4.9GHz広帯域無線LANを、防災目的に自治体が導入する
予算決算常任委員会の審査がありました。
防災危機管理室の予算計上で、大変興味深いシステムの整備事業が提案されていました。ただし、4.9GHz広帯域無線LANのことが少々説明不足だったので、私たちが通常使っている無線LANシステムと混同されてました。しかし、この無線LANシステムは、もともと防犯カメラなどでの活用されており、自治体が防災ネットワークで利用するのは珍しい試みです。
そもそも4.9GHz広帯域無線LANとは、無線アクセスシステムに割当てられた周波数のことです。そのなかには、私たちが無線LANとして使っている周波数帯も含まれています。しかし、4.9GHz広帯域無線LANは、屋外利用できるライセンスバンドと呼ばれ、管轄の通信局への申請、登録、届出が必要です。ここが、通常の無線LANとは異なります。なので、特定の機器がなければ、この無線LANの電波を送受信(伝送)することはできません。
それでは、なぜこの4.9GHz広帯域無線LANが、防犯カメラや防災ネットワークにに適しているかといえば、他の周波数帯と比較して、電波干渉がなく、安定した無線通信が可能な利点があります。なので、一定の距離に中継局を設置すれば、長距離の送受信が可能となります。また、機器はバッテリー稼動できるので、尾鷲市が導入する機器は、1週間の稼動が可能とのことでした。
では、いいことだらけかというと、そうではない面もあります。この4.9GHz広帯域無線LANは、数年前に実証されているシステムではありますが、尾鷲市のように自治体が防災で導入するのは珍しいことです。本当に稼動するかどうか?は、まさに導入してみなければわからないはずです。尾鷲市では、基地局(親局)15箇所、子局47箇所、IP電話端末60台、ネットワークカメラ3台と、かなりの数の端末を使用しています。同時に全てが稼動するわけではないでしょうが、防災での利用を考えると集中はするので、設置してから稼動させて状況をみるということが必要になるかと思います。
あと、導入費用である3662万3千円は、全額が三重県の負担で整備されますが、その後のメンテナンスや機器更新などは、尾鷲市の一般財源でしていくことになります。どのくらいの費用が見込まれるのか聞くことを失念していましたが、現状では、防災ネットワークで利用するだけのシステムなので、常に稼動しているシステムではないこともあります。
しかし、私としても、大変に興味深いシステムの導入です。尾鷲市のように起伏にとんだ地形と、防災拠点となる場所と離れている地域の状況を考えると、モニターで視覚的に確認でき、音声や画像、データなど相互通信できるシステムは、他の自治体のモデル地区にもなるはずです。ぜひとも、成功させて、視察対象となるような功績を出してほしいと願っています。こういうきっかけが、尾鷲市をより知ってもらう近道になることも予測できます。この意味合いは大変に大きいと感じています(ぜひ、システム運用が軌道にのれば、視察用の資料や、尾鷲市に滞留できる観光や宿泊案内も用意してほしいいものです)。
また、尾鷲市独自のシステムとは言えど、同じシステムの端末が、県庁舎や海上保安庁、尾鷲と交流の深い自衛隊などにも搭載されれば、より状況の把握は多面的で、即効力になります。海上での通信も可能なので、海に面した尾鷲市では、船舶への搭載はより有効かと思います。さらに、パワードパラグライダーなどに搭載できれば、孤立した地域の状況把握も可能となります。と、もともと民間での採用が期待されていた分野なので、自治体での導入は、そういった民間のアイディアも流入しやすい利点もあります。ぜひとも、防災だけの利用だけでなく、通常での利用も深めて、より強固なネットワーク手段として確立してほしいと感じました。
余談になりますが、尾鷲市の防災専用無線LANとはいえ、将来的にはスマートフォンでの送受信も可能となるような補助機器が開発されれば、かなり有益なシステムになる気がします。こういったところで、行政がタイアップして官民協働で開発することも可能です。飛躍しすぎかもしれませんが、こういった初めての試みが、産業振興や観光振興に繋がることもあると考えています。
防災危機管理室の予算計上で、大変興味深いシステムの整備事業が提案されていました。ただし、4.9GHz広帯域無線LANのことが少々説明不足だったので、私たちが通常使っている無線LANシステムと混同されてました。しかし、この無線LANシステムは、もともと防犯カメラなどでの活用されており、自治体が防災ネットワークで利用するのは珍しい試みです。
そもそも4.9GHz広帯域無線LANとは、無線アクセスシステムに割当てられた周波数のことです。そのなかには、私たちが無線LANとして使っている周波数帯も含まれています。しかし、4.9GHz広帯域無線LANは、屋外利用できるライセンスバンドと呼ばれ、管轄の通信局への申請、登録、届出が必要です。ここが、通常の無線LANとは異なります。なので、特定の機器がなければ、この無線LANの電波を送受信(伝送)することはできません。
それでは、なぜこの4.9GHz広帯域無線LANが、防犯カメラや防災ネットワークにに適しているかといえば、他の周波数帯と比較して、電波干渉がなく、安定した無線通信が可能な利点があります。なので、一定の距離に中継局を設置すれば、長距離の送受信が可能となります。また、機器はバッテリー稼動できるので、尾鷲市が導入する機器は、1週間の稼動が可能とのことでした。
