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民主党県連の地域戦略局の是非を考える

 昨日の議会でも、議員の間で話題になっていました。

 三重県の民主党県連が、自治体などからの陳情を集約する機関を設置したからです。脱官僚、脱族議員の旗印の下、政治主導をうたった設置ですが、局長を務める芝博一参議院員からは、「県内の陳情は民主党県連で受け付ける。政務三役は陳情を受け付けないし、面会もしない。」と報道されていました。この言葉の通りに言ったかはわかりませんが、言葉を言い換えると、「民主党を通さなければ、言うことを聞いてやらない。」にも聞こえてしまえます。

 はたして、これが本当の「政治主導」なのでしょうか?

 二大政党といっても、日本はまだ二大政党制ではありません。最大勢力となった民主党と、最大野党の自民党だけでなく、そのほかの政党も存在します。この言葉を借りると、そのほかの政党も、民主党県連に足を運ばなければならないことになります。ここに、私は疑問を感じます。政治主導は、大いに賛同しますが、かといって政治は民主党だけでやるものでもありません。対極があるからこそ、そこに論争が生まれ、政治が主導していくのではないでしょうか?

 各社の報道だけで判断するのはいけませんが、なんだかファシズム的に感じたのは私だけでしょうか?勝てば官軍とも言うけれど、それぞれの政治家には、人脈があり、コネクションがあります。「コネ」と捉えられると忌まわしい言葉にも聞こえますが、コネクションがあるからこそ、根回しという相談もできるし、判断材料を得ることもできます。それを、三重県の共産党も公明党も、国民新党も、自民党も…すべて民主党県連の門をくぐりなさいは、ちょっと横暴にも感じました。これでは、自治体の長も、すべて民主党員になるしかないのでしょうか?

 かといって、民主党県連がすべての陳情を国政に反映させることはできないので、その判断は地域戦略局(民主党県連)で決定するそうです。となれば、例えば、民主党支持者の市長と、その他政党支持者の市長がいて、ともに陳情をあげた場合は、どちらの陳情を採択するのでしょうか?きちんと公平に判断したとして、仮にその他政党支持の市長の陳情ばかりが採択されたとき、やがては民主党は民意を失うことも考えられます。やはり、身内の陳情を採択するのではとも勘ぐりたくなります。

 今、民主党は国家予算の事業仕分けをやっています。これも、賛否両論あれど、開かれた政治主導として期待をしています。しかし、この事業仕分けの中で、仕分け人が否定したにもかかわらず、民主党のいち政治家判断で採択された事業がありました。このとき感じたのが、「やはり最後は政治家判断かよ。」です。確かに、最後は政治家が判断するのが国家予算ですが、これだとそれまでの議論や仕分け人の尊重がどこまでなのかが揺らぎます。ましてや、一人の政治家が判断するということは、民意をどれだけ反映しているのかも疑問です。ここに、賛否両論の異論がでる理屈をつくってしまっているのではないでしょうか?

 新聞報道では、県内の首長の嘆きがクローズアップされていました。もちろん、民主党系の首長ならば、「あの方とはコネクションがあるので…」と感じているかもしれません。これだと、結局は自民党と同じ轍とはならないのでしょうか?公平公正に政治をやるということは、1つの党だけでは成立しないということを、とても感じています。今後の行方を見守る立場ですが、対極を忘れた自民党が、やがては自滅するように敗退していったことを、反面教師にしているかが気になりました。

 民主党の旋風によって、三重県でも若い首長が誕生しています。それは、とても歓迎するところですが、ときに政治はバランスでもあります。時勢と民意の反映には違いありませんが、1票を投じた市民の責任が問われています。私にも言えることですが、少なくとも1票を投じた市民は、最後まで見届けるように後押しをしてやって欲しいものです。それが1票の重みであり、政治主導の根源だと考えています。
by owase874 | 2009-11-18 01:40 | コラム「温故知新」


市民活動の延長線上に、市民目線の政治があると考えています。


by kumano874

ご挨拶とブログの概要

当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。


これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。

また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。

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