする。被害は逃れられない”ことに対する”その後の対応”ではないでしょうか?

 具体的には、集落の高台移転に伴う用地の想定や確保、仮設住宅の想定や確保、救援活動の拠点整備、災害支援におけ連携の見直しなどなど、生き残ったあとのことを、今から考えておくことです。

 そのためには、事前に住民アンケートなどを実施し、高台への集団移転の考えがあるかや、まさに行政にしかできない命を救うニーズ調査ができるはずです。東日本大震災での教訓や、その後の復興計画など見ても、事前に準備できる猶予が、この地域には残っています。誰しもが感じているでしょうが、そのときと、その後のことを考えられるのは、いましかないのです。被災を受けてからでは、その分だけ復興は遅れていきます。それは、尾鷲市の現状をみても、自治体の存続に関わってくるはずです。
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 今回の報告では、今後のスケジュールも公表されていましたが、この結果を待つのではなく、この作業と連動して、尾鷲市も率先して地域防災計画の見直しをする必要性を強く感じています。すでにそういう作業が始まっているのかも知れませんが、議会としての対応も急務だと感じています。

 先の定例会で、新年度予算に反対した私ですが、東日本大震災を受けて、まだ従来通りの施策を展開している市政にしっくりこないことも理由のひとつでした。大事なことに施策を絞り、すでに緊急事態に対応する施策を矢継ぎ早に出していかなければ、自治体の生き残りレースに負けてしまうかも知れません。レースとの表現はよくないかも知れませんが、西日本が広範囲に被災することに違いないので、復興は横並びではないことも、東日本大震災のその後で明らかです。

 大げさでなく、自治体が消滅する可能性があるのです。

■南海トラフの巨大地震モデル検討会について
 http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/nankai_trough/nankai_trough_top.html
by owase874 | 2012-04-06 01:45 | コラム「温故知新」


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当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

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