では、いいことだらけかというと、そうではない面もあります。この4.9GHz広帯域無線LANは、数年前に実証されているシステムではありますが、尾鷲市のように自治体が防災で導入するのは珍しいことです。本当に稼動するかどうか?は、まさに導入してみなければわからないはずです。尾鷲市では、基地局(親局)15箇所、子局47箇所、IP電話端末60台、ネットワークカメラ3台と、かなりの数の端末を使用しています。同時に全てが稼動するわけではないでしょうが、防災での利用を考えると集中はするので、設置してから稼動させて状況をみるということが必要になるかと思います。
あと、導入費用である3662万3千円は、全額が三重県の負担で整備されますが、その後のメンテナンスや機器更新などは、尾鷲市の一般財源でしていくことになります。どのくらいの費用が見込まれるのか聞くことを失念していましたが、現状では、防災ネットワークで利用するだけのシステムなので、常に稼動しているシステムではないこともあります。
しかし、私としても、大変に興味深いシステムの導入です。尾鷲市のように起伏にとんだ地形と、防災拠点となる場所と離れている地域の状況を考えると、モニターで視覚的に確認でき、音声や画像、データなど相互通信できるシステムは、他の自治体のモデル地区にもなるはずです。ぜひとも、成功させて、視察対象となるような功績を出してほしいと願っています。こういうきっかけが、尾鷲市をより知ってもらう近道になることも予測できます。この意味合いは大変に大きいと感じています(ぜひ、システム運用が軌道にのれば、視察用の資料や、尾鷲市に滞留できる観光や宿泊案内も用意してほしいいものです)。
また、尾鷲市独自のシステムとは言えど、同じシステムの端末が、県庁舎や海上保安庁、尾鷲と交流の深い自衛隊などにも搭載されれば、より状況の把握は多面的で、即効力になります。海上での通信も可能なので、海に面した尾鷲市では、船舶への搭載はより有効かと思います。さらに、パワードパラグライダーなどに搭載できれば、孤立した地域の状況把握も可能となります。と、もともと民間での採用が期待されていた分野なので、自治体での導入は、そういった民間のアイディアも流入しやすい利点もあります。ぜひとも、防災だけの利用だけでなく、通常での利用も深めて、より強固なネットワーク手段として確立してほしいと感じました。
余談になりますが、尾鷲市の防災専用無線LANとはいえ、将来的にはスマートフォンでの送受信も可能となるような補助機器が開発されれば、かなり有益なシステムになる気がします。こういったところで、行政がタイアップして官民協働で開発することも可能です。飛躍しすぎかもしれませんが、こういった初めての試みが、産業振興や観光振興に繋がることもあると考えています。
by owase874
| 2010-12-09 23:40
| 防災とまちづくり
市民活動の延長線上に、市民目線の政治があると考えています。
by kumano874
ご挨拶とブログの概要
当ブログに来ていただきありがとうございます。私が政治に関心をもったのは、災害現場でボランティアとして活動しているときに、どうしても市民活動・NPO活動だけでは届かない声があると感じてからです。1995年の、阪神淡路大震災のときです。それ以降、政策提言できる市民活動を合言葉に、さまざまなことを実践しています(市民派向けのブログもあります。こちらCafe_CReAM モノ語り)。
これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。
また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。
ときには辛口の意見もありますが、東紀州における公益や市民益を考える一人の意見として読んでいただければ幸いです。
質問や批評など、ご意見がございましたら、下記宛にお願いします。何かしらの方法で、きちんと対応させていただきます。ただし、ブログのコメントには、できる限り返答をいたしますが、端無自身の裁量になることをお許し下さい。
◆ブログ管理者
未来874事務室
熊野市飛鳥町佐渡462番地
0597-84-1033
kurage874@cream.plala.or.jp
なお、たくさんの意見や考えをお聞かせ願いたいので、直接にお会いすることも可能です。日程調整などしますので、その旨をお伝え下さい。
facebookやtwitterにも登録しています。よろしくお願いします!
これまでの思いが実現したのが、2006年11月から、2期6年半在職した尾鷲市議会議員でした。3期目の挑戦には苦杯しましたが、貴重な実体験をさせていただき、条例の制定を中心にした議会改革や、市民活動で培った政策提言を直接できる立場として、負託の重さを実感することができました。
また、尾鷲市議として負託をいただいてからは、この地域ではいち早く、議員活動をお知らせする手段の一つとして、このブログを活用しました。当時のことも含め、日々私が何を感じ、何を考えているかを綴る活動報告にもなっています。なお、2014年5月1日からは、三重県熊野市議会議員として、あらたな1歩を踏み出します。
ときには辛口の意見もありますが、東紀州における公益や市民益を考える一人の意見として読んでいただければ幸いです。
質問や批評など、ご意見がございましたら、下記宛にお願いします。何かしらの方法で、きちんと対応させていただきます。ただし、ブログのコメントには、できる限り返答をいたしますが、端無自身の裁量になることをお許し下さい。
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